Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

タジキスタン周遊 20 ウズベキスタン入国

2013-10-31 17:28:25 | 中央アジア
8月17日 続き

キルギスとウズベキスタンの国境はオシュの町から目と鼻の先。
ここで13日間お世話になったガイドさん、運転手さんたちとはお別れ。
タジク人の彼らはキルギスには簡単に入国できるが、ウズベクとは関係が悪化しているために容易に入れないらしい。
とても有能なスタッフの皆さん、お世話になりました。

ゲートをくぐってまずはキルギスからの出国。
こちらはたいして時間もかからず、簡単に終わる。

そこから久しぶりの炎天下、汗をかきながら荷物を担いで100mほど先のウズベキスタン側へ。
するともう昼休みは終わっているはずなのに窓口には誰もいない。
地元民が2,3人おとなしく待っており、我々一行のほかにも次々に人がやってくるとようやく担当者が窓口に入るが、それから携帯で話を始めて一向に仕事を始めない。
どう見ても仕事の話とは思えず、嫌がらせか、と思うが、外国人だけではなく地元民も等しく待たせているから公平と言えば公平?

ようやく仕事を始めた入国管理を通り、次は税関。
所持金の検査などうるさいと聞いていたが、添乗員の持っていたトランシーバーにいちゃもんをつけたくらいで細かく荷物を調べることもなく、それでも仕事がとろいので結局この国境を通過するのに小一時間かかった。

ウズベキスタンに入ると初日に出迎えてくれたおじさんガイドが大型バスとともに登場。
ちゃんと冷房の効く大型バスに、すっかりタジキスタンに慣れた一同、感動する。

走り出せばまわりは綿花やブドウ畑の広がる広々とした平原。
 
国境を超えると景色が変わるのが面白い。

今夜の泊りはフェルガナだが、その前にアンディジョンのバーブル公園にちょっと立ち寄り。
 
ムガール帝国の創始者バーブルはこの地の生まれということで、アグラとカーブルに眠る遺骨の一部をここに埋葬しているのだそうだ。

その廟の周りは大きな公園になっており、土曜の午後と言うことで園内は大にぎわい。
 
大音量の音楽で踊っていたり、ビリヤードをしたり。
 
しかし一番多いのは家族揃って食事を楽しむ人々。
 公園内にはバーベキューならぬプロフのためのかまどがあり

プロフを作るのは男性の仕事なんだそうだ。覗かせてもらった鍋の中のおいしそうなこと。
 テーブルからは「一緒にお食べ」と声がかかり、時間さえあればご馳走になりたかった。

 さらにここは結婚写真のメッカらしく、あちらこちらに新婚カップル。
  
盛大な撮影会をしているグループの写真を撮ろうとすると、「私たちと一緒に入って!」と携帯カメラでバシャバシャ撮られて大騒ぎ。日本人などめったに来ないところだからだろうか、ここのウズベク人は人懐っこい。
 お二人もお幸せに。

軒先がブドウ棚に覆われた家々を眺めているうちにフェルガナに到着。
 
  
広ーい道路はソ連式だろうか、まっすぐな線路もあるが、鉄道でタシケントに行くことはできないようだ。

フェルガナでの宿はアジア・ホテル。
 
バス・トイレ付きの部屋はドゥシャンベ以来。久しぶりにWiFiもつながった。

夕食はホテルのレストランで「ベトナム・ステーキ」なる料理をいただいたが
 これのどこが「ベトナム」かは謎。

食事をしながらウズベク人ガイドのおっさんとおしゃべり。
最近の観光事情を聞くと「インド人、パキスタン人の男性客が急増している。タイやフィリピンより近いからね。」って、20年近く前、ベトナムに初めて行った時のことを思い出す。経済視察と称しておっさんたちが団体で来ていたっけ。
こんなことでウズベキスタンとベトナムがつながるとは。


