Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

神田でパレスチナ料理 「アルミーナ」

2012-03-31 02:11:28 | 食べ歩き
関西に住む知人から「東京にしかないような変わった料理が食べたい」と難しい注文。

検索しまくったらこんなレストランが見つかった。

地中海レストラン 「アルミーナ」

地中海レストランと名乗っているが、東京でも珍しいパレスチナ料理の店。
目黒にはイスラエル料理屋があるが、心情的にやっぱりこっちでしょう。

ということでJR神田駅から徒歩5分。
 
シンボルマークがかわいい元気ビルに店はあるのだが、焼き肉屋の脇にある入り口が引っ込んでいてわかりにくい。入るとすぐに階段があって地下に下りていく。

入って見るとこの日はどこぞの外資系企業の多国籍軍が大勢来ていてそれほど広くない店内の半分を占拠。
奥の方のテーブルについてメニューをもらうと、今夜はベリーダンスがあるのでコースメニューだけとのこと。試してみたいアラカルトがあったのだが、仕方がないのでスペシャル・コース\4,000をお願いする。

 まず出てきたのはガーリックトーストとザータル。
 ヒヨコマメのスープはやさしい味。
レモンをたっぷり絞るとさっぱりしてさらにおいしい。
 サラダは歯ごたえがキシキシするハルミチーズ入り。
 そしてアラブ料理といえばはずせない、ヒヨコマメのホモスと茄子のムタバル。
ゴマペーストにちょっと苦みがあるが、ピタパンにつけて食べればヨルダンやシリアで食べた味。
 さらにおなじみ、ご飯のブドウ葉包みとファラフェル。
このファラフェルは小さすぎて味がよくわからない。
 メインはバスマティライスのピラフに乗った羊と鶏のケバブ。
どちらも柔らかくておいしいが、羊はいかにもの香りがするので苦手な人にはちょっと厳しいかも。
 デザートはセモリナとココナッツのケーキ。現地ほどではないがしっかり甘い。
一緒に出てくるお茶はシナモンとセージが入って、これがおいしい。

もともと癖が強すぎず日本人にも食べやすいアラブの料理、ここもほぼ現地のままの味だと思う。
ただしコースの料理はありきたりすぎてつまらない。
大体トルコやらアラブ系のレストランはベリーダンスを入れるのがお約束だが、落ち着いて食べられないので好きではない。

定番料理を食べた限りでは目黒のイスラエル料理「ピンクカミラ」に軍配が上がる。
しかしアラカルトメニューにはマンサフとかムジャダラなどパレスチナならではの料理もあるので、ここはベリーダンスのない静かな日にもう一度来てみたい。
  


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鳴子で湯治 9 川渡温泉「高東旅館」と「中鉢温泉」

2012-03-28 14:42:03 | 国内旅行
川渡温泉から東鳴子方面へ戻り、温泉街もはずれたところで2軒目の「高東旅館」に立ち寄り。

  
お宿は最近建て直したらしくてきれい、「東五郎の湯」と額のかかった玄関も立派だ。
 こけしのたくさん並ぶ玄関ロビーも広々と美しいが、まったく人の気配がなく静まり返っている。

帳場の矢印に従って奥に入り声をかけるとやっと女将さんが出てきてくれた。
ここは湯めぐりチケットでのみ日帰り入浴可能なのでチケット2枚を渡すが、「女湯はこれからお掃除なので家族風呂に入ってください」とのこと。

ちょっとがっかりしつつも、誰もいないようなので女湯を覗かせていただく。
 と大浴場とは言え3,4人でいっぱいになりそうな釣鐘型の浴槽が一つ。
ただその先の部屋にもう一つ、浅い寝湯があって、こちらにはぬるくて薄い緑色のお湯が張られている。
ここならいつまでも入っていられそうなのに、残念。

