8時半を回ったあたり、お世話になったかど半旅館を徒歩で出発、旧道を降りて行く。
すぐに頭上に見えるのは八ッ場ダム建設に伴って作られたという国道145号バイパスの真新しい高架。これができたおかげで草津温泉へは早くなったが、川原湯や川中温泉はまったくスルーされてしまうのだそうだ。
まだ残る旧国道まで降り、JR吾妻線の線路を渡ると眼下に吾妻渓谷が見える。
深い緑に覆われた渓谷の底を流れる川がブルーグリーンでとてもきれい。
線路を渡ってすぐに右折すれば渓谷の遊歩道だと女将が言っていたのでその通りに進むと、道は旧国道沿いの歩道でどうも下に降りる道はない。もっと緑の中を歩けるものと思っていたのでいささか拍子抜けだが、渓谷を覗き込みながら歩けば
山藤は咲いているし
吾妻線の「日本一短いトンネル」(右の写真、トンネルの向こう側が見えるのがわかるだろうか)も見られたのでよしとしよう。
やがて駅まであとちょうど半分というあたりでやっと下に降りる階段があった。
鹿飛橋を渡ったこの先は期待通りのハイキングコースになっていて、林の中を歩くのは気持ちよさそう。
ところが残念なことに本来は川原湯温泉駅までつながっているこのコース、昨冬の大雪で道が崩れて通り抜けができないと言う。やがてダムの底に沈んでしまうことになるこの道だからこそ歩いてみたかったが、引き返すのでは時間がかかりすぎるのでしぶしぶ国道へ戻る。
そしてもうしばらく行くと
おお、これが問題の八ッ場ダム建設現場。思っていたよりずいぶんこじんまりした工事だな、と思うが
これが完成すると地図の緑の線で囲まれた部分が水の底に沈み、今立っているところも水没する。
と言っても完成まではあと5年はかかるらしい。
国道をてくてくと、宿から6キロほども歩いただろうか、90分で川原湯温泉駅に到着。
この前を素通りしてさらに先へ進むと駅名になっている川原湯温泉街の入り口。
ここには8軒ほどの旅館と2軒の共同浴場があったのだが、
旅館の多くはすでに取り壊され、工事現場をぐんまちゃんが仕切っていたりする。
高台に移って営業を続ける旅館は2軒だけ、あとはこれを機に商売をたたんで高崎などへ移転してしまった人がほとんどなのだそうだ。
意外にきつい坂を10分ほども上がってやっとたどり着いたのはまだ営業を続けている共同浴場「王湯」。
ここも本来は3月末で新しい施設に移るはずだったところ、春先の大雪で工事が遅れて6月末までの営業になったということですべりこみセーフ。
入口の自販機で300円を支払い、階段を下に降りて行くと内湯がある。
脱衣場にもガラスの仕切りがあり、さらに階段を下りたところに8人は入れそうなきれいな浴槽。
含硫黄-塩化物・硫酸塩温泉と言うお湯は無色でうっすらと濁っている程度、浸かっているとそれほど強くにおいを感じないが、湯口のコップに汲んでみると硫黄のにおいがむせるほど、その割に飲んでみるとちょっとだし汁のような味で意外に飲める。
70℃以上ある源泉にじゃんじゃん水が入れられているが、それでも43,4℃と熱めのお湯。長くは浸かっていられないが、浴槽の周りが広々として明るいのでとても気持ちがいい。ハイキングの汗を流すのにピッタリ。
この内湯はとても気に入ったが、列車の時間までまだかなりあるので、露天風呂にも行ってみることにする。
ここの露天は一度服を着て上に上がり、渡り廊下を渡ってまた下に降りなければならない。
6人ほどでいっぱいになりそうな浴槽は眼の前の壁が高くて、お湯に浸かると展望はない。こちらの方が濁りが少し濃くて、水加減もあるのだろうが内湯よりもやや熱い。
帰り際、受付のお姉さんが温泉好きらしいお客さんと話しているのを聞くと、内湯は従来からの源泉、露天は移転のために新しく掘られた源泉からのお湯だそうで、「成分はおなじはずなんですけど露天の方がきつく感じるらしいですね」と元の源泉に愛着を感じる言葉。
平日にもかかわらず閉館を惜しむ客がたくさん来ていて、このお風呂がなくなってしまうのは実にもったいない。
さっぱりとしたところで駅へ。
このクラシックな駅舎には自販機もなく、駅員さんから切符をもらうがさすがに硬券ではないのがちょっと惜しい。
線路の向こうには高い橋がそびえ、ダムが完成すればあの高さまで水が来る予定。新しい線路や駅舎ももちろん作られており、この秋には移転の予定らしい。
最初で最後の駅に別れを告げ、高崎行きの普通列車に乗車。
高崎駅からは新幹線に乗り継いだが、昼食のために改札を出てみると
ぐんまちゃんのキャラクターショップはあるし
それ以上に群馬の特産品を集めた店の規模が大きくてびっくり。ここの品ぞろえがすごくて、群馬県、イメージアップにかなり本気な様子。
ついいろいろ買いこんでしまって
新幹線車内で食べた抹茶アイスは残念ながら値段から期待したほどではなかったけれど、水沢うどんやお菓子類はどれもおいしくて大満足。
お昼は駅ビル内で上州豚をおいしくいただいて
夜は高崎駅の鶏めし弁当、900円。
高崎と言えばだるま弁当や峠の釜めしが有名だけれど、さすがにその中をも生き抜いてきただけある。
そぼろに照り焼き、鶏肉焼きにつくねは北関東らしいしっかりした味付けで飽きないおいしさ。
近場でこれまであまり気に留めてもいなかった群馬も、来てみれば考えさせられるところもあり、でもやっぱり楽しかった。
