旅行に出るとやたら動き回るくせに、家にいる時は意識しないと動かない。
そこで本来は1月7日までに行くものらしいが、暇つぶしと運動不足解消のために近場の七福神巡りをすることにした。
第一弾は山手七福神。
回る順序によって「商売繁盛祈願」か「無病息災・長寿祈願」になるそうだが、今年はもちろん「無病息災祈願」。
と言うことでまずは地下鉄で「白金高輪」まで行き、駅前のメゾンカイザー本店でパンを仕入れて出発。
まずやってきたのは覚林寺。
日蓮宗のお寺だがかつて熊本藩中屋敷だったここには加藤清正が祀られていて「清正公さま」と呼ばれているとか。
本堂の手前にはたわしでこすられてのっぺらぼうになってしまったお地蔵様がいらっしゃり、七福神はいずこと探すと門の脇に小さな毘沙門堂があった。
ここから白金方面に向かうと明治学院大学があり
インブリー館というかつての宣教師の住まいが見えるが、これは日本で二番目に古い宣教師館なのだそうだ。
八芳園を過ぎて地下鉄白金台駅のすぐそばにあるのは瑞聖寺。
この石柱の先に入って行くと
とても大きくて立派なお寺で
脇にはなにやらおしゃれな建物があるのでびっくり。この庫裡、隈研吾氏の設計だそうで、いやはや隈氏のよく働くこと。
こちらは珍しい黄檗宗のお寺だそうで、本堂の中を覗かせていただくとご本尊の隣に布袋様がいらっしゃった。
ここから目黒通りをまっすぐ歩き、自然教育園の緑が見えてきたら次の妙円寺の入り口。
ちょっと坂を下って行くと
こちらはこじんまりとした日蓮宗のお寺。右手の小さなお堂に福禄寿と寿老人が祀られているそうだがどの扉もしっかり閉じられて人影もない。
庭園美術館も過ぎて、せっかくここを通るならば、と大好きなインドネシア料理屋「Cabe」のナシチャンプルーでランチ休憩。
インドネシア人グループも食べに来ていたこちら、やっぱりおいしい。
目黒駅を過ぎたら雅叙園に向かって行人坂の急坂を下りて行くと途中に天台宗の大円寺がある。
こちらに祀られているのは大黒天だが
その脇には五百羅漢が並んでいる。なんでも1772年にこのお寺から行人坂大火が発生したそうで、これはその供養のためのものとか。
実は雅叙園の隣のビルで何年か働いていて毎日このお寺の前を通っていたのだが、そんな謂れも五百羅漢があることも全く知らなかった。
雅叙園を過ぎ、目黒川を渡ったら次は蟠竜寺。
こちらは浄土宗のお寺だそうで、本堂の前には蝋梅が見事に活けられている。
この本堂の右手に回ると
岩屋の中に弁財天。
その上にも小さなお堂があって、こちらにも弁天様がいらっしゃる。
ここからちょっと歩いて、最後は有名な目黒不動尊。
バス停の先に立派な楼門が見えるが
その手前の赤い鳥居の先に恵比寿様がいらっしゃって、これで七福神巡りは終了。
しかしせっかくなのでお不動様にもお参り。
楼門をくぐり
独鈷の滝や犬らしい狛犬を過ぎ、急階段を上ると
さすが立派な本堂。こちらは天台宗のお寺だそうだ。
ここからまた歩いて武蔵小山の我が家まで。
ランチ休憩も入れて3時間、door to doorで11,212歩、移動距離8km。
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めったに映画館に脚を運ばないくせに、一本見ると予告編に誘われてまた行きたくなる。
そこで緊急事態宣言下でもがんばって営業を続けている映画館を応援すべく、平日昼間のシネスイッチ銀座へ。
朝一の一本目、10人ちょっとのお客さんと見たのは
「Gogo 94歳の小学生」
Gogoとはスワヒリ語でおばあちゃんのこと。ケニアのプリシラおばあちゃんは94歳にしてひ孫たちと寄宿舎に寝泊まりして小学校の勉強をしている。
先生は孫の年齢、気を使ってくれるけれどおばあちゃんは耳も遠くなっているし、目は白内障で良く見えなくて、小学校の卒業試験に合格するのは難しい。
元々助産婦として女性たちを見てきたプリシラさん、自分が子供の頃には女の子に勉強をさせようなんて言う親はいなかったし、今はいい時代になったと言う。
それなのに早くに妊娠してしまって学業を続けない(続けられない)女の子たちが多いことに心を痛め、自分が範を示そうと入学した、これはドキュメンタリーなのだ。
ケニアといえども広くて、Gogoのクラスがマサイマラに1週間(!)の遠足に行くと象やライオン、キリンを初めて見たとみんな大喜びする。
その景色が素晴らしく、学校の生徒たちはクリクリとした目が可愛くて、特にGogoのひ孫は美少女だ。
