Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ラジャスタン横断 15 アンベール城

2011-02-28 15:17:20 | インド
12月25日

ジョドプールからジャイプールへは317キロ。
ジャイサルメール-ジョドプール間と大差ないので同じように昼過ぎには到着するかと思っていたらこれが大間違い。
この幹線道路上はインド軍の輸送トラックだらけで、延々と連なるトラックの一群をやっと追い抜いたと思ったらまた別の隊列がいる、の繰り返しでげんなり。

やっとジャイプールの町に到着したのが3時過ぎ。
運転手はホテルに直行したがるがそうはいかない。
まだ陽があるのでアンベール城へ行ってくれ、と頼む。

ところがこの道がまた大変。
アンベール城へはジャイプールの旧市街を抜けるしか道がないようなのだが、旧市街は車やらバスやらオートリキシャやらで大渋滞。西の門から入って北の門を抜けるまで、歩いた方が絶対に早い程度でしか動けない。いやはや、ジャイプールがこんなに大変なところだとは。

やっとアンベール城が見えてきた頃には陽もだいぶ傾いてしまった。
 が夕日に黄色く照らされた城は壮大で、下から丘を登り門へと続く通路はちょっとラサのポタラ宮を思い出させる。

ツアーなどでこの城に来ればこの正面の通路を象に乗って上がるのだろうが、夕方に到着した我々は裏門の駐車場まで車で上がってしまう。

  
門を入った中庭には観光客がいっぱい。さすがインドでも有数の観光地。

  
2つ目の門をくぐると正面にあるのは一般謁見の間。見晴らしが良さそうな所に建っているが、残念ながら綱が張られて中に入ることは出来ない。

その横にあるのが華やかなガネーシャ門。
  
インド人の皆さんも家族全員で記念写真を撮るのが大好きなので、ここは一段と混雑している。

これをくぐった中庭には幾何学的な庭園があり、その左手にあるのがこの城内で最も有名な勝利の間。
 
  
別名「鏡の間」の名前どおり、壁も天井もイスラム風の装飾にミラーワークが使われていて美しい。

庭園の反対側にあるのは歓喜の間。
  
こちらは壁の中に水を循環させるクーラー装置があったそうで、そのためか水がめの装飾が涼しげだ。

  
こんな透かし彫りも見事だが、しかしこのアンベール城、1727年には王様がジャイプールへ遷都してしまったため、このように華やかな装飾はそれほど多く残っていない。

一番奥の中庭など特に地味。
 
  
こちらはプライベートなエリアか、あるいは使用人たちの居住エリアだったのだろうか、壁面の絵もずいぶん素朴だ。

城の上から外を眺めると城下の池にはここにも幾何学的な庭園があり、
  
周りを囲む山には万里の長城のような防壁が続き、見張り台があちらこちらに見える。

アンベール城のまわりの山頂には他にも城砦がいくつも見えて、ここは今まで見たどの城よりも実戦のにおいがする。
ここは城内よりも外観と立地を楽しむところかもしれない。

 城を出ると有名な象さんタクシー達はねぐらに帰るところ。

 市内へ戻る途中にあるジャル・マハルはライトアップされてきれい。

それにしても今日は疲れた。


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ラジャスタン横断 14 Fort Chanwa Luni

2011-02-25 20:07:25 | インド
ジョドプールでの宿泊先は町から30キロ離れたルニ村にある Fort Chanwa Luni

幹線をはずれ、農村地帯をしばらく行くと小さな村に入る。


この小さな村の真ん中に立派な門があり
  
門番の歓迎を受ける。

 
中庭に入ると正面に大きな石造りの建物。
初日に泊まった Castle Manadawa のような威容はないが、ここも要塞兼宮殿としてジョドプールのマハラジャの臣下の一人が1894年に建てたもの。
一度廃墟になっていたものを、現在の所有者であるマハラジャが1992年にホテルとしてリノベーションしたのだそうだ。

