Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

スリランカ再訪 3 ポロンナルワ

2011-05-29 19:27:44 | 南アジア
4月29日 続き

昼食の後はハバラナの町を通ってポロンナルワへ。

世界遺産にも登録されているポロンナルワは11世紀から13世紀までシンハラ朝の都として栄えたところ。
遺跡は広大な敷地の中に散在しているので、車か、少なくとも自転車でも使わないととても回れない。

 まずは12世紀の宮殿跡。
元は7階建ての壮大な宮殿だったとのことだが、往時の姿を見るにはかなりの想像力が必要。

 
柱のたくさん並んだこちらの建物は閣議場。ライオンはもちろん王様のシンボル。
  
沐浴場のそばには川が流れ、シンハラの子孫達がやはり沐浴や洗濯をしている。

遺跡の中心とされているのは宮殿の北、ちょっと小高いところにあるクワドラングルと呼ばれる一角。
  
  
中央には7世紀のものとされる仏塔があり、形や彫刻がちょっとインドネシアのボロブドールを思い出させる。入り口にあるムーンストーンの彫刻も細かくてとてもきれいだ。

この南にはトゥーパーラーマという仏堂。
  
壁にまた仏堂の彫刻がされているのが面白く
  
中に安置された仏像は長年信者たちに撫でさすられたのだろうか、顔も体も磨耗しているところがなんとも味がある。

 
他にもぽつんと立つ仏像があったり、不思議な曲線の柱があったり
 これは「石の本」。掘られているのは古いシンハラの文字だが、くねくねした中にさなぎみたいな文字もあっておもしろい。

ここからさらに車で移動してガル・ヴィハーラ。
  大きな坐像と立像 
 さらに涅槃仏がいらっしゃるが、石の縞模様が美しく、どれも丸顔で優しい表情。
眺めていたら係りのおじさんが「横になったお釈迦様のつま先が揃っていたら寝ている姿。この像はずれているから涅槃に入られた姿なんだよ」と教えてくれる。へえ、知らなかった。
 さらに真ん中にはフェンスで囲まれた小さな坐像。
まわりの壁にわずかに壁画が残るのをおじさんが教えてくれたが、位置的に写真を撮ることができなくて残念。
むかしはこれらの仏像の周りに建物があり、華やかな壁画で飾られていたのだろう。

日もだいぶ傾いてきたが、どうしても見たいところがもう一ヶ所ある。
「もう閉館時間を過ぎているかも」とドライバー氏に心配されつつ向かったのは北のはずれにあるティワンカ・ピリマゲ寺院。
 
修復中の寺院の扉ははたしてちょうど鍵をかけたばかりのところだったが、我々の姿を見た係員のおじさんはやさしくて、「大丈夫、見せてあげるよ」とまた扉を開けてくれた。

どうしてもここが見たかった理由はもちろん壁画。
  
  
狭い通路の両側に予想よりもずっと多くの壁画が残っている。
13世紀のものと言うこの壁画、保存状態はあまりよくなく、懐中電灯で照らさなければほとんど見えないが、緻密な表現はアジャンタの壁画に似ていてすばらしい。

  
奥には胴体だけになってしまった仏像が立っているが、足元に供えられた花がストゥーパの形に並べられて、ここはいまだ信仰の場所なのだと教えられる。

壁を懐中電灯で照らしながらしつこく写真を撮っていても文句一つ言わない係りのおじさん。後からまた別の外国人が入ってきても追い出したりはしなかった。
スリランカの人はやっぱり優しい!

 遺跡のゲートを出ると、その先には大きな湖があり、家族連れが大勢夕涼みをしている。
大きいけれどこれは人工湖だそうで、今回スリランカで見た湖はどれもいずれの時代にかその時の王様が作った人工湖だった。
緑が多く、雨の多そうなこの島でも治水は統治者の一番の仕事だった様子。

