Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ケララでアーユルベーダ 4

2007-09-30 01:22:36 | インド
ソマティーラムに滞在中の一日、車をチャーターして観光に出かけた。


トリヴァンダラムを出て南に向かうとすぐにタミルナードゥ州に入るが、州境にケララ様式の木造王宮、パドマナーバプラム・パレスがある。
 18世紀に作られたというトラヴァンコール王国の王宮はチーク材の2階建てで、敷地は広いがいくつもの建物が渡り廊下で繋がった形なので威圧感はない。
 
 中に入ると木の格子窓が作る影が美しく、風通しのよさがいかにも南国に相応しい。
 天井も見事だが、日本から行くとなんだか懐かしいような風情。
 
ただし敷地の真ん中にある礼拝所は石造りで、ここはやはりインド。

派手さはないが日本人にはなじみやすい、素敵な王宮だ。

さらに南に下り、スチンドラム寺院。
 ここはまったく知らなかったが、かなり大きなお寺で参拝者も大勢来ていた。異教徒も入れるが中は撮影禁止。叩くと音の響く柱(ハンピみたい)があったり、夜には灯明のともる柱がずらりと並んだ回廊があったり、結構見所があったと思うが、お寺のガイドに早足で紹介されて記憶があやふやだ。

お寺を出るとすぐにカーニャクマリ。岬に行く前にまずは腹ごしらえ。
 このターリは品数の多い豪華版だ。

カーニャクマリではボートに乗って沖合い500メートルのヴィヴェカナンダ・ロックヘ。

アラビア海、インド洋とベンガル湾が一つに交わる海に浮かぶ岩には19世紀の宗教家ヴィヴェカナンダの立派な記念堂が建ち、 

隣の小さな岩にはティルヴァルヴァーという聖人の像が建っている。

ここはインド人にも大人気の観光地で、ちょうど日曜だったこともあって大変な人出。記念堂の周りに行列ができているのがわかるだろうか。これはフェリーに乗るための行列。この行列に加わるために岩まで行ったような感じで、3つの海が交わっているという感慨も特に湧かず(所詮人間が勝手に名前をつけた海なのだから当然)。日の入りでも見ればまた印象が変わったかもしれないが、夕方はさらにすごい人出になるということなのでさっさと撤収する。

途中の町ではお茶ストップ。
  
  
なにやらなまはげのようなお祭りの行列にも出くわした。

一日でも盛りだくさんのドライブだった。

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ケララでアーユルベーダ 3

2007-09-28 22:24:04 | インド
アーユルベーダ・リゾートでの一日

朝、日が昇るとともに自然に目が覚める。アラームなどで起こされるのとは違って爽やかな目覚めだ。

海を眺めながら風の通るレストランへ。体質の判定のあと、それぞれに合ったメニューのリストをくれるのでそこから食べたいものを選んでオーダーする。
南インドは朝食メニューがたくさんあって楽しい。
 右下はセモリナ粉とスパイスを蒸したウップマ。その隣は米の粉のクレープ、アッパム。その上は米粉とココナッツを蒸したプットゥ。それぞれプットゥの隣に見えるバナナ・シチューや野菜シチューをかけて食べる。
 豆の粉のクレープ、ドーサ。これはサンバルをつけて食べる。
 ソマ・スペシャル・ブレックファストはフルーツにナッツ、ココナッツ、もやしがのっていて私のお気に入り。その隣はなんだか忘れてしまった。
フレッシュジュースもいろいろあって、にんじんジュースの隣は生姜ジュース。生姜の絞り汁そのまま!
 友人の処方されたジュースはなんだか泥色。これは木の根を絞ったような味(?)だった。