チェックインして我々が通されたのはこちらの建物。
  
ホテルとして新しく増築された部分のようだが、気持ちのいい中庭がある。
  
部屋もシンプルだが広くて、なんと言ってもアップリケのベッドカバーがかわいい。

一息入れたら早速要塞内の探検へ。

オリジナルの建物は入り口をくぐると中庭になっていて、正面にはすてきなテラスのある棟が。
  
この中を覗かせてもらうと
  
フィガロあたりのおしゃれ雑誌に載せたいようなインテリア。
  
壁の絵や置いてあるアンティークも凝っていて、ラジャスタン気分満点。
この棟には左右に2部屋しかないそうだが、その客室も凝っていそう。泊まれるものならそんな部屋に泊まってみたかった。

 客室棟の正面はいかにも要塞っぽい見張り台。
  
ここにもきれいな壁画があり、脇に隠れた階段を上って上に登れば
 村が一望でき、遠くからは列車の汽笛も聞こえてくる。

塔の上にいる我々を目ざとく見つけた村人たちは「写真を撮れ、撮れ」と催促するけれど
  
観光客なんて毎日来るだろうに。

さて、この日はクリスマスイブということで
 中庭には椅子を並べてイベントの準備中。

「イベントは8時からです」というので正しい日本人である我々が8時ちょっと過ぎに中庭に出てみれば、予想したこととは言え他の客はまだ誰も出てこない。
おかげで売店で散在する羽目になってしまって、ぽつぽつと客が揃いだしたのは30分以上も経ってからだろうか。

  
きれいにライトアップされた正面建物を眺めながら飲み物をいただいていると、ケバブ類のおつまみが次々にやってくる。

そして中央のステージには楽隊と踊り子さんが2人。
  
花瓶やら火のついた壷やら、頭の上に何か乗せた踊りが多い。
くるくるとがんばって踊ってくれるが、酒の飲めない身に外は寒い。

踊りは続いているが、ドイツ人の大きな団体が移動したのを潮時に食堂へ移動。 
   
細長くて天井の高い食堂。面白いテーブルセッティングをしてくれているが、ビュッフェはまったくクリスマスらしさのないメニュー。お味もあまりめりはりがなくてちょっと残念。

チェックアウトの時に「アンケートに答えてください」というので忌憚なくレストランの評価をしてあげたらマネージャーはなんだか憮然としていた。それじゃアンケートの意味がないだろう。

それにしてもインドのホテルはアンケートやゲストブックが好きだ。


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ラジャスタン横断 13 ジョドプール

2011-02-22 17:00:08 | インド
12月24日

ジャイサルメールからジョドプールへは285キロ。
砂漠の中の道を快調に飛ばして昼を回ったあたりで着いてしまった。

ジョドプールと言えばなんと言っても丘の上にそびえるメヘランガル城。
 
丘そのものが120メートル、その上に建つ城がまた巨大で実に堂々としている。

  
さすがにここまで来ると観光客も大勢。車でいっぱいの駐車場から次々に門をくぐって行くと頭上に城が聳え立つ。

  
  
16世紀から19世紀にかけて増築を繰り返された宮殿はまたも華麗な透かし彫りの嵐。

さらにこの城には華やかな内装がしっかり保存されているので内部も見ごたえがある。
   
金色の天井の大広間とか
  
鏡の間とか
  
細密画の美しいこの部屋は窓の隙間からのぞくことしか出来ないのがもどかしく
 ステンドグラスがかわいいこんな部屋もある。

  
マハラジャの輿のコレクションやら
 ゆりかごのコレクションまですごくて
ビカネールのマハラジャも金持ちそうだったけれど、ここはそれ以上だ。

そして城のテラスから町を見下ろせば
 なるほどブルーシティーが眼下に広がる。
この町の家がなぜ青に塗られているのかはどうもよくわからないが、色や形が統一された町はきれいだ。