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すぐに頭上に見えるのは八ッ場ダム建設に伴って作られたという国道145号バイパスの真新しい高架。これができたおかげで草津温泉へは早くなったが、川原湯や川中温泉はまったくスルーされてしまうのだそうだ。
まだ残る旧国道まで降り、JR吾妻線の線路を渡ると眼下に吾妻渓谷が見える。
深い緑に覆われた渓谷の底を流れる川がブルーグリーンでとてもきれい。
線路を渡ってすぐに右折すれば渓谷の遊歩道だと女将が言っていたのでその通りに進むと、道は旧国道沿いの歩道でどうも下に降りる道はない。もっと緑の中を歩けるものと思っていたのでいささか拍子抜けだが、渓谷を覗き込みながら歩けば
山藤は咲いているし
吾妻線の「日本一短いトンネル」(右の写真、トンネルの向こう側が見えるのがわかるだろうか)も見られたのでよしとしよう。
やがて駅まであとちょうど半分というあたりでやっと下に降りる階段があった。
鹿飛橋を渡ったこの先は期待通りのハイキングコースになっていて、林の中を歩くのは気持ちよさそう。
ところが残念なことに本来は川原湯温泉駅までつながっているこのコース、昨冬の大雪で道が崩れて通り抜けができないと言う。やがてダムの底に沈んでしまうことになるこの道だからこそ歩いてみたかったが、引き返すのでは時間がかかりすぎるのでしぶしぶ国道へ戻る。
そしてもうしばらく行くと
おお、これが問題の八ッ場ダム建設現場。思っていたよりずいぶんこじんまりした工事だな、と思うが
これが完成すると地図の緑の線で囲まれた部分が水の底に沈み、今立っているところも水没する。
と言っても完成まではあと5年はかかるらしい。
国道をてくてくと、宿から6キロほども歩いただろうか、90分で川原湯温泉駅に到着。
この前を素通りしてさらに先へ進むと駅名になっている川原湯温泉街の入り口。
ここには8軒ほどの旅館と2軒の共同浴場があったのだが、
旅館の多くはすでに取り壊され、工事現場をぐんまちゃんが仕切っていたりする。
高台に移って営業を続ける旅館は2軒だけ、あとはこれを機に商売をたたんで高崎などへ移転してしまった人がほとんどなのだそうだ。
意外にきつい坂を10分ほども上がってやっとたどり着いたのはまだ営業を続けている共同浴場「王湯」。
ここも本来は3月末で新しい施設に移るはずだったところ、春先の大雪で工事が遅れて6月末までの営業になったということですべりこみセーフ。
入口の自販機で300円を支払い、階段を下に降りて行くと内湯がある。
脱衣場にもガラスの仕切りがあり、さらに階段を下りたところに8人は入れそうなきれいな浴槽。
含硫黄-塩化物・硫酸塩温泉と言うお湯は無色でうっすらと濁っている程度、浸かっているとそれほど強くにおいを感じないが、湯口のコップに汲んでみると硫黄のにおいがむせるほど、その割に飲んでみるとちょっとだし汁のような味で意外に飲める。
70℃以上ある源泉にじゃんじゃん水が入れられているが、それでも43,4℃と熱めのお湯。長くは浸かっていられないが、浴槽の周りが広々として明るいのでとても気持ちがいい。ハイキングの汗を流すのにピッタリ。
この内湯はとても気に入ったが、列車の時間までまだかなりあるので、露天風呂にも行ってみることにする。
ここの露天は一度服を着て上に上がり、渡り廊下を渡ってまた下に降りなければならない。
6人ほどでいっぱいになりそうな浴槽は眼の前の壁が高くて、お湯に浸かると展望はない。こちらの方が濁りが少し濃くて、水加減もあるのだろうが内湯よりもやや熱い。
帰り際、受付のお姉さんが温泉好きらしいお客さんと話しているのを聞くと、内湯は従来からの源泉、露天は移転のために新しく掘られた源泉からのお湯だそうで、「成分はおなじはずなんですけど露天の方がきつく感じるらしいですね」と元の源泉に愛着を感じる言葉。
平日にもかかわらず閉館を惜しむ客がたくさん来ていて、このお風呂がなくなってしまうのは実にもったいない。
さっぱりとしたところで駅へ。
このクラシックな駅舎には自販機もなく、駅員さんから切符をもらうがさすがに硬券ではないのがちょっと惜しい。
線路の向こうには高い橋がそびえ、ダムが完成すればあの高さまで水が来る予定。新しい線路や駅舎ももちろん作られており、この秋には移転の予定らしい。
最初で最後の駅に別れを告げ、高崎行きの普通列車に乗車。
高崎駅からは新幹線に乗り継いだが、昼食のために改札を出てみると
ぐんまちゃんのキャラクターショップはあるし
それ以上に群馬の特産品を集めた店の規模が大きくてびっくり。ここの品ぞろえがすごくて、群馬県、イメージアップにかなり本気な様子。
ついいろいろ買いこんでしまって
新幹線車内で食べた抹茶アイスは残念ながら値段から期待したほどではなかったけれど、水沢うどんやお菓子類はどれもおいしくて大満足。
お昼は駅ビル内で上州豚をおいしくいただいて
夜は高崎駅の鶏めし弁当、900円。
高崎と言えばだるま弁当や峠の釜めしが有名だけれど、さすがにその中をも生き抜いてきただけある。
そぼろに照り焼き、鶏肉焼きにつくねは北関東らしいしっかりした味付けで飽きないおいしさ。
近場でこれまであまり気に留めてもいなかった群馬も、来てみれば考えさせられるところもあり、でもやっぱり楽しかった。
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