不思議なジュースにきゃいきゃいいいながらのんびり朝食を食べているとじきにヨガの時間。着替えてヨガのホールへ。
 
 先生は御年70歳。でも鍛えているので体が柔らかい。生徒のレベルに合わせて内容を決めてくれるので気持ちよくヨガができる。

90分のヨガ・レッスンが終わるともうお昼。でまたレストランへ。
 ベジタリアン・ターリとか
 カレーとサラダとか
何を頼んでもおいしい。

のんびりとお昼を食べてお茶を飲んでいるとマッサージの予約の時間。
ガウンに着替えてアーユルベーダ・センターへ行き、3時間ゆっくり。
終わった後はオイルまみれになるのでゆっくりシャワー。
風呂上りにコテッジの前で涼んでいると日も暮れて夕食の時間になる。

夕食は毎晩ビュッフェ・スタイル。メニューからオーダーしてもいいのだが、ビュッフェにおいしそうなものがたくさん並んでいるのでそちらに惹かれてしまう。ビュッフェのものはほぼすべてベジタリアン。それぞれにどの体質にいいかが書いてあるので自分に合ったものを選べばいい。
食べるのに夢中だったらしく、ビュッフェの写真がないのが残念。

食事が終わる頃になるとほぼ毎晩イベントがある。
 
伝統的なインド音楽の生演奏。なかなか迫力があって楽しめる。

これが終わって部屋に戻るのが10時ごろ。部屋にはテレビなどなく、のんびりしていると自然に眠くなるのでさっさとベッドにもぐりこむ。

健康的な一日は退屈する暇もなく過ぎるのだった。

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飯倉でお寿司

2007-09-27 19:44:16 | 食べ歩き
シンガポールから遊びに来た友人夫妻がお寿司を食べたいというので六本木近辺をネット検索。迷った末にこちらをトライ。

ぐるなび - “のどごし”を愉しめる本格江戸前鮨 魚旨処 まつばら

飯倉の交差点に面したところ。
引き戸を開けると真っ白な内装にガラスのカウンター。寿司屋と言うよりカフェバーみたい。
 
おなじみのガラス・ケースもなく、ネタは奥の木箱の中。

初めてのお店だし、外人が一緒なのでコースをお願い。
 まずは付けだし。
ガリが真ん中に入った白身魚の昆布巻きがおいしい。

このあと、塩とスダチで白身のお刺身、焼き物が出て、さらにお刺身

かわいいお皿に5品盛り。いわしもミル貝も新鮮でおいしい。

さらに甘鯛の道明寺蒸しが出て、にぎりが7品。
ここの酢メシは赤酢を使っていて、ネタにも必ず塩や煮きりをかけてある。
にぎりはとても小ぶりで一口で食べやすく、ご飯は口の中でほろほろ崩れる。東京のお寿司はこうじゃなきゃね。

最後にりんごのワイン・コンポートが出ておなか一杯。

提携している築地の仲買から仕入れるという魚、特に白身がおいしいし、控えめなご主人もとても感じがいい。店のインテリアは正直、趣味ではないけれど、この立地、この内容でコース8000円はリーズナブル。
六本木で使える店を見つけた。

ところで友人のだんな、脱サラをしてシンガポールで漢方茶カフェを始めたそうな。体にいいお茶と漢方食材を使ったデザートのカフェとか。
シンガポールへお越しの節は寄ってみてください。

YOSHIDEN  伏之堂
101 Thomson Road, United Square
B1-K2 (basement), Singapore

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ケララでアーユルベーダ 2

2007-09-26 01:29:01 | インド
 ソマティーラムでのアーユルベーダ・トリートメントは診察室でドクターの診察と問診に答えることから始まる。
 

まずはA4用紙で4枚ほどの質問票の記入。現在の体調、既往症から食べ物の趣味、眠りの状態、セックスの回数まで!あとは脈を見て、触診。
「で、何日滞在するの?」
5日、と答えたら鼻で笑われてしまった。
アーユルベーダの効果を得るには本当は2週間は続けないとだめなのだそうだ。

でもまあ、一般的ストレス解消ということでプログラムを組んでもらい、体調維持に関するアドバイス。
 体質的に避けたほうがいいもの、食べるとよいものなどが手書きでびっちり。
自分の体質はピッタ・ヴァータで、生のりんごやキャベツ、そばはよろしくなく、生のトマト、たまねぎ、なすもあまりおなかに良くないらしい。