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タジキスタン周遊 19 サリタシュ~オシュ

2013-10-27 17:15:02 | 中央アジア
8月17日

早朝のサリタシュ、とても寒いが朝は電気が来ないらしく、やっぱり部屋の電気ストーブは使えない。
 
朝焼けの雪をかぶった山々が美しいが、気温は5℃くらいだろうか。牛さんたちが勝手に出勤していく。

 出発の頃には空がきれいに晴れ、矢印の山がタジキスタンとキルギス国境のレーニン峰、7134mと確認する。

羊さんたちを追い抜いて最初の峠へ。
  

 タルガット峠は3485m。
 
タジキスタンやアフガニスタンの岩山に比べ、キルギス側の山は緑の草に覆われてそれだけで豊かな感じがする。今まで見なかった馬の姿も急に増える。

峠から降りてくるとユルタも増える。ということで添乗員がまたアポなし訪問を提案。
 車を止めた途端に駆け寄ってくる子供たち。
言葉は通じないが、どうも「家に寄ってお茶を飲んでください」と言っているらしい。

こちらがお邪魔したユルタ。観光用でもなんでもない、ほんまもんだが
  
 
実際に使われている袋やお椀の収納紐が何とも素敵。
 
家の裏にはまだお出かけ前の羊たち。
  キルギス族もホスピタリティでタジク族に負けない。
 お隣さんはこんな客車にお住まいだった。

 
気持ちのいい景色の中、中国が整備しているらしい道路は快適。

 本日2つ目の峠は2380mのチェルチック峠。
 
ここにあるユルタではクムスという馬乳酒を売っている。
  
ということで我々も試飲。左のような皮袋に入れて撹拌するので表面には皮の屑が浮かび、鼻を近づけるとまるで鰹節のような燻したにおいがする。ヨーグルトを薄めたような酸味で、アルコール探知機の自分でも飲めたのでたぶん度数は1、2%だろう。決してまずくはない。

この峠を越えてどんどん標高を下げ、お昼に到着したキルギス第二の都市オシュは1030m。
 気温は30℃を優に超えて、また暑いところに戻ってきた。
  
久しぶりに見る「都会」だ。
 
このオシュではほんの3年前に暴動があり、その知識のせいか精悍なキルギス人の風貌のせいか、タジキスタンではまったくなかった緊張感を感じる。あるいは単に田舎から都会に来たせいかもしれないが。

昼食を食べてからこの町のバザールを見学。
 
これまた久々に見る大勢の人でにぎわう大きなバザールだが、屋内市場はコンテナーの転用らしい。
 
衣類やら食品やら商品が豊富。
  
帽子からコート、長靴まで、キルギス人らしい衣装もすべて揃う。
 子供用教科書の、これはキルギスの偉人達だろうか。
 
穀物も野菜も、パミール高原から来るとなんと豊かなことか。

キルギス滞在はこれで終了。
ウズベキスタンとの国境はオシュの町はずれにある。


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タジキスタン周遊 18 マルガブ~サリタシュ

2013-10-24 19:09:48 | 中央アジア
8月16日

朝、窓からホテルの裏を眺めていると羊さんたちが出勤の準備中。

あちらの家から5頭、こちらの家から10頭と、まるで幼稚園児の通園のようにお母さんが連れてきて、羊飼いに預けると帰っていく。みんな集まったら放牧に出発というのが見ていてとても面白い。

 マルガブ周辺の山は昨夜雪が降ったらしく頭が白い。
 この方角には天気が良ければ中国領のムスターグ峰(7546m)が見えるはずだが、滞在中一度もお目見えはなかった。