入っていいと言われた家族風呂は男湯の向かい側にあり、脱衣場はベンチが一つあるだけでとても狭い。
   
しかし浴室に入って見ると窓が大きくて明るく、浴槽も2人は余裕で入れる大きさなので大浴場とそれほどの違いはないかも、と機嫌が直る。

「熱いからお水でうめてね」と言われたお湯はここも緑の濁り湯。確かに45,6度はありそうな熱さなので遠慮なくホースの水を入れて適温にさせていただいた。

入って見ると先の「藤島旅館」のお湯とよく似た色と香りだが、向こうは黒い消しゴムカスだったのにこちらは白い消しゴムカス。入ってもぞもぞしているうちにお湯の濁りが濃くなるが、さすがに誰も入っていなかっただけにこちらのお湯の鮮度の良さが実感される。ここも肌にやさしいお湯で、こっちもいい~。

いくつも健康器具の置いてある湯上りの休憩処も広々と清潔で、ここも宿泊してよさそうだ。

すっかり体も暖まったので東鳴子まで歩いて帰ることにする。
国道47号線をてくてく、20分ほど歩いたところでもう一軒に立ち寄り。

川渡と東鳴子のちょうど中間あたりにある「中鉢温泉」。
  
国道わきに大きく出ている看板はなんだか中華料理屋みたいだし、手前にはお食事処の建物があるが、こちらはこの時期営業していない様子。
その裏にある建売展示場のモデルハウスのような建物が温泉宿らしいのでそちらにまわる。
川渡の旅館は新しくてきれいな建物のところが多いが、こういうモデルハウスみたいなのが多いのはちょっと風情がない。

  
きれいな玄関を入るとすぐに作務衣姿の女将さんが出てきてくれたが、ここは自動販売機で500円のチケットを買う方式。 

「今日はお湯がぬるいんですが」と申し訳なさそうにしているが、ぬるい方がゆっくりできるから、と早速お風呂場に向かわせていただく。

 脱衣場の前まで来てみると予想外に中からは多くの人の声が聞こえる。
入って見ると女湯の方では東北弁のおばちゃんたちが楽しそうにおしゃべりしているし、男湯からもえらく大きな声が聞こえる。

というわけでここも浴室の写真はHPから拝借。
 この浴室がドライブインのようなアプローチからは想像もできないような立派さ。
床と浴槽は石造り、周りの壁は木製で、特に天井の梁がすごい。
「地震が来てもあの梁なら大丈夫だろうか」「いやいや、あの下敷きになったらえらいことだ」とおばちゃんたちがいうのも無理はない。

お風呂は15人ぐらいは余裕で入れそうな大きさ、濃い茶色の透明なお湯に黒い湯の花がたくさん浮いている。
しかし女将さんの言う通り、お湯は40度もないほどのぬるさ。
ぬるいだけならいいのだが、このぬるさはお湯の出が悪いためのようで、つまりかけ流しのお湯が流れないのでお湯がなまっている。
これまでお湯の新鮮さにそれほど敏感だったわけではないが、さすがにこれだけ続けざまにいろいろなお湯に浸かると違いが分かってくるものだ。

なんだかな~、と思いながらもぬるいので出られずにお湯に浸かっていると、「冬の間は休止します」と張り紙のある露天風呂に入っていく人がいる。
どうやらお湯が張られているようなので、入れ違いに露天に入って見ると
 中鉢温泉HPより 
2,3人でいっぱいになる小さな浴槽のせいだろうか、こちらのお湯は43度ほどの適温。
お湯の鮮度も問題なく、茶色のお湯に陽の光が当たると紅茶のような色に見え、そこに黒い湯花が浮いているのでまるでティーポットのなかに浸かっているみたい(笑)。モール臭もして、これはいい。

近所のおばちゃんは毎日このお風呂に来ているらしいが、確かにちゃんとお湯が出ていれば設備が整ってきれいなここはいいだろう。

露天に入って見てよかった~、と思いながら東鳴子まで歩くとおなかが空いた。
しかしねむりこんでしまったような東鳴子の商店街にはお昼を食べるところもない。
国道沿いにかろうじてあるそば屋に期待せず入ったら
 あら、意外においしい。
どうも失礼いたしました。