日もとっぷり暮れてから今夜の宿に入った。


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松之山温泉で山菜づくし

2011-05-28 02:02:22 | 国内旅行
去年の秋のきのこ鍋に感激した松之山温泉の凌雲閣、今度は総勢6名でお世話になることになった。

旅の始まりはいつものごとく、東京駅で駅弁を調達。
 6個ともなるとさすがに重い。
ワイワイと食べられてしまったので中身の写真がないが、「まさかいくらなんでも寿司」がス、ケ、ニ、イクラがぎっしり入っておいしく、「えび千両ちらし」はふたを開けると一面の卵焼き、その下にいか、うなぎ、こはだにえびが隠れていて面白かった。

越後湯沢からほくほく線に乗り継ぎ、お迎えのバスで到着した凌雲閣。
 この冬は積雪が4メートル以上にもなって屋根の一部が崩壊、残雪と震災による瓦不足のためにやっと今頃修理できるようになったとかで大きなクレーンが来ている。

ここは東北の翌日、3月12日の長野の地震でも大きく揺れて、3月いっぱいは休業していたそう。目に付くところに被害の跡は見えなかったが、昭和初期に建てられた古い建物の維持はやはり大変な様子。

工事の音がさすがに響くので、緑が美しい裏山に散歩に出る。
 
   
足元にはフキノトウやチゴユリ、ショウジョウバカマ
  
何種類ものスミレにカタクリの花が咲いて春らしい。

個性的なお湯につかってゆったりしたら、いよいよお目当ての夕食タイム。
今回は春のスペシャルメニュー、山菜フルコースをお願いしてあるのだ。

次々に運ばれてくるお皿の数々。
  
左写真の下からウドのキンピラ、フキノトウ酢味噌和え、こごみのごまあえ、浅葱入り紅白なます、金目鯛はフキみそ焼き。
右の写真はワラビ、アケビの芽、モミジガサ、アズキナ、アザミ、葉わさび、ウルイ、フキのキンピラ。
 
天ぷらはもちろんタラの芽やウド、フキノトウや竹の子、柳川鍋の中身もすべて山菜、のっべ汁の中も山菜。
 お漬物の左端、茶色いのはカタクリのつぼみとか。特に味や香りがするわけではないが珍しい。
 そして毎回登場するイワナシのゼリー。
小さくてもシャリシャリとした食感のイワナシの実は焼酎漬けにされているのだそうだ。

登場したお皿の数は16、山菜は14種類。思ったほど珍しい山菜は登場しなかったが、さすがにこれだけ登場すると葉っぱだけでもお腹がいっぱいになる。
きのこといい山菜といい、この宿の料理長はすごい。

翌朝もゆっくりさせていただいて、まつだい駅までのバスをお願いすると列車の時間までだいぶあるからとご主人は途中の美人林に寄って下さる。
 樹齢80年ほどのブナの林は幹がすらっと細いから「美人林」なのだとか。
  
頭上は新緑、足元は落ち葉がフカフカとして本当に気持ちいい。

さらに駅まで遠回りをしてドライブ。
  
  
このあたりは10年ほど前から町おこしとして「大地の芸術祭」と言うのを始め、田んぼや畑の中に「芸術作品」が点在している。
あれも作品、これも作品、と紹介しながら、「でも現代アートって我々にはなんだかよくわかりませんね。」
それでも年々知名度が上がり、今では年間10万人もお客さんが来るというのだから町おこしとしては大成功だろう。

こんな風に寄り道をしてくださるサービスもうれしく、またきのこを食べに来ようかな。


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2011年5月の飲茶

2011-05-24 23:21:47 | 東アジア
恒例、香港はコーズウェイベイ、鳳城酒家の5月の飲茶。

相変わらず漢字のメニューから勝手に想像しながら注文するもので、思いがけないものが来たりして
 一品目は来てみたらさつま揚げでした、って感じ。
揚げたてで、見た目どおりの味だけれどおいしい。

 これは不思議なものを選んでしまった、ナタデココ入りのフルーツカクテルをマヨネーズであえて、パリパリの皮に包んで揚げたという創造的点心。
缶詰のフルーツとマヨネーズが合うとはいえないし、さらにマヨネーズが添えられてくるって、香港人はそんなにマヨネーズが好きなのか。
この店ではじめて「おいしくない」と思った一品。