城の見学を終え、次は庶民の町を見学、と城下のサルダル・マーケットへ。
  
車やら馬車やらで大混雑の交差点を渡り、立派な門をくぐると中央に時計台がそびえ、あたり一体はマーケット。
 メヘランガル城の勇姿もよく見える。

  
八百屋さんにはニンニクがてんこ盛り。
  
唐辛子や豆もてんこ盛り。
  
サリー屋さんの色の華やかなこと。砂漠の景色と浅黒い肌にはこんな色がよく映える。
  
バングルのお店もいっぱい、おしゃれなリボンテープのお店もあり。

と歩き回っていたらのどが渇いた。
 人気のありそうなラッシー屋があったのでメニューを見ると「ラジャスタン風アイスクリーム」というのがあるではないか。
これは試してみなければ、と早速注文。
 カルダモンとちょっぴりピスタチオの入ったアイスクリームは確か2、30円だったけれどクリーミーで侮れないおいしさ。
さすが人気店。みんなはジュースを飲んでいたけれど。
 
やっぱりマーケットはおもしろい!


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世界らん展@東京ドーム

2011-02-20 23:44:06 | 機内食・映画・美術展
ひょんなことから誘われて東京ドームで開催中の「世界らん展日本大賞」を見てきた。

東京ドームに来るのは何年ぶりだろうか。
めったに来ない水道橋、新しい施設がいっぱい出来ていておのぼりさん状態。

夕方5時からは1500円(通常は2000円)の入場料を払ってドームの中へ。
  
ドームいっぱいにブースが広がって、上から見てもなかなかの壮観。

入り口の蘭のアーチをくぐると正面に大賞と各部門1等の作品が並んでいる。
 これが今年の栄えある日本大賞。
これだけの花を一度に咲かせるのは至難の業なんだそうだ。
 そのほかの1等賞も、蘭の見方はわからないけれどどれもきれい。

 こちらはディスプレイのコンテスト。
  
お雛様があったり、蘭の着物があったり
 胡蝶蘭に柄を吹き付けたものまであって表現は自由自在。

しかしやはりおもしろいのは生の花。
コンテスト作品を見ていると蘭の多様さに驚かされるばかり。

 種類別に展示された蘭の数々の中で一番見慣れているのはカトレアなどの洋蘭だけれど
  
ぷっくりふくれていたり、紐のようにたれた花弁があったり
  
  
色も形も本当に様々。

  
  
  
  
これらがみんな同じ蘭の仲間だなんて、言われなければ絶対にわからない。

  
中にはこんな虫やクモのような蘭もあって

さらに「あなたの知らない蘭との出会い」というコーナーには
 コブラのような蘭
 蝶のような蘭
  
葉の裏側に咲くタランチュラオーキッドまで。

蘭っておもしろい! 
 
  
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ラジャスタン横断 12 Shahi Palace Hotel/Star Haveli

2011-02-18 23:57:28 | インド
ジャイサルメールの宿はテラスから城砦が眺められるということで Shahi Palace Hotel を予約していた。

その宿へ向かうべく町に入ったとたん、交差点で隣にジープが近づき、「ホテルから迎えに来た。付いてきてくれ」とこちらの運転手に言うのでびっくり。
聞くとホテルの場所がわかりにくく、迷子になる運転手が多いので、そろそろ着くと言う電話を受けてから町の入り口で我々の車を待っていたのだと言う。
なにしろこちらの運転手は頼りないので、これには感謝。

案内されたホテルは名前はパレスだけれど16室の小さな宿。
  
昔のハヴェリを模しているが、この建物自体は新しい。
通された部屋は裏通りに面していて狭く、窓も小さくて圧迫感がある。しかし今回の旅程の中では一番安い部屋、ホテルも満室のようだし、我慢するしかないか。