パミール・ハイウェイを北上するうちに次第に天気は回復。
 
出発2時間で今回の最高所、4655mのアク・バイタル峠。

 
荒涼とした景色ながら道路脇にはマーモットが顔を出し
 
延々と続く道路の脇を鉄条網のフェンスがこれまた延々と伸びる。このフェンスの向こうは中国側国境との緩衝地帯なのだそうだ。

やがて左手に大きな湖が見えてくる。

タジキスタン最大のカラ・クル(黒い湖)は中央アジア最高所、3914mにある。
 近くに寄って見ても水は青く、黒くはない。

 湖畔には村があり、ここでお茶と昼食休憩。
 
宿泊所でもあるこちらで出してもらったさくらんぼジャムがおいしく
  
お兄ちゃんは甲斐甲斐しくお手伝いをしていたが、妹はひたすら愛嬌をふりまく。

次の停車はカラアート遺跡。
 
古代の遊牧民サカ族の墓地だと言うが、これは本当に遺跡なのか。

 道はまた昇りになり、このヤクの看板を過ぎたらタジキスタンの国境事務所がある。ガイドさんがすべてすませてくれた出国には30分かかったが、キルギス国内も同じガイドさん、ドライバーさんたちが案内してくれる。

事務所の先にあるのが4282mのキジルアート峠。
  
これでいよいよタジキスタンとはお別れだ。

 峠を越えて道はぐんぐん下がっていくが、キルギス側の入国事務所まではなんと20kmもあり、45分かかった。
その入国事務所でも車内待機だが、終了まで1時間。
タジキスタンに比べて兵士の装備がこころなしいいのが印象的。

峠道を下りきると道は平たんになるが、標高はまだ3000m以上ある。
 
その証拠に草原にはヤクがいる。

やがて旧ソ連が残したという白いドーム(レーダー?)が見えてきたらそこがサリタシュの町。
 
 
標高のさほど違わないランガール村と比べて寒く、まわりの家々では牧草や燃料を積み上げて冬の支度をしている。

 今夜の宿はこちらの一軒家。
 
小奇麗な家ではあるのだが、トイレは戸外のボットン便所、夜は電気ストーブがありがたいほど寒くて、しかし電気は9時ごろ消えてしまった。
 


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タジキスタン周遊 17 マルガブ

2013-10-22 17:16:49 | 中央アジア
8月15日

暖かいベッドでしっかり一晩眠り、翌朝にはなんとか復活。

  
ホテルのキルギス族は顔が似ているせいだろうか、みんななんだかとても愛想がいい。

 ホテルの前の広い道を渡って、徒歩で町の観光へ。
 観光案内所があるのでここがマルガブ銀座だろうか。案内所の扉は固く閉ざされていたけど。 

町はずれの草原の中に建つのはかわいらしいモスク。ユルタのような形が独特だ。
 
  
我々の姿を見かけて駆け寄り、鍵を開けてくれたのはこのモスクの指導者の息子。自分も父親の跡を継ぎたいというとてもまじめそうなキルギス族の少年はタジク族の友達と仲良しだ。


モスクから一望できるマルガブの町。

この町で他に見る物と言えばバザールしかない。
 まるで駐車場か資材置き場のようだが
 
それもそのはず、店はすべてコンテナの再利用だ。

 
雑貨類はすべて中国製と思われるが
 
お菓子などパッケージされた食品類は旧ソ連各国から来ているよう。
 
新鮮な野菜類はほとんど見当たらないが、
  
 
ここだけはしっかりした建物内で売られている肉類は新鮮そうだ。新しいお肉も歩いているし。

町や市場を歩いていて目につくのは独特のキルギス帽。
  
 
年配のキルギス族は100%の着用率。もちろん市場でも売られている。
ここはもう基本キルギス族の土地なのだ。

何も買うもののないバザール見学の後は、これまた町はずれの「ヤク・ハウス」へ。
フランスのNGOが地元経済の支援のために作った施設で、ユルトのような形の建物の中にクラフトショップがある。かわいいものがたくさんあるが、写真を撮り忘れたのは買い物に夢中になったせい。なにしろタジキスタンではお金を使うところがほとんどないのだから。
 と言うわけでここでの戦利品はランチョンマット(2枚で30ソモニ)、携帯ケース(16ソモニ)、それにお尻の大きな羊さん(22ソモ二)。
支払いは米ドルでもできるが、換算はすべて切り上げでおつりは出ない。