 こちらは安全パイ、蒸餃子。
エビとホタテに、今日は春菊のような風味の青菜が入っている。

そして本日一番はこちら
 おそらくアヒルの卵だと思うが、甘く味付けされたこの黄身餡がほかほかの万頭を割るとトロリと流れ出る。
まるでフォンダン・ショコラのようだが、どうして黄身が固まらないのか。
普通のカスタード万頭より、これはおいしいぞ。

いつものごとく食べきれない分はお持ち帰りにして、これまたいつものごとく、市場を覗きに行く。

  
初夏のこの季節、菜っ葉の種類がたくさんあって、山と積まれた青菜類のおいしそうなこと。

果物屋さんの店頭にはマンゴーが並び始めたけれど、ライチーにはまだちょっと早いらしく、こちらは空振り。

次はいつ香港に来られるかな。


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もう一つのロイヤル・ウェディング

2011-05-23 01:24:13 | ブータン
ロイヤル・ウェディングと言えばついこの間イギリスが沸いていたけれど、今度はブータンでおめでたいお話。

2008年の戴冠のお祝いに参加させていただいたブータンの王様がとうとう結婚を発表されたのだ。

お相手は20歳のJetsun Pema嬢。
 写真を見ると典型的ブータン美人。
今年31歳の王様とお似合いのカップルだ。

この王様、イギリスとアメリカに留学していて、当時は日本人のガールフレンドがいるなんて噂もあったようだが、アイデンティティの存続に必死なこの国のこと、外国人の王妃はやはり許されまい。

父上の先代国王は政治的な配慮もあって4姉妹を王妃にされたが、これも急速に近代化、国際化する今日のブータンではもうできないだろう。

賢くて性格もよさそうな王様のこと、若い王妃をしっかりリードして幸せな家庭を築かれるに違いない。
ロイヤル・ウェディングは10月で、「はでなことはしないように」と指示されたそうだが、果たしてどんなイベントが行われるのか。

恋愛ごとの大好きなブータン人たちは盛り上がっているだろうな。
できることなら一緒に盛り上がりたい。


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シンガポールでB級三昧

2011-05-21 01:58:31 | 東南アジア
映画を見ながらやってきたのはシンガポール。
年に1,2度しか来ないところなので、今回は何を食べようかと思い悩む。だってここ、食べる以外に楽しみははないんだもの。

高級なところももちろんあるけれど、今回はいつもに輪をかけてB級尽くし。

まずは朝食のためにわざわざMRTに乗ってタンジョン・パガーまでおでかけ。
 
椰子の木の向こうには近未来的な高層ビルがそびえているが、目的は手前の古ぼけたビル。1階にはトロピカル・フルーツでいっぱいの果物屋さんが並ぶ庶民のための台所。
 2階は駐車場のような吹き抜けになっていて、ここに食べ物屋台が並ぶ。シンガポールで典型的なホーカーセンターだ。

お目当てはこちらの小さな屋台、Makan Sutra Nasi Lemak Pandan Rice
 
本当にどこにでもある屋台だけれど、ガイドブックにはおすすめと書いてあるし、店先にもなにやら賞を取った雑誌記事などが貼ってある。
ガラスケースには揚げ物がいろいろ並び、中にいるお姉さんは愛想がいい。

見ているとジモティーは揚げ物の指定をいろいろしているみたいだけれど、よくわからないので「鶏モモのナシ・レマ1つ」とお願いしたらこれが出てきた。
 ナシ・レマとは典型的なマレーの朝食。
真ん中のご飯はパンダンという香草とココナッツミルクで炊かれているのでうっすらと緑色がかり、そのまわりにフライドチキン、揚げた魚、オタオタという魚のすり身で出来たかまぼこのようなもの、イカンビリというピーナッツと小魚のミックス、薄焼き卵、きゅうり、それにサンバルという辛いソースがのっている。
これを混ぜ合わせながら食べるのだが、鶏も魚もからっと揚がって実においしく、オタオタはかなり辛いのだけれどピーナッツの甘さがこれを中和する。
そして何よりもご飯がおいしい!パサパサの長粒米は普通に炊くと癖のある香りがして日本人にはおいしく感じられないが、これは適度に味がついて本当においしい。
ものすごく辛いサンバル以外はきれいに平らげて、これでS$2.5(約160円)。
この地味なメニューにしばらくはまりそうだ。