一息入れたところでオーナーの若い兄ちゃんが町案内をしてくれたのは前述の通り
その途中で「新しく建てたばかりの姉妹ホテルがすぐ近くにあるんだけど、中を見たい?」と言うので見せてもらうと、表通りに面した広い部屋の窓からは正面に城砦が見える。
「ええ、こんないい部屋もあるんだ~」と友人と騒いでいると、「この部屋は予約済みだけれど、もう1軒の部屋ならなんとかなるかもしれない」と追加料金も取らずに部屋を換えてくれた。

新しく部屋をもらったのはこちらの Star Haveli

玄関先に山羊の親子がつながれたこちらの宿には6室しかなく、フロントにいる中学生ぐらいのスタッフは朝から晩まで掃除をしているかテレビを見ている。
  
しかし部屋は広くて清潔、お湯のシャワーもちゃんと出るし、出窓からは城砦がばっちり見える。

ただしこちらのホテルにはレストランがないので、食事は50メートルほど離れた Shahi Palace へ戻る。
  
例の城砦を一望する絶好のポジションにあるテラス。ヨーロッパ人の皆さんは外で食事をするのが好きなので夜でも布団に包まりながらベンチにいるが、根性のない我々は壁の中に避難する。なにしろ日が落ちた12月のジャイサルメールは10℃もないくらいなのだから。

ここで最初の晩にいただいたカレー2種。
 左の黄色いカレーは野菜団子入り、右はドライチキンという名前だったと思うがこれにも野菜がたっぷり使われていてどちらも美味。

これをすっかり気に入った我々は2晩目はオーナーが自ら作るところを見せると言うスペシャルマトンカレーを注文。

厨房に入り込んでスパイスを混ぜるところやら、チャパティを作るところやら見せてもらう。
   
結局作り方を教わってもスパイスが揃わないので日本では作りようがないのだけれど。
でもスタッフのやり取りを見ていたり、他の料理の作り方を見たり、キッチンの中は楽しい。

そして待つこと2時間ちょっと、よーく煮込まれたマトンカレーがようやく登場。
 ラジャスタンの田舎風だと言うカレーは本当にマトン以外に何も入っておらず、「辛くなければおいしくない」というので辛さも半端じゃないけれど、マトンが柔らかくて実においしい。本来は羊肉が苦手な友人も「まったく臭くない」と喜んで食べていたほど。

 カレーを煮込むオーナー兄弟

見ているとこの兄弟は実によく働く。観光案内はするわ、料理を自ら作るわ、その合間にはテラスでゴロゴロする宿泊客の相手をして、スタッフにも気を配る。
次々と3軒もホテルを建てるのも納得、この調子ならもっと大きくなるだろう。この居心地のいいフレンドリーさと気配りはなくさないでほしいけれど。

Shahi Palace は今回泊まり歩いた中で一番のお気に入りになった。


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ラジャスタン横断 11 さらにハヴェリ

2011-02-17 23:30:33 | インド
12月23日 続き

城砦の丘を下りて門の前に広がる旧市街の中を散策。

旧市街の道は複雑に入り組んでいて、ガイドブックの地図を見てもどこがどうなっているのかさっぱりわからない。

それでも目指すハヴェリはわりと簡単に見つけることができた。
  
まるで船のブリッジのように突き出た建物の最上部が遠くからでも目立つから。

1815年、時の大臣サリーム・シングによって建てられたハヴェリ。
 入り口の横で遊んでいるように見えたおじさんが管理人で、どうやらこの屋敷に今も住んでいるらしく、1階の入り口付近はごちゃごちゃとやけに生活感がある。

思いのほかせまい階段を上がって屋上に出るとあの印象的な最上部が目の前に。
  
  
正面に城砦を望むこの部屋は何のための部屋だったのか。
 ちょっとすぼまった部分の部屋にはミラーワークを多用した室内装飾が残っているが、状態はかなり悲惨で華やかなりし頃は想像するしかない。
 屋上から中庭を覗き込むとやはり生活している様子が垣間見えるが、200年前の住居に住むのってどんなだろう。