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鳴子で湯治 8 川渡温泉「藤島旅館」

2012-03-26 13:23:06 | 国内旅行
鳴子滞在5日目。
今日はまた東鳴子の隣、鳴子とは反対方向の川渡(かわたび)温泉まで遠征することにする。

東鳴子から川渡までは4キロほど。
歩けない距離ではないがちょうど午前中にバスがあるのでそれに乗ると10分もかからない。
川渡温泉で降りようとすると、実はこのバスは仙台までの特急バスで本当は途中下車できないとのこと。
親切な運転手さんは料金も取らずに降ろしてくれて、いや~、本当にすみません。

川渡温泉も中心街は5分も歩けば終わってしまうような小さな集落。
 
しかし東鳴子よりはこぎれいな宿が多く、民家もなぜか新しい家が多い。
共同浴場もきれいな建物だが、ここはお湯が熱いとのことなので今回はパス。

向かったのはこちら。
 藤島旅館

表の看板が立派なので一見高級旅館っぽいが、玄関を入って見るといたってカジュアルな雰囲気。
 
提灯の下がる玄関ロビーにはトランポリンやらなぜかサンドバッグやら置かれているし、下駄箱の上では猫が寝ている。

出てきてくれたこれまた気さくな女将さんにお風呂を乞うと、ここの入浴料はたったの200円。
教えられた通り玄関の右手の廊下を行くと
  
なんだか懐かしい感じの売店があり、その先には自動販売機がずらり。
さらにその先の階段を降りると大浴場の「真癒(マユ)の湯」がある。

ここは200円と言う安さのためだろう、近所の人の銭湯になっているようで、平日の午前中のため混雑こそしていなかったが入浴客がひっきりなし。

ということでお風呂の写真はHPから拝借。
 実際に入って見ると正面の窓が裏山に面して大きくとられているのでこの写真よりずっと明るく、壁際にはカランがいくつも並ぶ。
中央の浴槽は15人は入れるほど大きく、お湯は薄緑の濁り湯で、まるで消しゴムの削りかすのような大きな黒い湯の花がたくさん浮かび、強すぎない硫黄の香りがする。

42,3度の適温のお湯に浸ると、ここもやわらかいお湯で気持ちいい~。
浴槽の縁にはトドになって寝そべるおばちゃんも何人かいて、雰囲気は台湾の温泉みたい。
200円で入れるこんなところが近所にあったら、そりゃ毎日来るだろう。

湯上りにはたくさんの自動販売機に迷いつつジュースで一休みして、5歳ぐらいの将来の女将に「ありがとうございました」と挨拶されて外に出る。

  
お散歩しながらほてりを鎮めて、次のお風呂を目指そう。 


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鳴子で湯治 7 東鳴子「勘七湯」

2012-03-24 19:54:21 | 国内旅行
鳴子まで散歩した後、宿で一休みしていると体が冷えてきたのでもう一風呂浴びることにする。

選んだのは宿泊している「大沼」さんのすぐ裏手にある「勘七湯」。
 東鳴子では「ホテルニューあらお」に次ぐ大きな鉄筋の建物で新しく見えるが、創業は1784年とこの温泉では最も老舗の宿なんだそうだ。

玄関を入って見ると中は広々と清潔ながら、なんだかひどく家庭的な雰囲気。
声をかけるとすぐに出てきてくれた女将さんとおぼしき女性はエプロン掛けでとても感じがいい。
湯めぐりチケット2枚を渡すと源泉の違うお風呂が大小2つあると教えられたので、まずは小さい方の「不老湯」に入って見る。