夜は以前にも行った Song Fa Bak Kut Teh
前回は朝、1人で行ったが、夜に行ってもここは大賑わい。
  
連れがいる今回は肉骨茶に加えて豚足と鶏爪も注文してコラーゲンを大量摂取。
スープに油條を浸して食べるのがおいし~。

翌日の晩は仕事の終了が遅くなったのでチョイスがあまりない。
「ツーリスト向けだね」とジモティーには受けが悪いようだが、エスプラネードにある Makansutra Gllutons Bay という屋台街に行く。
 屋台は10軒ほど、なるほどお客さんは外国人が多いようだが、なにしろここは景色が良い。
 これはネットから拝借した写真だけれど、この通りの景色が目の前に見える。
ビルの上に船かサーフボードをのっけたような建物は今話題のマリーナ・ベイ・サンズ。カジノがあることでも話題だが、不況の日本ではもうこんな建物は建たないね、と日本人同士嘆息する。

 マレー系のサテーにインド系のロティ・プラタ、中華系のチャー・クェイ・ティアオといろいろ取り揃えて食べられるところがシンガポール風。
でもジモティーの言うとおり、ここのお味はごく普通。やっぱり朝行ったようなローカルなホーカーの味にはかなわない。

 最後は甘ーいサワーソップとマンゴーのかき氷でしめて、さあ、次は香港に飲茶を食べに行こう。


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「Robot」&「ザ・ライト」

2011-05-18 00:09:12 | 機内食・映画・美術展
遊びに行くには軍資金がいる、というわけで、スリランカ旅行記を始めたばかりだけれど今週は出張ウィーク。

機内で見た映画2本。


一本目はインド映画 「Robot」

スーパースター(とタイトルに出る)ラジニカーントがかつらをかぶり、お腹を一生懸命引っ込めて若作り、超美女アイシュワリヤ・ラーイを相手に踊りまくるが、うれしそうというより必死な感じがちょっと痛々しい。

内容は天才博士が自分そっくりなアンドロイド型ロボットを作って、それが悪い博士に利用されてってありがちで他愛のないストーリー。
インド映画にしてはびっくりするほどCGを多用していて、その出来も悪くないが、ネタがみんなハリウッドのパクリでパロディになっていないのがこれまた痛い。

唐突に歌と踊りが入るのはインド映画のお約束だけれど、それにしてもなんで何の脈絡もなくマチュピチュで歌って踊るんだろうか。

インドのコメディももうちょっと垢抜けないものか。


2本目、「ザ・ライト」

こちらは現代のアメリカだけでも140人実在するというエクソシスト養成のお話。

これを聞いて想像したよりはずっとまともな映画で、主人公が懐疑的な神学生と言う設定がなかなかうまい。

アンソニー・ホプキンスがある意味十八番の演技で、これは楽しくて仕方なかったろう。
お久しぶりのルトガー・ハウアーが年を取ったとは言えまともな役だったのがうれしかった。

それにしてもキリスト教ってどうしても善と悪の二元論になってしまうのだろうか。白か黒か、どっちの側につく、って決め付けるから対立が起こると思うんだけど。

それとこの映画のタイトル、原題の The Rite は儀式のことだけれど、これをカタカナの「ザ・ライト」にしてしまってはなんのことやらさっぱりわからない。映画会社の怠慢だ。
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スリランカ再訪 2 ダンブッラ

2011-05-15 01:20:54 | 南アジア
4月29日

スリランカに来たからには朝からカレー。
 ヒヨコマメの隣にあるのは魚カレーだけれど、スリランカは辛い、との噂どおり、ホテルの朝食と言えども容赦なく辛い。唐辛子と言うより胡椒の辛さだろうか。でも具のマグロはかなりおいしい。

西海岸にあるニゴンボを出発して島のほぼ中央にあるダンブッラをめざす。

道路脇には
  
パイナップル畑にココナッツ畑
  
ゴム園があるかと思うと水田が広がる。
このあたりでは米は年に3回取れるそうだし、そこらじゅうにバナナやらマンゴーやらパパイヤがなっている。決して飢え死にすることはなさそうなところだ。