プリシラさんは94歳とはとても思えないほどかくしゃくとして、何よりもその意識の高さが素晴らしい。だからこそこのドキュメンタリー映画を作ったのだろうが、「ありのままを撮った」という監督の言葉とは裏腹、ひ孫や校長の言葉は明らかにセリフだし、学校の近所に住むGogoの友達のおばあちゃんも学校に入学するというのも本当とは思えない。
映画のハイライトにはプリシラの名前を冠した新しい寄宿舎が完成するところがあるのだが、明らかにスポンサーがいるその経緯は何も説明されず、そういうところこそドキュメンタリーなんじゃないか。
フランスのドキュメンタリー映画は以前「皇帝ペンギン」を見た時にも思ったが、映像は素晴らしいが演出が作為がありすぎてくさい。
ラスト近く、おばあちゃんが白内障の手術を受けて喜ぶあたりは本当に自然で、全編がそんな感じだったらずっといいドキュメンタリーになっただろうと惜しかった。
お昼は期待通りゆったりと空いている和光のティーサロンで
正統マカロニグラタンにアールグレイのアイスクリーム、うまし。
そして二本目は公開初日だった
「羊飼いと風船」
こちらは珍しいチベット映画。
チベット人監督に俳優たちもチベット族でセリフもチベット語。今の中国でもこういう映画が撮れるんだ、とうれしい驚き。
舞台は東チベットだろう、広々とした草原で羊を飼っている家族、その子供たちが親の隠していたコンドームを風船だと思って遊んでしまう所からストーリーは始まる。
その結果として望まない妊娠をしてしまって、と言うあたりは予想通りの展開。
しかしそこにチベット人ならではの死生観、家族観、さらに現代中国ならではの社会情勢が絡まり、シンプルなストーリーながらすべての要素がまるでジグソーパズルのようにはまる、見事な脚本。
羊の種付けのユーモラスなシーンもきっちり意味を持つし、チベット人俳優の皆さんは子役まで自然な演技でうまい。
そして何よりチベットの風景、うわ~、行きたいよ~。
失礼ながらチベット映画がこれほど質が高いとは思わなかった。
3月には岩波ホールでチベット映画特集があるらしいので、これはまた行かなきゃ。
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しばらく旅行に出られないので今年のお取り寄せ初め。
すっかりはまっているJAの野菜ボックスは知らないうちにキャンペーンに当たって2000円分のポイントをもらっていた。
そこで早速それを使わせていただいて、今度は島根県の銀山から。
今回も定番野菜ばかりだが、この時期白菜、ネギ、キャベツは期待通り、日持ちがして鍋にできるのでうれしい。
鮮度のいいほうれん草が生で食べても驚くほど甘く、ネギの青い部分が柔らかいのでベーコンと炒めてみたらこれもいける。普段ならスープの出汁取りにしか使わないのでこれはお得。
毎年早春の柑橘類が豊富になる頃に取り寄せている愛媛の果物屋さん、1月15日まで福袋があったので申し込み。
2021年なので5キロで2021円。青っぽいのはスイートスプリング、大きいのは伊予柑、小さいのはポンカンで温州ミカンも4つ、数えてみたら全部で27個入っていた。
皮に傷が付いているものもあるが食べられないものは1つもなく、特にポンカンが甘ーい。
昔いとこの手が黄色くなって、もしや黄疸では、と医者に行ったら「みかんの食べすぎです」と笑われたことがある。気を付けよう。
もう一つはtrintrinさんの真似をして豊洲市場から生花を注文。
大きな段ボールがやってきて、開いたとたんにとてもいい香りがする。
それもそのはず、スイートピーが10本にガーベラとチューリップが5本づつ。
きれいに活けられなくて花に申し訳ないが
1週間以上経ってもまだ楽しませてくれる。
ヤマトのお兄さんともすっかり顔なじみだ。
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trintrinさんが高知空港で鶴丸印のスタッフから横断幕とお手振りでお見送りされたという記事を読んで思い出した。
大分空港から出発した時、すでに外は暗かったので横断幕などはなかったし、地上スタッフのお手振りがあったかどうかも覚えていない。
しかし羽田に到着し、預けてあった荷物を受け取ると
こんなタグが付けられていた。
タグは一つ一つ手作りらしく、友人の方のは小さなステッカー付きで文面も違う。
すべての預け入れ荷物に付けられていたのかどうかはわからないが、空港スタッフさんたちの一生懸命さが伝わってきてほっこりしてしまった。
航空会社に限らず、旅行関係の方々は皆さん本当に大変。
と言うわけでここからが本題。
インドに行くたびデリーでお付き合いいただくサントーシーさんからオンラインツアーのお知らせがあったのでこちらにも転載。
*********
自宅で楽しむ魅惑のインド!!