至極シンプルな脱衣場から浴室の扉を開けると中は湯気でモウモウ。
 1階にあるため小さな窓が高い所にあるだけなので室内は薄暗く、浴槽は2,3人でいっぱいになりそうな大きさ。カランは一つで洗い場も小さいが、他に誰もいないのでこの狭さと暗さがかえって心地いい。

お湯は透明だがウーロン茶のような茶色、鼻を近づけるとアブラ臭がする。42℃ほどの適温でゆっくり浸かることができ、浸かるほどに肌になじむような柔らかさで、ああ、気持ちいい~。

こちらにずっと浸かっていたいが、もう一つのお風呂も覗いてみなければ、と服を着込んで廊下の向かい側にある大浴場へ移動する。

 
こちらは脱衣場も広く設備が整い、浴槽が2つあるお風呂も大きい。
しかしこちらのお湯は「大沼」の大浴場と同じ赤湯とのことながらほとんど無色に見え、湯温も高くてゆっくり入れない。不老湯に比べると肌触りもきしきしする感じで、逆の順番で入ればよかったと後悔する。

 お風呂を出たところにはゆったりとソファの並ぶ休憩場所もあり、地味ながらこの宿はとても居心地がよさそうだ。

帰りがけに女将さんに「小さいお風呂のお湯がすばらしいですね」と挨拶すると、「そうなんです」ととてもうれしそう。
「不老湯」の気持ち良さが忘れられなくて別の日にもう一度入りに行くと女将さんはちゃんと覚えていてくれた。

次回はこの宿にも泊まりたい。


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高輪でチベット料理 「レッサムフィリリ」

2012-03-21 23:32:38 | 食べ歩き
私設「ブータン友の会」が快気祝いをしてくださるというので高輪のネパール・チベット料理店「レッサムフィリリ」へ。

品川の駅から泉岳寺方面へ10分ほどのところ、国道から折れたところにいかにもネパールの木彫りの外観。


店内はそれほど広くはないが、壁にはマンダラ、あちらこちらに仏像も置かれて、オーナーは仏教徒かしら。

「ブータン友の会」なので、「ヤク肉はないのか」なんていいながらまずはおつまみを注文。

 ブトワはラムのスパイシー炒め。ピリ辛の羊はおいしい。
 チョエラはチキンのニンニク生姜炒めということだったけれど、これは辛い!辛さに容赦なし。
 チベット料理の定番、モモ。
チベット本土のはもっとでかくて肉肉しいが、ネパールのモモはお上品な大きさで味も上品。

そして本日の主役はギャコックというチベットの鍋。
 
ピカピカの銅のお鍋の真ん中の煙突には炭が入っていて、中には白菜、えのき、ニンジン、じゃがいもがぎっしり、さらにこの下には鶏肉と豚のスペアリブが隠れている。

スープもしっかりお肉のだしが出て、最後に春雨を入れるとこれがスープを吸ってすごくおいしい。

しかしこのギャコック、カトマンズでは確かに「チベット風鍋」として食べたことがあるが、チベット本土ではこんなしゃれた鍋がでてきたことはない。おととし東チベットで食べた鍋はもっと普通の鍋だったし、その前にラサでこんな炭の入った鍋が出てきた時は北京風の羊肉しゃぶしゃぶだった。

食文化が発達しているとは言い難いチベット料理がネパールで進化したというべきか。

ともかく、おいしい料理と楽しい食卓は最高の薬。
「ブータン友の会」のみなさま、ありがとうございました。


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鳴子で湯治 6 「西多賀旅館」と「東多賀の湯」

2012-03-19 21:39:07 | 国内旅行
鳴子滞在4日目。

夜中に降っていたらしい雪も朝にはやみ、晴天で道に積もっていたものも溶けてきたので隣駅の鳴子まで歩くことにする。

東鳴子から鳴子までは2.5キロ、宿を出てからJR鳴子駅まで20分ほどで到着。
  
鳴子の中心街は東鳴子の寂れ方に比べれば店が多いが、平日の昼間ではやはりほとんど人影もない。

 鳴子駅の待合室はまるでローマの野外劇場のような面白い造り。
 この構内にある観光案内所で湯めぐりチケットを購入する。
1200円のこのチケットには6枚のシールがついているが、日帰り入浴を受け付けている宿は大抵シール2枚で入れる。現金だと500円の所が多いので100円割引になる仕組み。