 大きな人造湖のほとりでお茶休憩をしたらやがてダンブッラ。

大きな岩山が見えてきたところで「あそこにお寺があるんだよ」と教えられたが、近くに来てみると
  
ファンシー(??)な建物の屋上には巨大な黄金の仏様が座り、その脇には華やかな僧侶の列が続いている。
ここは仏教博物館だそうで
 隣には仏教放送局まである。
さすが仏教国スリランカだが、我々はタイガーバーム・ガーデンに来てしまったのか。

不安になりながら指示されたとおり博物館の脇の階段を上り始める。
ここでこんな階段は予想していなかったのでげげっと思うが
  
15分ほどの登りでたどり着いた石窟入り口からの景色は緑が広々と気持ちいい。

寺院なのでここで靴を脱いで門をくぐる。
  
この白い回廊からまずは第一の石窟へ。

  
この窟はそれほど大きくないが、部屋いっぱいに涅槃仏がいらっしゃり、壁から天井まで僧侶や仏様の壁画で覆われている。

その隣の第二窟に入るとここは圧巻。
  
幅52メートル、奥行き25メートルと言う大きな部屋の壁際には仏像がずらりと並び、壁から天井まで隙間なく壁画がびっしり。それを床からの照明で照らしているのでなんとも荘厳な雰囲気なのだ。
   
仏像の多くはかなり新しいものだと思うがなかなかの美男もおわし
 
カーテンをかけられた仏像は古いものだろうか、脇侍にも味がある。
 さらに部屋の中央には金網で覆われた壷があり、天井から滴る水を集めたこれは聖水なのだそうだ。

暗くてほとんど写真が撮れなかったが天井の絵は様式も題材も様々。17,8世紀のものらしいが、壁画フェチには大ご馳走。

興奮しつつさらに隣の第三窟へ。
  
ここも第二窟と同じほどの広さがあり、同じように仏像と壁画でぎっしり。
  
王らしき人はここの寄進者だろうか。
 
この部屋には涅槃仏やストゥーパもある。

他にもっと時代の下がった小さな部屋が二つあり、この石窟寺院の厳かな雰囲気には大満足。
入り口のあの建物が惜しまれるが、あれが現代スリランカ人の好みなのだろうか。

寺院の見学を終わるとお昼もだいぶ回った。
食事を、とはじめはツアー客の定番レストランに連れて行かれたが、わさわさと落ち着かず、値段もぼったくり値段なので「もっとローカルなところに行きたい」と得意のわがままを言う。

それでは次へ向かう途中、適当なところがあったら入ろう、と見つけたのがこちら。
  
名前はなぜか「サクラ」だが別に日本食屋じゃない。
 風通しのいい店内はこぎれいで、ネクタイ姿の地元ビジネスマンなども入っている。

ガラスケースにお惣菜がいろいろあったのでそれを注文。
 まずは運ばれてきた洗面器いっぱいのご飯に仰天。
我々はドライバー氏も入れて5人だけれど、他のテーブルを見ると2人でこの量のご飯を食べている。なるほどみなさん、立派なお腹になるわけだ。
ちなみにご飯は赤米。ちょっとポロポロするが香ばしくてカレーによく合う。
 
おかずは鶏と魚の唐揚げにダル、いんげんのカレー、ポテトカレー。緑の一皿は葉物をきざんでココナッツであえたマッルムという料理。これがさっぱりとおいしくて大いに気に入る。
カレーもドライバー氏は辛過ぎないかと心配してくれたが、スパイシーながらおいしく食べられる範囲。やっぱり地元の人はおいしいもの食べてるじゃない。

この店、なんと我々の訪れた前日にオープンしたばかりだったそうで、オーナー氏は珍客の来訪に大喜び。我々の写真まで撮ってくれたのでこちらもお返し。
 中央赤シャツがオーナー氏。