午後は郊外にまた岩絵を見に行くとのことだったが、本調子ではないのでホテルに残って共同シャワーでゆっくりお湯を浴びた。
なにしろ町で唯一のホテルらしいホテル、日本人にフランス人、イタリア人で満室なのだ。

そして夜には夕食後に地元の「音楽家」が来て楽器の演奏と歌を披露。
  
お姉ちゃんが弾いているのはコムスというアンズの木で作った3弦の楽器。ボディガードの弟はアコーディオンを持っているが、どちらもうまいとは言えないレベル。
それでも我々の部屋の音楽を聴いて他の外人グループからもお座敷がかかった。
少しはお小遣いになればいいね。


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タジキスタン周遊 16 パミール高原へ

2013-10-21 15:31:23 | 中央アジア
8月14日

今朝の起床は5時半。タジク時間ではまだ4時半だが、これから向かうパミール高原は1時間早いキルギス時間で動いているので、まだ真っ暗な中、懐中電灯の明かりで支度をする。

ランガールを出てしばらく行くと深い谷がアフガニスタンの奥へと続いて行く地点がある。
  
これこそワハーン山脈とヒンドゥークシュの間を中国へと続く本来のワハーン回廊。緑の谷がちらりと覗いたが、タジキスタン側からはワハーン山脈に遮られ、その山さえ今日は天気が悪くて雲がかかっている。

 荒涼として悪路が続くが
 
対岸には馬で荷物を運ぶ人も見える。どこからどこまで、何を運んでいるのだろうか。

やがて道はパミール川を離れ、北へ向かう。アフガニスタンとはとうとうお別れだ。

標高2800メートルだったランガールからパミール高原へと上る道。
途中の検問所あたりからは雪になってすごく寒くなってきた。
 検問所自体は撮影厳禁だが、こんな荒涼としたところに駐在する若い兵士たち、ご苦労なことだ。
 だらだらとしたのぼりで何の標識もないハルゴッシュ峠は4344メートル。ここも真っ白。

この峠をすぎ、ランガール出発から3時間半でホルグからまっすぐ東に走るパミール・ハイウェイに合流。
 
予想より悪くなかったとはいえ、未舗装の川沿いの道から曲がりなりにもアスファルト舗装のハイウェイに入って運転手たちはうれしそうだ。

行程は右手のはず、と思っていると車は左手に向かい、少し先で脇道に入って小さな村に着いた。
 
子供たちが遊んではいるが、なんとも荒涼とした村。ロンプラによれば「タジキスタンで一番寒い村」とか。
  
この家の一室を借りてインスタントラーメンの昼食となったが、毛布を掛けたゆりかごに眠る赤ちゃん、この子の両親も出稼ぎだろうか。

  
村の近くにはブルン・クル(山の中の湖)。

村を出てハイウェイを東へ向かえば
 
トゥス・クル(塩の湖)、サシク・クル(くさい湖)と高原には湖がたくさん点在する。

 中国からのトラックが止まるというアリチュール村は西チベットの漢族の村を思い起こさせる。

その先にある小さなアク・バリクの泉は聖なる泉。
 
真っ青に澄んだこの泉の魚は取ってはいけないのだそうだ。

しばらく行くとまばらな草原にユルタが見えた。
 ホームステイの看板が出ているのでちょっと立ち寄ってお茶をさせてもらう。

ユルタとはキルギス族の遊牧移動テント。
 
  
 
木組みの上にフェルトをかぶせているが、近くで見ると独特の装飾が美しい。
 茶わんを重ねてひもで吊った収納も素敵だ。

  
おいしいパンとカイマックに感激していると
 
子供たちがおずおずと入ってきた。イラン系でエキゾチックなタジク族とは明らかに違う、なじみ深いモンゴル系のキルギス族の世界に入ったことを実感。
 お母さん、お茶をごちそう様。