《インドのエネルギッシュな人たちに会いに行こう!》
催行 日時: 2021年2月13日(土)
日本時間16:00~19:30
ツアー内容: ①オールドデリー観光
②ダージリンティの紹介
③インド料理教室
④ヨーガ教室
⑤ボリウッドダンス教室
参加 費用: A~DとS 5つのコース
下記URLよりご確認の上、お申込みください。
U R L: https://autabi.com/event/event-open/17767/
サントーシーってどんな人?
と、思われていたこのブログの正体不明の管理人が、
ついにそのベールを脱ぐ!!(笑)
A~Dコースは、インド応援セットと言うインド名産品の内容が
異なるだけでツアー内容は同じです。
ツアーのみのSコースは4000円ですので、
インド応援セットの内容をご確認の上、お申し込みください。
100%ライブです! 生サントーシーです!
・・・・・・放送事故あるかも・・・。
でもインドだもん、しょうがないよ。
だってインドだもん。笑。
お申込みお待ちしています!
どぞ、よろしく。
*********
他にもブータンやらマレーシア、南イタリアなどなど、お世話になった方々がオンライン企画でがんばっていらっしゃる。
明けない夜はないと言うけれど、夜明けはまだ遠いのかなあ。
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12月7日 続き
明礬から鉄輪に戻って来たがお昼が少なかったので小腹が空いた。
そこで泊まっていた陽光荘の裏手、おしゃれな柳屋さんのカフェへ。
シフォンケーキをお願いしてみるとこれがすごくおいしい。大分のサリーガーデンというケーキ屋さんのものらしく、柳屋という宿もこのケーキ屋さんが母体。お店の感じも良くて、次は柳屋に泊まるのもありかも、とまた来る気満々。
さて、空港に向かう前にもう一風呂。鉄輪には渋い共同湯がたくさんあるけれど、最後は飛行機に乗るためにちゃんと身支度できるところがいい。
そこで最後まで残しておいた宿でもらった無料入館券を持ってひょうたん温泉に行ってみると
うそ!臨時休業だって!
ここも年末年始に備えてのメンテナンスに入ったらしい。
仕方がないので他に良い所はないかと検索すると、近くのホテル風月HAMMONDに立ち寄り湯があるとわかり、グーグル先生が裏口を案内するので迷いつつ、なんとか入り口にたどり着いた。
「湯屋 夢たまて筥」
入場料は530円、フロントの人は「ひょうたん温泉が休みなので今日はお客さんが多い」と正直。
しかし入ってみれば月曜の中途半端な時間なので混み合っていることもなく
以下、お風呂の写真はHPから
露天には打たせ湯やら箱蒸しもあるが
それよりも広い内湯のヒノキ風呂が香りも良くていい。
さっぱりして荷物を受け取るべく宿へ向かうと、裏手にひょうたん温泉の冷却装置があった。
これは100℃近い温泉を竹の枝に流して温度を下げるもの。
これは新穂高の中崎山荘でも見たがこちらが元祖なのだそうだ。
宿からはタクシーを呼んでもらって、一番近い空港バス停留所である観光港へ。
バスが遅れていてしばらく寒い道路脇で待つ羽目になったが、大分からやってきたバスは満席。
着席禁止になっていた一番前の座席に座らせてもらって、大分空港までは45分と結構遠い。
思ったよりもにぎやかな空港内はやっぱり強力に温泉押しだけれど
それよりもこの大分空港のキャラクターがペンギン好きにはどストライク。
というわけで現在自分のスマホの待ち受けはこの「マーシャルくん」だ。
ところで最後はこの空港内で夕食を食べてから帰ろうとかなり早めにやってきた。
食堂街にまともな寿司屋があると調べてきたので、〆は関アジ、関サバ、と期待していたらなんと、18時時点でもう店じまいしている。
ひょうたん温泉に続いて本日2度目のがっかり。なぜか旅行の最終日はこういうことが多い気がする。
仕方がないので別の店でこんなお膳。
とり天にりゅうきゅう、大分牛と盛りだくさんだけれど、やっぱり関サバが食べたかった・・・。