ダンブッラでおすすめのレストラン。 


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スリランカ再訪 1 コロンボへ

2011-05-13 17:01:27 | 南アジア
2011年4月28日から5月7日まで スリランカ再訪の旅

4月28日

午後一のマレーシア航空で成田からまずはクアラルンプールへ。

GWとあって飛行機はいっぱいだが、KLから乗り継いで国へ帰るインド人らしきお客さんが多い。

最近のマレーシア航空は本当に機材もサービスも良くなって、エコノミーとは言え足元が結構広いのがうれしい。

 一食目の機内食はお魚のトマト煮を選択。
これが意外に食べられるお味。

KLまでは長いので、さあ、映画を見ましょう、と選んだのは 「ザ・ファイター」

音質の悪い機内上映で日本語字幕なしはかなりきついが、ミッキー・ウォードというアメリカのプア・ホワイト出身のボクサーが挫折から立ち直って世界ランカーになる実話の映画化。

ボクシングというよりは過去の栄光を持ちながらもお調子者で薬中の兄ちゃん、強烈に支配的な母ちゃん、ぶさいくな姉妹たちと言った家族との関係が中心テーマだが、このしょーもない家族を主人公が見捨てないところがいいし、最後のボクシング試合にはすかっとしたカタルシスがあって、見終わった後はすがすがしい。

主役を演じるマーク・ウォルバーグは猿顔だけれどなんとなくお気に入り。現役ボクサー役にはいささか年をとりすぎているんじゃないかと心配だったが、よほどトレーニングを積んだと見えて体つきはボクサーらしい。控えめな演技で兄ちゃん役のクリスチャン・ベールをむしろ引き立てている感じだが、この映画のプロデューサーはウォルバーグ。この人、見かけによらず(失礼!)かなり知的な人みたいだ。

「ザ・ファイター」を見終わってもう一本、と見始めたら途中で急にシステムがいかれて映画が見られなくなってしまった。

ひまなので機内販売の冊子をめくっていたらいけてるものを発見。
 ←クリックすると大きくなります。
これがなんと、電子コーラン辞典。
これがあれば26ヶ国語でコーランが読め、世界5000都市でのお祈りの時間と方向がわかるという優れもの。
さすがはイスラム国家、マレーシアの航空会社だ。

 あまり具のないおにぎりを食べたらKL到着。

トランジット3時間でコロンボまではさらに4時間半。
 こちらのチキンもおいしかったけど、またポテトサラダにマッシュドポテトだ。

遅延もなくコロンボ空港に着いたらするすると通関をして無事これからお世話になるドライバーさんと合流。
今回はちゃんと話せる「英語ドライバー」。感じも良くてほっと一安心。

空港を出て真っ暗な道を走ること10分ほど、すぐに今夜の宿、ニゴンボのタマリンド・ツリー・ホテルに到着。
  
コテッジ・タイプのお部屋の中はごくベーシックだけれど、今夜一晩眠るだけなので問題なし。
なにしろベッドに入ったのが現地時間の朝3時近く、日本時間は6時半だもの。

長い一日であった。


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龍山寺界隈を散歩して買い食い

2011-05-11 01:12:05 | 東アジア
羽田から午前の便で台北入りすると午後はかなり遊べる。

いつものホテルのそばに新しく地下鉄駅ができて移動が便利になったので、今回は龍山寺にでかけてみた。
台北で一番有名なこのお寺、以前に来たのはなんと30年も前だ。

その頃にはなかった地下鉄駅を出てみると意外にもそこはおやじ天国。
  
ちょっと浮浪者風のおやじが多くて、雰囲気は新宿公園みたい。ところどころで大勢集まってテーブルを囲んでいるのはおそらく何かのギャンブルだと思われる。
このあたり、もともと「萬華」と言う、ちょっと怪しげな地域だったらしい。