このシールを持って国道47号線沿いに建つ「西多賀旅館」へ。
  
玄関先はすっきりとして中も清潔な感じだが、廊下にはタオルが干してあったりしていかにも自炊の宿らしい雰囲気。
人の気配は全くなく、玄関にあったチャイムに気が付かずに大きな声を出してやっと若女将らしき人にシールが渡せた。

廊下の真ん中にある入り口から入り、至極シンプルな脱衣場から扉を開けると、四角い浴槽があるだけのこれまたシンプルな浴室。
  
しかし浴槽にあふれる緑の濁り湯が周りのピンクのタイルに映えて、明るい浴室内に漂う硫黄とアブラ臭とともに実に魅力的。温度も41、2度とぬるめで、この肌を包み込むようなやさしいお湯にはいつまでも入っていたくなる。まったくなんていいお湯だろう。

後ろ髪引かれつつやっとお湯を出ても体の芯からあたたまり、何とも心地いい。

すぐ次のお風呂に梯子しようと思っていたが、この余韻を味わいたかったので予定変更。
旅館の目と鼻の先にあるスーパーをのぞき(でもあまりローカルなものがなくてつまらない)、温泉街を歩いてお菓子屋さんへ。
 鳴子の名物は餅の中に栗が丸々1個入ってみたらし餡のかかった栗団子。「深瀬」さんの店先でいただいたこれは甘すぎず、お餅がやわらかくておいし~。日持ちがしないのでお土産にできないのが残念。

小腹を満たしたところでまた国道47号線沿いに戻り、今度は「西多賀旅館」の隣の「東多賀の湯」へ。
  
この2軒、本当に隣同士に建っているのだ。

ここでもシールを2枚渡して、廊下をずんずん奥へ進む。
  
お風呂場に行きつくまでにはガラス戸が2か所あって、どちらにもしつこく「必ず扉を閉めろ」と書いてある。
 
それも道理、ここのお湯は強烈な匂いたちこめる真っ白な硫黄泉。
  
木造の浴室には換気のための穴がいくつも開けられ、これに触れた金属は真っ黒になってしまう。
 おなじみケロリン桶もこのありさま。

注水口からはお湯が勢いよく出たり、止まったりしているが、ここのお湯はやや熱めで44度くらい。
自分でもちょっと熱めだなと思うぐらいなのだが、ここには先客が一組いて、それが乳飲み子と一緒のお母さん。
このお母さんが何とも大胆で、赤ちゃんの頭をガシガシ洗っていたかと思うと、なんと浴槽のお湯を桶ですくってそのまま頭からザバッ。赤ちゃんはもちろん大泣きするが、「なんでそんなに泣くかな~」と言いつつ、抱いたまま浴槽にどっぷり。このお湯じゃ赤ん坊は泣くって。

幸いにして先に上がってくれたので後はお風呂を独占してまったり。
しかし西多賀の個性的でありながらやさしいお湯の後では濃い硫黄泉がつまらなく感じてしまうのだから贅沢な話。

またぽかぽかになって東鳴子まで帰った。


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鳴子で湯治 5 東鳴子「高友旅館」

2012-03-18 20:26:25 | 国内旅行
馬場温泉を満喫して東鳴子温泉街に戻る。

と、さっきまで晴れていた空が曇って雪が舞いだした。
 広がる田圃はもちろん真っ白。

途中に温泉好きに評価の高い「高友旅館」があったので今度はここに立ち寄り。

 
外見からしていかにも昔風の旅館だが、玄関を入った感じもレトロ。
左手の帳場に隠れているあまり愛想のないおばちゃんに500円を払うと、奥に混浴の黒湯と婦人風呂、もう一つ女性専用のラムネ風呂に入れると教えてくれる。