と未練を残しながら楽しかった大分にお別れ。
持ち帰ったのはいつもの通り、ほぼ消え物。
気に入っているのは豊後森のミュージアムで買った水戸岡さんのクリアファイル。
もう一つ良かったのは由布院で買った羊羹。
「ジャズとようかん」は由布院のミーハー通りにあるお店だが、売っているお菓子も雑貨も他とは一線を画してあか抜けている。
行く前に見つけてどうしても買ってみたかったのがこちら。
ピアノ柄で、羊羹は季節限定のチョコレート。チョコレートが勝っているけれど確かに小豆の味もして、中に入ったレーズンといちじく、チェリーの酸味もぴったり。
次にまた九州に行けるのはいつだろうか。
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12月7日
大分もとうとう最終日。
残った食材など片付けながら宿のチェックアウト時間までぐずぐずしていたら館内の大掃除が始まってしまった。
とは言え帰りの飛行機は夜なので、大きな荷物は預かってもらって
バスで明礬温泉へ向かう。
乗車8分で降りたのは紺屋地獄前。
バス通りから少し下って行くと古い学校か病院のような建物が見えて、これが目指す「別府温泉保養ランド」。
名前からして昭和臭がぷんぷんするが、1100円を支払って中に入るとがらんとしたロビーもタイルがつぎはぎになっていたりして哀愁を誘う。
はげちょろけた人工芝の敷かれた渡り廊下を進むと脇ではすごい音を立てて噴気が上がり、
畳敷きの休憩室の先のおばちゃんにチケットを渡し、シャワーキャップをもらって浴室へ。
ここから先は撮影禁止なので写真はHPから借用。
暖簾をくぐった先には棚だけの簡単な脱衣場があって、その目の前に乳白色の「コロイド湯」がある。
この旅では初めての硫黄泉、40℃とちょうどいい温度で、2,30人は入れそうな大きなお風呂は天井も高くて気持ちいい~。
ここでしっかり温まったら奥へ。
すると現れるのが「地下鉱泥浴場」。
名前の通りまさに泥で、底がぬるぬるしているので手すりにつかまらないと足を滑らせてドボンと沈没してしまう。
この泥は腐植粘土に硫黄化水素ガスが混ざったものだそうで、顔に塗ってしばらくしたら顔がスースーした。
この先には蒸し湯の表示もあったので覗いてみたが、小さな部屋の中には硫黄の蒸気が充満していて窒息しそう。
命の危険を感じる(笑)のでまた移動して、次は露天の「鉱泥大浴場」へ。
ここは混浴なのだが女性側からの入り口は塀で囲まれているので泥湯の中に肩まで浸かって中腰で移動すれば透明度は0。しかも大きな池の中央には柵があって男女は分けられている。
お湯の温度は40℃ほど、ただし立ち入り禁止の端の方に行くとそちらから熱いお湯が出ているらしく温度が上がるので好きな所に行けばいい。
面白いけどこの日はピーカン晴れ、あまり露天に入っていては日焼けしそうなのでシャワーで泥を落とし、コロイド湯にもう一度入って本日第一湯終了。
保養ランドを出たら大分道の高い陸橋の下をくぐって坂道を上がる。
山の上に見える大きな建物はインターコンチネンタルホテル。見晴らしは良さそうだが、温泉巡りもできずにつまらなそうだ。
少し行くと明礬温泉の宿が密集している所が見えてきて
共同浴場があったり
湯の花を採集する小屋も見られる。
しかし我々は花より団子。
温泉の噴気でいろいろ蒸している岡本屋さんの売店で
有名な地獄蒸しプリンを買い、宿で作った蒸しパンでお昼。
プリンはカラメルソースがおいしいけど、まあ普通。
お腹を軽く満たしたら坂を少し下ってもう一湯、「湯屋 えびす」へ。
とてもきれいな館内、受付で1200円を支払い、1,2階に分かれているお風呂の今日は1階が女性用(隔日で交代)ということで3階から下に降りる。
脱衣場から出るとまずは洗い場のある半露天の「月夜のうさぎと岩風呂」。
名前はなんだが、青みがかった白濁の硫黄泉で鮮度も良く、これは気持ちいい。
ここからまた階段を下りて行くと八角形の東屋風のお風呂があって
こちらは無色透明の単純泉。ジャグジーになっているが湯温がちょっと高くて長く入っていられない。