そんなうさんくさい駅前から大胆にもすぐ脇の暗い路地に突入。
 
と言うのもここにはおいしい胡椒餅の店があるとの情報を仕入れたから。
はたせるかな、路地の奥には大勢の人が焼き上がりを待っている。

店の奥では女性達が一心不乱に餅作り。
  
  
出来上がったものは木樽の釜の内側に貼り付け、炭火で焼き上げる。
見ているとかなりの数が一釜に入るが、焼き上がりにはずいぶん時間をかけている様子。

前のお姉さんに倣って「1個ちょうだい」と指を立てると、「45分かかるよ」と日本語で教えてくれる。今焼きあがったものには先約があるのだ。

そこでお金を払って番号札をもらう。
  
この仕組みが面白くて、各番号の枠においてあるコインは注文の個数。これで後で番号札を返す時にまちがいなく注文した数がもらえるのだ。

45分もここで待っていてもつまらないので駅周辺の探検に出る。

夕方でシャッターの降りてしまった市場を抜けると
 「剥皮寮」という昔の街並みを残した一角。
  
中の「台北市郷土センター」はもう閉館時間で見られなかったが、ちょっと雰囲気のあるここではテレビの撮影もしていた。

さらに歩いていくと青草街というところに出た。
  
ここで売られているのは文字通りの「青草」。つまり漢方のハーブ類なのだが、迪化街の乾物とはちがってここにはフレッシュな草が積まれているのが面白い。それぞれ何で何に効くのか、さっぱりわからないけれど。
 もちろん乾物やお茶もあり。

そして道の真ん中には夕方のこととて露天商が出現。
  
安そうな衣類の奥にはもちろん食べ物屋台も。

ぶらぶらしているうちに時間が来たので店に戻って無事に胡椒餅をゲット。
  
 龍山寺山門の電光掲示板をみながらいただいた胡椒餅、最高!
パリパリの皮の中のお肉はジューシーでねぎと胡椒が効いて。ああ、また食べたい。

がっつりお肉を食べたところで、口と手をぬぐってお寺の境内へ。
ここは仏教と道教が同居して、どんな願い事もよろず引き受けと言うところだけに大人気。
   
  
いつものごとく、お供えテーブルには果物やお菓子があふれ、みんなが持って回るお線香の煙でいぶされそう。
以前は天井から巨大な螺旋型の線香が下がっていたと記憶していたが、ここじゃなかったのだろうか。

ぐるっとお寺を一回りしたら、また屋台街に突入。
 こちらは食べ物ばかり
 
  
果物あり、豚足あり、するめあり。
 日本名店チユーソ?

そんな屋台を掻き分けてたどり着いたのはこちらの有名かき氷屋さん。
  
カウンターには魅力的なトッピングの数々が並んでいるが
 ここは念願の八宝氷。
あずきやら緑豆やらタロイモやら、淡い甘さにコンデンスミルクがおいし~。
おじさんもおばさんも、みんなこれを食べている。

かき氷とは言え、豆や芋でお腹はいっぱいになっちゃった。
  
こちらのアーケード夜市にはさらにお店が並んでいたけれど、一つの胃袋にはもう入りません。

龍山寺、また胡椒餅を食べに行こうか。


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スリランカから戻りました

2011-05-09 01:13:42 | 南アジア
スリランカから無事戻りました。

5年半ぶりに訪れたスリランカは2004年の大津波による被害の痕跡もほぼ消え、内戦もようやく終わって観光客が戻り始め、将来への明るい見通しに国全体がほっとしているように見えた。

実際、どこの観光地にもヨーロッパ人が大勢来ており、GW中とあって日本人観光客も予想以上に多く見られた。今回総勢4名の我々もそうだったが、ほとんどはドライバーとガイドをつけた個人手配。経済的にそれが可能で、しかも非常に気分よく、スムーズに旅ができるスリランカはこれからの旅行先として大いに有望ではないだろうか。なにしろ世界遺産はある、ジャングルサファリはできる、ビーチはある、アーユルベーダはできる、と観光資源は豊富なのだから。

そんな明るいムードに最近影を落としているのが国連による報告書。
内戦の末期に政府軍、タミル・タイガーの双方に戦争犯罪があり、再調査の必要があると勧告しているのだが、それがせっかく落ち着いてきたシンハラ人、タミル人の対立を再びあおるとスリランカ国内では大反発しているのだ。

そんなわけでこれはキャンディ市内で見かけたポスター。
 
虎の顔がなんと潘基文国連事務総長になっている。

とは言え今回の旅行中に不穏なことは何一つなく、とにかくのんびりとこの国の良さを味わうことができた。
帰ってきたばかりだけれど、スリランカはリピート必至、と断言しよう。


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