 帳場の前の廊下をまっすぐ行き、左に折れて階段を下ると手前に黒湯の入り口があり、ちょうどおじさんが入って行ったのでここはあきらめて婦人風呂の方に入る。

ものすごく狭い脱衣場から引き戸を開けるとこれまた愛想のないコンクリート造りの浴槽。
 大きさは3人も入ればいっぱいなぐらい。
中のお湯は透明だが黒っぽく、強烈なアブラ臭というか薬っぽい匂いがしていかにも効きそう。

しかしこのお湯が熱い!がまんすれば入れないこともないが、肌がびりびりするぐらいだから46度くらいか。
「熱かったら水を入れてください」とおばちゃんは言っていたが、見回しても水のホースなどなく、カランは一つで一応シャワーがついている。このシャワーで水を出してみたが、ちょろちょろしか出ないのでまったく効果なし。
強烈な匂いには心惹かれるが、こんなところでひっくり返っては湯治に来た意味がないので早々に次のお風呂に移動することにする。

服を着込んで玄関まで戻り、案内の矢印に従って今度は右手の廊下を行く。
古い旅館にありがちだがここも増築を重ねたらしく、廊下が入り組んでわかりづらい。
途中には湯治宿らしく洗面所やお手洗いがあり、昔の田舎の家のにおいがする。

やがてたどり着いたのがこちらのラムネ風呂。
  
浴槽はやはり3人でいっぱいな大きさだが、こちらの方が脱衣場も広く、浴室の中も明るい。

ちょうど入れ替わりに出てきたおばさんに聞くとこちらは適温だというので安心して入浴。
こっちのお湯は鶯色でにごっており、硫黄の香りにアブラ臭もするが、もう一つのお湯ほど強烈な匂いではない。
適温のお湯に身を鎮めるとラムネ風呂の名前の通り、肌の表面に細かい気泡が付き、やがてつるつるしてくる。
入った当初はそれほどとは思わなかったが、お湯に浸かっているうちにだんだん体がお湯になじんでくるようで、それがとても心地いい。
窓に打ち付ける雪の音を聞きながら思わず長風呂。

噂には聞いていたが、同じ旅館の中でもこれだけ泉質が違う風呂があるのだから鳴子は面白い。


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鳴子で湯治 4 東鳴子「馬場温泉共同浴場」

2012-03-16 20:08:51 | 国内旅行
鳴子滞在3日目。

朝風呂に入り、しっかり朝ごはんをいただいたらお風呂めぐりに出発。
お天気がいいので宿からはちょっと離れた馬場温泉まで歩くことにする。

うたた寝商店街を歩き、JR鳴子御殿駅を過ぎてまっすぐ行くと何軒かの旅館を過ぎ、温泉街をはずれて国道47号線に出る。この国道沿いに大きな看板が見えるのが馬場温泉。
 JRの駅から15分ほど。
 奥には立派な民家が建ち、その手前にある旅館もとてもきれい。

しかし今日の目的はこの旅館のお風呂ではなく、駐車場にあるこちら↓
  
ご近所数軒の共同浴場。

旅館に入って声をかけるとご亭主が出てきたので外のお風呂に入りたい旨を告げて300円を支払う。
いささかそっけない対応なのは旅館の方に入らないからだろうか。

湯小屋の扉は少し開いていて幸い誰も入っていない。
 「どーぞ」の札を「入浴中」にひっくり返して扉を閉めれば貸切になる仕組み。
 入るとすぐに簡素な脱衣場があって、低い仕切り壁の向こうに一段下がった浴槽。 
 2,3人でいっぱいになりそうな小さな浴槽の周りはコンクリートのまま、ケロリン桶が2つほどあるだけだが、湯口からはどんどんお湯がそそがれ、排水溝から出ていく。
お湯は上から見ると真っ黒、表面にはあぶくが立っている。