この下には硫黄の露天と単純泉の一人用浴槽が並んでいて、
露天はぬるいが一人用の方はかけ流しが気持ちよく
大きな橋の向こうには別府湾も見える。
さらにここには箱蒸しもあって
蓋を占めるとまるでさらし首のようだが、熱すぎずにこれまた気持ちいい。
岡本屋の売店には車がいっぱいだったが、ここは月曜のためか人も少なく、あっちこっちと入りまくって、硫黄の香りをさせつつ鉄輪に戻った。
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12月6日 続き
地獄めぐりを終えたらまたバスに乗って別府の街中へ。
ローカルデパートのトキハの前で降りたら
お向かいの竹瓦温泉横丁へ。
この細い路地とこの周辺、怪しげな風俗店がいっぱいあって
うわー、ここいまだに現役なの?と思ったら映画館自体は移転しているが「ピンク映画」は今も上映しているらしい。
さて、この道に潜入したのはもちろん成人映画を見るためではなく、
この堂々たる佇まいの竹瓦温泉の砂湯に入るため。
玄関を上がり、券売機で1500円のチケットを買って番台に出すとおじさんが丁寧に説明してくれる。
砂湯は一度に入れる人数が限られているので時間制、3時半にやって来たが指定されたのは4時15分。
実は前日もここに来たのだが指定された時間では遅すぎたので出直してきたのだ。
昭和13年に作られたという館内はロビーの天井も高くて雰囲気よく
温泉成分のびっしりこびりついた配管なども展示されている。
ここで「九州温泉道」のスタンプをもらうと番台のおじさん、「がんばってね、僕は2周したよ」とダブル泉人であることが発覚。
ここのロビーには88湯を制覇した泉人の名前が掲げられていて
この時点で2225人。関東在住者には遠い道だ。
なぜか若い女の子たちでいっぱいのこのロビーでゆっくり待ち、時間になったら呼ばれて砂湯の入り口へ。
入ると脱衣スペースと内湯があり、ここで浴衣を着たら男女一緒になる砂場へ。
浴場内部の写真はHPより
置かれた木の枕に頭を乗せるとお姉さんたちがスコップで体に砂を乗せてくれるのだがこれが想像以上に重い。これだけの砂でも動けないのだから、そりゃ土に埋められたら自力では出られないよな、と変なことを考える。
温度は思ったほどは熱くなくてじんわり、じっと横になっているとヨガのシャバアーサナ(屍のポーズ)を取っている時のような気分になる。
それほど汗が出ることもなく、15分でタイムアップ。埋められた順番に起き上がって、内湯でシャワーを使い、上がり湯をかぶる。
途中では希望すると砂かけのお姉さんがスマホで写真を撮ってくれるサービスまであって、重い砂をかける作業こそ汗だくになりそうだ。
30分ほどで砂湯を出たらロビーの反対側にある内湯へ移動。
塩化物泉というお湯は無色透明で癖はなく、番台のおじさんは「44,5℃あって熱いよ」とお客さんをおどしていたが、湯口でこそ44℃あるものの浴槽内は41℃の適温でしっかり浸かれる。
しかし「縁に座っちゃダメ」と温泉奉行をしていた地元のおばあちゃんによると以前はもっと熱かったのだそうで、「最近はぬるくなっちゃって」とご不満の様子。
砂湯は初めてだったし、なによりこの雰囲気満点の施設に入れて大満足。
でも砂湯より蒸し湯の方が個人的には好きだ。
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本来なら昨日から恒例「大人の休日俱楽部パス」で東北へ行き、今頃は雪見風呂を楽しんでいるはずだった。
Go To停止ぐらいなら決行するつもりだったが、さすがに緊急事態宣言が出されてしまっては行った先でも歓迎はされまい、と泣く泣くキャンセル。
大雪で列車が停まる可能性もあるし、と自分を慰めつつも、我ながらなかなか面白いルートを考えていたので残念。
助かったのはすでに買っていたパスの払い戻しをしたところ、さすがに通常であれば660円かかる手数料が免除されたこと。
しかし今の情勢では中止ではないかと思っていたパスの販売は継続しているし、手数料免除のこともHPなど探してもどこにも書いていない。