  
やがて羊をたくさん連れたキルギス帽のおじさんに遭遇すると、その向こうに広がる町が今日の目的地、標高3560メートルのマルガブ。

少しづつ標高を上げてきたし、3600メートル程度の高地は何度も経験があるので甘く見ていたら、峠での寒さが災いしたか、具合が悪くなってしまった。
  
今日は幸いにしてホテルの個室、夜はお茶をもらっただけで早々と寝てしまった。


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2013年10月の桝ざき

2013-10-18 19:09:26 | 食べ歩き
なぜかこのところ春にばかりお世話になっていた御成門の桝ざきさん
久しぶりに秋に伺うことができた。

 スタートはいつものごとく茶わん蒸し。
本日はイクラの下はフカヒレ入り。
 ますますにぎやかになる前菜。
〆サバと燻製の小さな魚(なんだっけ?)が特に美味。
 お椀は鮭の白子。これがフワフワでなんとも。
 いつも以上に新鮮なお造り。
 イサキの焼き物はあしらいが秋らしくてすてき。
 丁寧な仕事の煮物。射込みごぼうがおいし~。
 揚げ物はリンゴの豚肉巻。
思考錯誤中らしいイクラのソースはおもしろいが、イクラはあのぷちっとはじける感触がないとちょっと寂しい。

そして登場する土鍋ごはん。
  
本日は鮭と秋のものいろいろ。この色合いがまた素晴らしい。

フィナーレのデザート。
 これ以上はもう無理。絶対。

と言うことで本日も大満足。
店主は開店以来20キロ増量したそうだが、通いつめたらこちらもやばい・・・。

 
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’13秋の福島 4 浄土平と高湯温泉

2013-10-16 13:15:21 | 国内旅行
10月7日

相模屋の大女将さんに見送られて、10:55発の磐梯吾妻スカイライン定期バスに乗り込む。

この路線は5年前の4月にも逆回りで乗ったが、その時は天気が悪くて周りの景色が何も見えなかった。
今回は幸いにして快晴、まわりの山も、遠くの猪苗代湖もよく見えたが、定期バスなので写真を撮る暇もなく、30分ほどで浄土平に到着。

バスはこの後福島駅まで戻るが、出発まで1時間15分ある。
そこでまずは目の前の吾妻小富士のてっぺんまで、100メートル登る。
  
階段が作られているし、結構なおじちゃん、おばちゃんも登っているのでと甘く見たら、これが結構きつかった。
息を切らしつつ登りきると目の前には大きな噴火口の跡。
 眼下の駐車場には平日というのに車がいっぱい。観光バスの団体さんも次々にやってくる。

レストハウスの脇からは湿原の上に散策路が作られている。
  
 
標高1600メートルのここでは草も吾妻小富士の山腹も紅葉してとてもきれいだ。

 レストハウス前で売っていたお餅の入った揚げドーナッツを食べたらバスは出発。

途中、ヘリでCM撮影中だからと5分ほど止められながらまた30分で高湯温泉に到着、ここでバスを降りる。

ここで何か軽く食べようかと思っていたが、まわりには温泉旅館以外の店は全くない。ドーナッツを食べておいてよかった。
しかも立ち寄らせてもらおうと目星をつけておいた旅館の日帰り入浴時間は14時までだが、受付は13時まででバスの到着は13時20分。それはないだろう~。

しかたがないのでバス停の目の前にある共同浴場、「あったか湯」へ。
 
入ると広々とした休憩所があり、自動販売機で250円の入湯券を買って係りの人に渡し、階段を下りると浴室がある。
 入浴客が絶えないのでこの写真はHPからお借りしたが、10人は入れる岩風呂にこれぞ高湯の真っ白なお湯がたっぷり。ガスの濃度が高いために半露天しか作れなかったというほど硫黄の香りも濃厚。完全かけ流しと言うお湯は43℃ほどに管理されていて、共同浴場でもお湯は新鮮。
入っているお客さんも観光客ばかりのようだが、温泉好きとみえてみなさん静かにお湯を楽しんでいる。
設備もきれいだし、ここは予想以上に良かった。
 