この大きなお屋敷を出て旧市街の道をでたらめに歩き回ると、お屋敷ならぬ普通の家でもきれいな装飾がいっぱい。
 
  
古い家ばかりではなく、新築の家にも同じような装飾をしているようで、だとすればこの町の職人はちゃんと技術を継承していると言うこと。
 
   
もう窓の一つ一つにうっとり。

  
そこいらじゅうの壁にガネーシャが描かれているのも象好きとしてはうれしく

  
雑然とした商店街には巨大サンダルなどもあって、ジャイサルメールでは迷子になるのも楽しい。


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ラジャスタン横断 10 ジャイサルメール城

2011-02-16 18:21:23 | インド
12月23日

朝、ホテルのテラスで城砦を眺めながら朝食。
 日が差すまでは寒いけれど清々しく爽快。

 目の前にそびえる城壁をぐるっと回って中に入ろうと思うが、なかなか入り口が現れない。

と、城壁にへばりつくように屋根のかかった市場があった。
  
カラカラに乾燥したこのあたりで作られたとは思えないカラフルな野菜の数々。
流通の発達はありがたい。

市場を出るとようやく城砦内への入り口が現れた。
 駐車場脇の坂を上ると
  
第一の門、第二の門といかにも敵を防ぐための準備万端といった堂々とした姿。

これをくぐると王宮広場
  
16世紀から19世紀まで、この地を支配したラージプートの王族によって次々に増築されたと言う宮殿は巨大だ。

 この宮殿への入り口は門を入ってすぐ横手にあるのだが、宮殿の威容に比べてとても小さく、表示も控えめなのではじめは見逃してしまった。

入ってすぐの小さな中庭で入場券を買い、料金に含まれた音声ガイドを借りて城内を巡る。この音声ガイド、日本語もあるのだがこれが実にちゃんとした作りでちょっとびっくり。これは借りる価値がある。

城内の階段を上れば繊細な彫刻を施された壁が目の前に。
  
  
いくら柔らかい砂岩とは言え、よくもこんな透かし彫りができるもの。
  

 
城内には歴代の王様の肖像画や石像の展示された部屋もあるが、室内装飾などはすべて取り払われて華やかな部屋はない。

その代わり窓の外に目を向けると
  
城下町が一望に。
 昨日訪れたパトウォンのハヴェリも全景がよく見える。

 こちらはジャイサルメール城砦の全景模型。
これを見たら音声ガイドを返却して宮殿の外に出る。

この丘の上の城砦内には宮殿の他にも民家がぎっしり建ち並んでいる。
 
1階は大抵土産物屋になっていて
 大勢の神様まで売られているが、大体のんびりしていてしつこい売込みなどないところがよろしい。

歩き回っていたら疲れてしまったので一息入れることにする。
混んでいるカフェを避け、奥まったところにある安ホテルのレストランに入ってみると
  
かわいらしい部屋のテラスからはすばらしい眺望。市外のガディサル湖まで見える。
 アツアツのパコラとラッシーもおいしくて、この気持ちのいい部屋で昼寝でもしたい気分。

ジャイサルメール城内の Hotel Surya はおすすめ。


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ラジャスタン横断 9 ジャイサルメールのハヴェリ

2011-02-14 02:55:06 | インド
12月22日 続き

ビカネールの町を出るとまわりの景色は一段と乾燥してくる。
  
散在する村には面白い形の草葺屋根の小屋が見え、トラックで運ばれる家畜も牛ならぬラクダだ。

途中で立ち寄ったレストランはジャイサルメールとジョドプールを結ぶ幹線上にあるため旅行者でいっぱいだったが
 サモサとパコラを一皿づつ、スープとラッシーを2杯づつで約2000円ってどれだけぼったくり?