みどりの窓口のお兄さんもなにやら細かい書類を散々チェックしてキャンセル料免除を確認していた。
JRさんが苦しいのはよくわかる。
また使ってあげるからちゃんとしてね。
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12月6日
宿で蒸しパンや生カボスジュースの朝食を取ったら有名な別府地獄めぐりに出発。
しかしその前に朝風呂は宿から徒歩5分のこちら。
鉄輪むし湯。
入湯料は520円に貸し浴衣が220円。
入ると仕切り係のおばさんがいて、その指示でまずは内湯でお尻を洗い、それから浴衣を着て天井のとても低い蒸し湯に入り、木の枕に頭を乗せて横になる。
韓国の汗蒸幕に似ているがあちらほど熱くはなく、中には石菖という草が敷き詰められているのでこれがとてもいい香りでラオスのサウナを思い出す。
横になっていると5分もすれば汗が噴出してきて、8分経つと外から声がかかるがまだ入っていたいと言えば10分まで延長可能。
出ればもちろん汗だく。これを隣の内湯で流して40℃ほどのお湯に浸かれば気持ちいい~。
蒸し湯の目の前にはお地蔵さんや湯かけ上人様がいらっしゃるので軽くお参りして
途中には「渋の湯」や「上人湯」といった魅力的な共同浴場があるけれど今日はパス。
まだ人の少ないいで湯坂を上って行く。
すぐに到着したのが「白池地獄」。
地獄めぐりの1ヶ所目なのでここで7ヶ所入れる2000円の入場券を購入。
ここの地獄はちょっと緑がかった白濁のお湯。
そしてこのお湯を利用しているのだろう、熱帯魚館があり
大きなピラルクやアロワナがいて、バブル時代アロワナを100万円で買ってかわいがってた元同僚がいたな、なんてくだらないことを思い出す。
次は斜め前にある「鬼山地獄」。
こちらのとても熱そうな地獄池の傍にはボルネオの伝統家屋が建っていて
それというのも中にイチロウ君という巨大ワニのはく製があるから。このワニ、大正12年生まれで平成8年、73歳までここにいたのだとか。
というわけで現在もここにはワニがたくさん飼育されていて、昭和33年開園の熱川バナナワニ園よりずっと歴史が古い。
イチロウ君は今も3代目がいて、これがいきなり大口開けてバクンとやったもので見学者大喜び。
ここからまたすぐの所には「かまど地獄」。
ここには青みがかった池やら赤い池やら、1ヶ所にたくさんの種類のお湯があって
そこで係の人が線香の煙を吹きかけて水蒸気が付く様子を実験して見せてくれる。その口上がまるで噺家のようにうまい。
ところでここには知る人ぞ知る貸切風呂があって、これに入ることを楽しみにやって来たのだが、受付で聞いてみると「すいません、今はコロナ対策で受け付けてないんです」とのことでがっかり。
大賑わいの足湯にしか浸かれなかったのが無念。
気を取り直して坂を上がり、「鬼石坊主地獄」へ。
ここでは熱い泥が坊主の頭のように出てくるというわけだが、一度閉園されたものが最近復活したそうで、他が昭和感満載なのに比べて全体に落ち着いたシックな造りになっている。
このすぐお隣が「海地獄」。
地獄めぐりの中では一番規模が大きく設備も整っているので
ここのカフェテリアでお昼にする。
とり天はこんなに入って300円、平べったい麺のだんご汁もたっぷり入って体が温まる。
園内には名前の通り真っ青な海地獄の他に大きな池もあって景色は一番いい。
赤い池のそばにはオオオニバスや水連の温室もあって、やはりバナナワニ園は別府を真似たのだろう。
出口のそばには「地獄名物 極楽饅頭」があったのでもうおやつ。
親指の先ほどのかわいいお饅頭なのでパクパク。
さて、残る地獄はあと2つ。
しかしそちらは少し離れているのでいで湯坂の入り口まで戻ってバスに乗る。
大きな赤い池は血の池地獄。
そのほんのちょっと先にあるのが龍巻地獄。
大きなお土産売り場を通って先へ行くと
間欠泉があって立派な石段の観覧席がある。
しかし噴き上げたばかりだったのか、しばらく待っても噴き上げる様子がないし、大体高く上がりすぎないように噴気孔の上は石の屋根になっている。