駐車場から下を覗くとすぐ脇の源泉からお湯が引かれていて、これだけ近いからお湯の質がいいのだ。

1時間ちょっとの高湯滞在で、路線バスで福島駅へ。
駅前のスーパーや売店でお土産を物色。
 
みそぱんはみそ味の蒸しパン、紅葉漬けは鮭の麹漬けで塩辛のようにごはんが進む。
 麦せんべいは南部せんべいに似ているがもっと固くてちょっと甘い。 

そして旅の終わりも駅弁。
 
プラスチックながら会津塗の立派な2段弁当は1100円。値段の割におかずがちょっとさびしいけれど栗も入って満足。

一人温泉も楽しくてやめられない。


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’13秋の福島 3 新野地温泉再訪

2013-10-14 15:50:46 | 国内旅行
鷲倉温泉で散歩の汗を流した後、まだ2時前とちょっと早かったが徒歩10分もかからない隣の宿、新野地温泉 「相模屋旅館」へ移動。
 おととしの暮れにも友人と来たが、日本秘湯を守る会のスタンプがめでたく10個たまったので、無料ご招待にここを選んだのだ。

バスの時間でもないのに車もなくやってきたことに怪訝な顔をされつつ、招待券を出してすぐにチェックイン。
ロビーで昆布茶をいただいて部屋に案内される。

 ここでも一人ながら10畳の広い部屋。しかもバスルームまでついた道路側の4階。
「天気が良ければ福島市街が見えるんですが」残念ながら深い霧で道路の向こうは真っ白。

しかし思いのほかいい部屋にホクホクと、お茶を飲みながらのんびりして、日帰り入浴客が帰る3時になったら、さあ、例の野天風呂へ。
  思った通り、誰もいない。
 盛大に上がる湯けむりを見ながら入る白濁のお湯、最高。

この野天の手前にある内湯は、と覗くとこちらは建て直されて壁や天井の木が新しくなっていた。
  
しかし造りは以前と全く一緒で、男女を分ける仕切りの波板プラスチックもそのまま。この内湯の鄙びた風情が好きなので、この改築はうれしい。宿のご主人はよくわかっていらっしゃる。

野天を堪能してしばらく、6時半になると食事が部屋に運ばれてきた。
 秋らしくキノコの料理が4品もあるのがうれしく、
 
後から運ばれてきたアユの甘露煮が骨まで食べられて美味しい。最後に来たてんぷらはもうおなかいっぱいで食べられず、これまた丸ごと1個の桃は翌朝へ。
やけに多かったな、と以前と写真を見比べるとしゃぶしゃぶの牛肉の量が明らかに多い。飲み物も一本無料でついたし、秘湯の会のご招待は通常よりも待遇がいいことが判明した。タダだから逆だと思ってたよ。

翌朝も野天に行くとやはりスタンプご招待の奥様が一人いらして、サービスがいいことを再確認。
温泉好き同士話が弾んで、朝からいい気分。

 朝食のため広間に行くと老人会が来ていたらしく、びっくりするほどたくさんのお年寄りで大にぎわい。しかしお風呂がほぼ独占状態だったのは、足腰の弱いご老人方は階段を下りる下の内湯や野天には来なかったためらしい。

 今朝も福島市は霧の中だけれど、上空は晴れて山がきれいだ。

帰りのバスの時間まで部屋でのんびりさせていただき、外に出ると優しい大女将さんが若い仲居さんとバスが来るまで相手をして、手を振って見送ってくださった。
相模屋さん、やっぱりいい宿だ。


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’13秋の福島 2 鷲倉温泉

2013-10-13 14:13:01 | 国内旅行
10月6日

昨晩はずいぶん雨が降っていたが、朝には幸いにしてきれいに晴れ上がった。
そこで赤湯と同じ土湯温泉郷に属する幕川温泉まで歩いてみることにする。
歩いたという人が見つからないが、車ならすぐだと言うし、宿のおじさんは「1時間ぐらいかな」と言うのでなんとかなるだろう。