やがて到着したジャイサルメールは黄色砂岩一色のゴールデン・シティ。
  
町のシンボルである城砦は思ったより低い丘の上にあったが、我々のホテルの屋上はベスト・ビューポイント。 

ここでお茶などいただきつつ一息入れたら、ホテルのオーナーが町の案内をしてくれると言う。
これはありがたい、と高城剛似の兄ちゃんについてほこりっぽく入り組んだジャイサルメールの町歩きに出る。

まず現れたのはナトマルのハヴェリ。
  
  
1885年に建てられたナトマル家の邸宅だが、2人の兄弟で建てたため、左右の装飾が微妙に違うんだそうだ。
この家は現在も家族が居住しているため、内部を見ることはできない。

ここからほど近い所にあるのがジャイサルメールでも最も有名なパトウォンのハヴェリ。
  
  
1805年、ジャイナ教徒のパトゥアー家が5人の息子のために建てた大邸宅だが、この壁一面にびっしり施された偏執的なまでの装飾はやはりジャイナ教の趣味だろうか。
これまでに見てきたハヴェリでも十分にすごいと思ったが、ここはさすがに圧巻。

公開されている内部に入るとこれまたすごい装飾。
  
このカラフルさは外壁の砂岩一色に比べるとちょっといけてないけど。
 こちらの部屋ならちょっとシック、かな。
  
たくさんの部屋はいくつもの中庭をはさみ、道路をまたいで建てられている所もある。
  
台所道具の並ぶ様も装飾のようにかわいらしい。
この家には一体どれだけの使用人がいたことか。

ホテルに戻る途中、路地裏のパニプリ屋でおやつタイム。
  
パニプリとは空洞の揚げ菓子の中に豆やらソースやらを入れるインドではとても人気のあるスナック。この店は特においしいらしいのだが、ソースに水を使っているからと気を使って、我々にはこちらをふるまってくれた。
 パニプリと同じ揚げ生地にヨーグルトとスパイスをかけたデイプリ。
「これは他にはちょっとなくて珍しいんだよ」とまわりのおじさんたちが言っていたが、ヨーグルトがさわやかでおいしかった。ごちそうさま。

 ホテルに戻って屋上にまた腰を落ち着けるとタール砂漠に日が沈んでいく。

  
やがて暗くなると城砦はライトアップされ、そこに月が昇ってきた。

明日はこの城砦を探検に行かねば。


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ラジャスタン横断 8 ビカネール

2011-02-12 02:52:16 | インド
12月22日

朝、昨日中を見学したジュナーガル城の前を通り
 
城門をくぐって市壁に囲まれた旧市街の探索に行く。
 
この旧市街の中は車の通行不可でオートリキシャしか入れない。そのためリキシャの客引きが盛んだが、我々は歩いて回りたいので城門の前で車から降ろしてもらう。

 旧市街からまっすぐ伸びるメインストリート沿いには商店が並ぶが、まだ朝早いのでスナック屋台ぐらいしか開いていない。

この旧市街にやって来たのは街中に散在するらしいハヴェリ(邸宅)を見るためだが、どのガイドブックにも詳しい地図はないし、この道を歩いてもそれらしい建物は見当たらない。

  
やっぱりリキシャを雇えばよかったかな、と思いつつこんな揚げ菓子の屋台を撮っていたら「俺の友達は日本にいるんだ」と店先でお茶を飲んでいた男が話しかけてきた。
身なりは薄汚いが英語には訛がなく流暢。
これは使えるかも、と「ハヴェリがどこにあるか教えてくれない?」と聞くと待ってましたとばかりに案内を買って出た。

ずんずん歩いていくおっさんについて行くとどんどん細い路地に入って行く。不安がる友人をなだめつつしばらく行くといきなり出た。
  
  
赤砂岩の繊細な彫刻が施された壁に水色のブラインドが美しい。

さらに狭い道を挟んだお向かいにあるハヴェリ。
  
「この家は角が船のへさきのようだから通称タイタニックと呼ばれている。100年ほど前、海運業で儲けた家族が建てた家だ」とおっさん、プロのガイド並みにくわしく、後で確認すると説明も正確。一体何者?