旅館のご主人に「熱いから気を付けて」と言われたので恐る恐るかけ湯をする。
確かに熱めのお湯だが、問題なく浸かれたので44,5度だろうか。

 
入って見るとお湯の色は黒ではなくほうじ茶色、しばらくすると体に気泡がついてくる。
ナトリウム・炭酸水素塩泉だそうだが、これだけ熱くて気泡が付くのは珍しいとか。

入りしなこそ熱いものの、湯船につかってしまえばお湯が体にまとわりつくようでとても気持ちいい。
香りはちょっと油臭がするが、見た目ほどきついにおいではない。

壁の高い位置にぐるっと窓があるので木造りの湯小屋の中は明るく、この風情にユニークなお湯は温泉マニアに人気なのも無理はない。

最初から珍しいお湯に入れて大満足。


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鳴子で湯治 3 東鳴子「旅館大沼」のお風呂

2012-03-15 21:18:16 | 国内旅行
鳴子から移動した東鳴子温泉。
 50メートルほどの商店街はどの店も営業しているのかどうかも怪しい静けさ。80代のおばあちゃんがうたた寝しているような町だ。

お世話になるのはその商店街の端にある 「旅館大沼」
 手前の2階建てが旅館部、奥のアパートのような4階建てが湯治部、全部で24室ある。

チェックインには早い1時過ぎに着いてしまったが、快く部屋に案内していただく。
  
これから5連泊させていただくのは湯治部の2階の6畳間。窓の向こうは東鳴子で一番大きなホテルの駐車場なので明るい。

狭いながらも清潔な部屋にはテレビと冷蔵庫があり、インターネット接続ができるのが一番のポイント。
これで家で仕事をしているふりをしながら温泉三昧できるのだ。

 部屋にはさらに浴衣とバスタオル、歯ブラシも5セット。
これはもう部屋に入らないということなのかと思ったら、夕食の時にはちゃんとお布団まで敷いていただいて、至れり尽くせり。

さて、この24室の宿にはお風呂が8つもある。

まずは一階にある混浴大浴場「薬師千人風呂」
  
壁に天女の絵があるこのお風呂はちょっとしたプールほどの大きさ。
夜の8時から9時は女性専用になるので2回ほど入って見たが、東鳴子の共同源泉である黄色っぽい赤湯は熱くてあまり長湯ができない。

その隣にあるのは女性専用の「天女風呂」
 扉を開けるとカランが一つ、その向こうに壁に挟まれた細長い浴槽、そのまた向こうの曲がったところにカランが2つの洗い場、と変わった造り。
こちらのお湯は重曹成分の多い自家源泉だそうだが、ほうじ茶のような茶色に細かい湯花が浮かび、狭い浴室内にはモール臭というのだろうか、枯草のような香りがこもってこれがいい。肌あたりもやわらかくて、夜はここと決める。

大浴場の向かいには
 小さな露天風呂。ここは脱衣場も外なので今の季節ではとても入る気にならず。
この隣にはもう一つ一人用の小さな内湯があるが、これも小さすぎて入っていない。

さらに並びにあるのがふかし湯。
 と言ってもサウナのような温度はなく、床の下を流れる温泉で寝転がると背中がポカポカ暖かくなる。さらに流れる水の音が水琴窟のようにひびいて、これは気持ちがいい。

湯治部の4階には2つの貸切風呂があり
 「陽の湯」は壁に備長焼竹炭が練り込まれたお風呂。
 「陰の湯」は薬石を浴槽に埋め込んだお風呂。

どちらも「天女風呂」と同じお湯だそうだが、1階に比べるとお湯の鮮度が落ちるのだろうか、モール臭はあまり強くない。
しかしこちらは明るいのが気持ちよく、朝風呂はこちらと決める。
湯治部の方は宿泊客が少なく、エレベーターのない4階まで上がるのも大変なのでいつも空いているのもありがたい。