 好山荘の脇から土湯峠湿原遊歩道に入る。
 
木々の間に伸びる道は昨夜の雨でぬかっているが、木道や階段が整備されているので歩きやすい。滑らないように気を付けながら歩けば
 
春にはミズバショウなどが咲くという湿原に今の時期ではリンドウぐらいしか花は見えないが
  
さすがにもう紅葉が始まっている。
 階段の上り下りで汗をかきつつ、30分で自動車道に出た。
この遊歩道の地図にはここが「幕川入口」とあるから、温泉までそう遠くはあるまい、と車道を歩き始める。

 
車道沿いの木々も紅葉が始まり、通る車もほとんどないので気持ちよく歩ける。
が30分歩いても建物一つ見えず、ようやく谷の向こうから煙が上がっているのが見えて、ずいぶん遠いがあそこがゴールか、とそこまで行ってみるとどうも温泉旅館ではない。
幕川温泉への矢印があったのでたどってみると道はさらにのぼりになって山の中へ入っていくが、やはり建物の姿はない。
さすがにここで心が折れて道を引き返すことにした。

この頃には空も曇り、やがて霧が出て小雨が降ってきたので引き返したのは正解。
小一時間で赤湯温泉からは20分の鷲倉温泉に着いた。
 
ここは前夜泊まろうと思っていたのだが一人泊は断られたところ。予想より大きな宿で、ロビーは宿泊の人やら立ち寄り湯の人やらで混み合っている。どうやら昨夜の泊りが赤湯になったのは正解だったようだ。

受付で500円を払い、まずは内湯の大浴場へ。
 
文字通り大きくて新しいお風呂にはもちろんシャワーやカラン、シャンプー類も完備。
ここで気持ち良く汗を流させていただき湯船につかると、白濁したお湯はかなり熱くて長く入っていられない。
そこで脇の扉から露天に出ると
 7、8人は入れそうな石造りのお風呂。
真っ白に見えるお湯は実際は透明なお湯に粉のように細かい湯花がたくさん漂っていて、強くはないが硫黄の香りがする。外気のせいか、こちらは長湯をするのにちょうどの湯温だったが、お湯の鮮度はいまいち。

そこで一度服を着て、ロビーを挟んで反対側、長い廊下の外にあるもう一つのお風呂、岩根の湯へ。
 
こちらの脱衣場はこれ以上ないほどシンプルだし狭いが、屋根のかかった露天風呂は思ったより大きく、10人ほどは入れる浴槽の周りはちょっとした庭園風になっている。
こちらのお湯は内湯とは全く違う酸性緑礬泉で、赤茶色に濁っているが好山荘の赤湯ともまた違う。
かなり熱くて45℃はあっただろう、入れなくはないが浸かっているより外で涼む方が長く、「とても入れない!」と先に入っていたおばちゃんが水を入れ始めたのも無理はない。でもおかげで鮮度のいいお湯が楽しめた。
 脱衣場の外には飲泉所があり、飲んでみるとちょっと酸っぱい。

幕川温泉に行きつけなかったのは残念だが、2時間歩いた疲れを鷲倉温泉で癒すことができてほっとした。


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’13秋の福島 1 赤湯温泉 「好山荘」

2013-10-12 15:07:23 | 国内旅行
10月5日

タジキスタンで温泉づいて、というわけではないが、昨年末からご無沙汰していた日本の温泉に行ってきた。

今回は近場の福島まで。
 珍しくグリーン車になったのはえきねっとの30%割引座席が普通車の方は売り切れだったため。座席のあった10%引きと、30%引きグリーン車が同じ値段だったのだ。

いつもよりちょっといい席でいただいたのは
  千葉の潮干狩り弁当。
ご飯の上に3粒のハマグリとたくさんのアサリの佃煮がのり、おかずはイカのみそ焼きとかレンコンのはさみ揚げとかちょっと変わっていておいしい。これで760円はコスパがよろしい。