この後もおっさんの後について次々にハヴェリを見て回る。
  
  
  
どの家もタイタニック同様、ほぼ100年前に建てられたものと思われ、どれも赤砂岩でできているので、町全体に統一感が感じられる。マンダワやファテープルに比べて保存状態もずっといい。

   
細部の装飾はいかにもインド風というかラジャスタンならではなのだが、どこかヨーロッパの香りもするのは建材のせいだろうか。ヨーロッパの門前に牛はいないけど。

最後は珍しい細密画に覆われたジャイナ教寺院まで案内してもらって
 
おっさんにはまったく感謝。案内してもらわなければこんな路地の奥に隠れているハヴェリの数々を探すのは難しかったもの。

はじめは「遠来の客人を案内するのは当然さ。お礼なんてもちろんいらないよ」と言いつつ、最後は「さっきのお寺にお布施を置いてこなければいけないから」とガイド料を要求するのは予想通り。
しかし言葉つきなどからして結構教育のありそうなおっさん、何が原因で浮浪者風に転落してしまったのか。

ビカネールも期待以上に興味深い町だった。


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武蔵小山でフレンチ 「L'Etroit」

2011-02-09 21:05:41 | 食べ歩き
武蔵小山の駅前には昭和のにおいのする飲み屋街がある。

この中にこっそり存在するのが最近お気に入りのフレンチ・レストラン L'Etroit
 間口が狭くシックな店頭は目立たず、店内も「窮屈」という店名の通り、1階はカウンター4席に2人掛けの小テーブル1つ、その脇をすり抜けて急な階段を上がった2階に8席という本当に小さなお店。

そこで今夜は「大人の女子会」。一度いただいてみたかった「12皿おまかせ料理」で飲める方にはワインを楽しんでいただこうと言う趣向。

まず登場したのは
 赤カブのピューレの上に蒸し鶏がのった一皿。
ピューレがなめらかで、鶏はかなりしっかりした味付け。
こちらの料理はどれもワインがおいしく飲める味付けのよう(自分は下戸だけど)。
 2皿目は鯛とマグロのお刺身。和食のようだけれどゆず胡椒のソースが香りよくおいしい。
 柔らかいあわびにはフォワグラ醤油ソース。
 鶏レバーのムースにはアンズの付けあわせ。
子供の頃には苦手だったレバー、最近は好きなんだよね~。
 クルミの散ったサラダの上に乗っているのはイベリコ豚の生ハム。
 優しい味の茶碗蒸しには結構な大きさのフォワグラが乗り、さらにトリュフソースがかかっている。カロリー高いものっておいしいんだよね。

ここまででだいぶお腹も満たされてきたが、これでやっとオードブル終了。

次に小さなデミタスカップで登場したものは一見カフェオレ。
 これが実はズワイガニのスープなのだけれど、なんとも濃厚なカニの風味。
 お魚はホウボウ。パリッと焼かれた皮と、付け合せの野菜もうまい。
 お肉はニンジンピューレの上に牛ほほ肉のシチューが二切れ。もう苦しいのだけれど、こちらのピューレもおいしくて残せない。

そして締めとして登場したのは
 なんと長いものお寿司。
酢飯にはディルが少量混ぜ込まれていて、その風味のせいか満腹なのに入ってしまう。

 お口直しにブドウのシャーベット
 アイスクリームのバラがうるわしいデザートはチーズのムースケーキ

で12皿完食!ふう~。

メリハリの利いたお料理も、大人の会話も楽しくて、気が付いたら4時間もたっていた。

武蔵小山にはいいお店がいっぱい隠れている。


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