「あと10分です」と言うアナウンスに待つ気をなくして、これで地獄めぐりは終了。
それにしてもスタンプってなぜ集めたくなるんだろうか。
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別府駅前からタクシー15分でやってきたのは鉄輪温泉。
そのいでゆ坂の途中にあるのが2泊する「陽光荘」。
玄関を入ると思いがけず学生かと思うような若いお兄さんが現れ、宿代を前払いするとこれまた予想外に若い(失礼!)女将さんが部屋に案内して館内の説明を丁寧にしてくれた。古い宿なのでてっきりおばあちゃんが現れると思い込んでいたのだ。
館内は複雑な造りで思いがけない所に階段があったりするのだが、案内されたのは2階。
ミシミシと音を立てる廊下に面してふすまで仕切られた部屋が並び、鍵は南京錠1つ。
しかし廊下はよく掃除されてピカピカだ。
我々の部屋は角部屋の8畳間。
押し入れもなく布団が積まれているが、シーツなど真っ白でバリバリに糊が効き、下敷きマットもあって全く問題なし。
小さなテレビがあるがこれがなんと、2時間100円のコイン投入方式。最近の宿では全く珍しい。
ちなみにエアコンもコイン式だが今回は不要。というのも暖房器は別にあって、これは温泉熱を利用しているのか、スイッチを入れなくてもとても暖かかった。
部屋にはこのほかに鍋釜や茶わんが備えられていて、それというのもこの宿が自炊宿だから。
部屋の目の前にある、これが炊事場で、もうもうと湯気が上がっているのは温泉の湯気。そのため館内には硫黄とも違う独特の温泉のにおいが充満している。
玄関の看板に小さく書いてある通り、ここは鉄輪地獄という源泉の上に宿が建てられているのだそうで、各部屋はこの炊事場を囲むような造りになっているのだ。
温泉成分がびっしりと付いた釜には常にお湯が沸いていて、蓋の付いた釜で地獄蒸しと呼ばれる蒸し料理が作れる仕掛け。この宿にはこの釜が27もある。
この宿を選んだのはもちろんこの地獄蒸しがしたいため。
そのためべっぷ駅市場で買い物をしてきたし、宿から10分ほどの所には大きなスーパーがあるので飲み物などはそこで仕入れてきた。
炊事場の横には大きな冷蔵庫があるし、食器類もふんだん。
流しにはきれいなまな板やよく切れる包丁も完備。食材は大きな皿かざる、ボールに入れ、
釜の底に簀の子を敷いた上に載せて蓋をする。炊事場には調理時間の目安もちゃんと書いてあるので
あとは待つだけ。
というわけで初日の晩の夕食はイトヨリとアサリのアクアパッツァ。これがおいしくないわけがない。
鮮やかな紫のカリフラワーは加熱したら緑になるかと思ったが蒸すと色が変わらず、その代わりカボスの汁をかけたらリトマス試験紙のようにピンクになった。
翌日は大きなエビに、長芋と玉ねぎも蒸してみた。
丸のままの玉ねぎ蒸し、肉みそがぴったり。
さらに朝食にはホットケーキミックスを使って蒸しパン。
卵は一晩蒸して置いたら中が茶色くなり、ほのかな塩味が付いてうまーい!
地獄蒸しはほっておいても焦げる心配もないし、楽しくて仕方がない。
食事の後はお風呂。この宿にももちろん温泉の浴室が大小2つあってこまめに男女入れ替えになっているが、入りたいと思う時間はいつも小さい方が女性用。
なので宿の内湯は結局1回しか入らなかったが、この他に少し離れた所にある別館には貸切風呂が3つもあるそうで、この宿だけでも入りきれない。
宿には我々の他にも宿泊客が結構いたようだが夜も静か。
夜の炊事場は独占状態、朝には何人か男性を見かけたが皆さん一人旅で楽しんでいらっしゃる様子。
この宿の不満はただ一つ、トイレが遠くてしかも男女分かれていない所だが、普段でもお安い宿代がGo Toのおかげで2泊で5400円、その上1000円のクーポンに近所のひょうたん温泉の入場券付きで、これで文句を言ったらバチが当たる。
この宿、次は1週間ぐらい連泊したい。
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