わずか1時間半で着いてしまう福島駅前からは磐梯吾妻スカイライン定期バスに乗り込む。
 夏の間は週末しか走らないこのバス、10月5日から11月4日の紅葉シーズンは毎日運行。

このバスでまた1時間、おととしの冬に来た新野地温泉で下車。
しかし本日の宿泊はここではなく、霧の中、バス停から車道を5分ほど歩くと
 
赤湯温泉の看板が見えてきた。

 この看板から未舗装の道をしばらく下ると
 
霧に煙る今夜の宿、「好山荘」に到着。左手の2階建ては旅館部、右手の平屋は自炊部。
 その真ん中にある渋い玄関ではタヌキがお出迎え。
 
中に入ると手作りの民芸品でいささか雑然としたロビーに人はおらず、声をかけると奥で犬とテレビを見ていた女将さんがやっと出てきて、呼ばれた仲居さんにすぐに部屋へ案内される。

タヌキの玄関からは階段を上がるが、通された部屋は旅館部の一階。
 
一人泊だけど10畳に広縁付きの広い部屋。もうこたつが出ていてびっくりするが、標高1200メートルのここではすでに朝晩は寒いということで、お茶を入れてくれた仲居さんは丹前に綿入れ半纏まで用意してくださる。
部屋のトイレは和式、洗面台もクラシックで昭和の宿。
 窓の外も雑然としているがなんだか自然体で不快ではない。

雨は一応止んでいるが早く暗くなりそうなので、まずは露天から入ることにする。
部屋の窓から見える重機の向こう、宿へのアプローチの脇にあるのが露天風呂。
  
青と白に塗り分けられた大きなタンクが目立つが、これがなんと脱衣場で、白い方が女性用。
 その先にある露天風呂は5,6人が入れる大きさで屋根がかかっている。
硫黄の香り漂う温泉はやや熱めだが適温、グレーがかった透明なお湯に細かい消しゴムカスのような湯の花がたくさん浮いているが、後から来た常連さんによるといつもはもっと濁っているとか。
気楽な雰囲気のためか、話が弾む。

よく温まる硫黄泉から出るころには雨が落ちてきた。
 なので旅館部2階のベランダにあるこちらのお湯は眺めただけ。何しろ脱衣かごをぬらさずにおける場所がないのだもの。

 東京駅の京はやしやで買った濃厚抹茶プリンで一息入れて

次は内湯へ。
 
帳場の先、階段を下りたところにあるこちらのお湯は露天とは全く違う赤いお湯。泥を溶かしたように濁り、鉄の香りがするが、温泉分析書による分類は「単純温泉」。43℃ほどで露天よりも少し熱く、湯上りはさっぱりとする。
浴槽は広く、木造の壁は新しいが、これは東日本大震災後に建て直したものとか。
 
片隅には湯神様にお供えも上がっているが、その反対側にはなぜか天使もいる。

外の白湯も中の赤湯も気持ちよく、全く違う2種のお湯を楽しめるのは実に得した気分。
ただしどちらにもシャワーやカラン、上がり湯すらないので、潔癖症の人には向かないかもしれない。

6時半になると仲居さんが部屋にお膳を持って来てくれる。
 たっぷりのまぐろのお刺身やら豚の陶板焼きやらでボリュームも十分。中でもイワナが背開きにされ、骨を抜かれて唐揚げになっているのは珍しく、これは食べやすいし、冷めてもおいしい。菊花のごまよごしもおもしろく、予想以上の食事。

 朝もしっかりいただいて、ゆっくり10時にチェックアウト。

部屋は古いし、清潔感いっぱいとはいかない。
宿の人も割とそっけない対応だが、この気楽さに一泊10,650円は納得の宿。
蛍が見られるという夏も涼しくてよさそうだ。


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コメント (4)
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