そして最後のお風呂は秘密の露店風呂。
宿泊者だけ、時間を予約すると車で連れて行ってもらえるのは5分ほど離れた塀で囲まれたこちら。
  
手前の小屋は休憩所、奥の小屋が脱衣場で
  
浴槽は5,6人は入れるほどの大きさ。鳴子の「ゆさや」さんの露天とちょうど同じぐらいの大きさでロケーションもよく似ているが、こちらは目の前を板囲いしてある。
お湯は共同源泉の赤湯だが、こちらは外気で冷やされて長湯に最適な温度。30分、ここを独占できるのが素敵。

感心したのは休憩所に暖房が入り、きれいなウォシュレットまであること。
この宿は派手さはないが、必要なところにはちゃんとお金をかけている。

「旅館大沼」で連泊にしたのは大正解。
ここに1泊ではもったいない。


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鳴子で湯治 2 「滝の湯」と農家レストラン「土風里」

2012-03-13 17:05:45 | 国内旅行
鳴子滞在2日目。

「ゆさや」をチェックアウトした後、荷物を預け、タオルをお借りしてすぐ隣の共同浴場「滝の湯」へ。
  ←クリックすると大きくなります。
入ると番台の上には渋い成分表の額がかかっているが、ゆさやのうなぎ湯がアルカリ性のお湯だったのに、すぐ隣のここは酸性の硫酸塩泉。あたり一帯には強い硫黄のにおいがして、いかにも温泉らしい。

共同浴場らしい脱衣場から扉を開けると大きな四角い湯船に上の樋からお湯がドバドバとそそがれ、仕切りの奥にももう一つ小ぶりの浴槽がある。
  
かけ湯をして大きな方に入ろうとするとこちらはかなり熱い。すると先客のおばちゃんが「小さい方がぬるいよ」と教えてくれたので適温のそちらから入浴。

源泉は同じはずなのになぜか奥の方が濁りが強い。浴槽は出入りするのに苦労するほど深いが、首までどっぷり浸かって、極楽、極楽。

平日の昼間とあって相客も少なく、ゆっくり滝の湯を堪能したらまた「ゆさや」さんに戻ってコーヒーを一杯。
この「ゆさや」で驚いたのは湯上りにいただいたお水のおいしさ。鳴子の山の水らしいのだが、水の味に鈍感な自分でもわかるほど甘いお水。だからコーヒーもおいしい。

震災の時も鳴子は水もお風呂も苦労せずに済んだ、ただ電気が来なかったのが大変だった、とは地震から1年後の宿の人のお話。
「ゆさや」さんには南三陸の人たちが3か月も避難していたのだそうだ。

お昼近くになり、激しく降り出した雪の中、タクシーを呼んでもらって川向こうの農家レストラン「土風里(どっぷり)」へ。
 
  
築100年の民家を移築・改装したという建物は立派な梁が見事。旧暦のためまだ飾られているお雛様は鳴子らしくこけし雛だ。

 前日までに予約が必要なこのレストラン、電話をしてもずっと留守電で通じず気をもんだが、雪の深い時期は営業していなかったとのこと。やっと再開したばかりというこの日は平日でも3組のお客さん。辺鄙な場所なのに人気がある。

お料理は農家レストランなのでもちろん野菜づくし。
  
お母さんの手作り風だが、味が重ならないよう工夫され、どの皿もやさしい味付けで実においしい。

さらにこの店ではどぶろくを作っているので
  
デザートはどぶろくプリン。ただしこれはアルコール探知機の自分が食べても顔が赤くならないので、車を運転する人でも大丈夫だそう。

お店の方たちもとても感じよく、本当にレストランに来たというよりもお料理の上手な知り合いのお家に遊びに来たよう。人気があるのもうなずける。

雪の中をまた車を呼んでもらって、次は東鳴子へ。

 
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