マッサージなどのトリートメントは時間予約制。前日に受付で予約をし、決められた時間に行くと係りの人が迎えに来てくれる。
 マッサージ部屋は受付からはかなり離れたところにあり、すべて個室。男性には男性、女性には女性の担当が付く。
 中はがらんとしているが、意外に風が通って裸でいるとちょうどいい。

中に入って服を脱ぐととまずは木の椅子に座らされる。担当者は二人いて、はじめにお香を焚いてちょっとしたお祈り。つま先に軽く触れてから頭のてっぺんにオイルをたらしてマッサージ開始。左右から二人同時にマッサージをしてくれる。主に頭、肩から背中、腕など上半身のマッサージ。

これが一通り終わると今度は床のマットに横になる。すると1人の担当者が天井から下がったロープにつかまって体重を調整しながら足で全身をマッサージ。足の裏全体、踵などでもんでくれるのだが、足の裏のザラザラ感がちょうどいい刺激で、これが実に気持ちいい。

さらにマッサージ台に移動。横になってまた二人から左右同時のオイルマッサージで全身もみほぐされる。

最後は日替わりでフェイス・マッサージ、シロダーラ、またはスチーム・バス。
 まるで電気椅子のようなこれはスチーム・バス。白いスツールに座ると前の扉が閉められて、頭だけ出した状態で下からのハーブを蒸した蒸気で箱蒸しになる。
 こちらはシロダーラ。ぶら下がったつぼから暖かいオイルが額にたらされる、あれです。

しかしフェイス・マッサージ、シロダーラについては実はあまり記憶がない。というのもこれが始まるとほとんど同時に意識がなくなっていたようなのだ。気がつくと終わっている。あまりの気持ちよさに得したような、損したような。

 
全部で大体2時間半。終わったらガウンを着せられてまた受付へ。敷地内で採れるココナッツを飲みながら翌日の予約をして終了。

思い出すだけでも気持ちが良くてアルファ波が出そうだ。

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ケララでアーユルベーダ 1

2007-09-25 01:25:11 | インド
デリーのアーユルベーダの話が出たので、次は本場ケララのアーユルベーダで行こう。

2003年12月25日から2004年1月4日 ケララ州の旅

ケララへはシンガポール経由、シルクエアでトリヴァンダラムヘその日のうちに着ける。
夜中に着いたので初日の夜は市内のホテルに宿泊。翌日の昼近くにアーユルベーダ・リゾートに移動することになった。

一日目、午前中時間があったので市内の公園の中にあるネイピア美術館へ。
  
  
1880年、イギリス人のチザムによって設計された建物だが、複雑な屋根や細部の装飾がケララ風でとてもおもしろい。外から見ると大きなお屋敷のようで部屋がたくさんありそうだが、中は体育館のように一つの広いホールになっていてちょっと驚く。たいした展示物はなくて、ここは建物を愛でる美術館。

昼前に迎えの車が来て、30分ほどでコヴァラム・ビーチの先にあるソマティーラム・ビーチリゾートへ。
Welcome to Somatheeram Ayurvedic Beach Resort

広い敷地は高台から眼下の砂浜まで斜面になっていて、そこに小さなコテッジ風の部屋や、古い民家を移築した部屋が散らばっている。
今回、旅行会社に手配を任せたら飛行機の座席が確保できるまで部屋の予約を入れてくれなくて、おかげで5泊なのに3回も部屋が変わることになってしまった。
 これは一泊目の民家。2部屋続きの長屋になっているが、ここは風が通らなくて夜、ちょっと寝苦しかった。
  
こちらはコテッジ。丸い建物は外から見るとおもちゃみたいだが、中は意外に狭さを感じない。ちゃんと温水シャワーと水洗トイレが付いて快適。
 眺めもいい。

宿泊しなかったがビーチフロントにはこんな建物もある。
 
これも古い民家を移築したもので真ん中は坪庭のようになっている。周りに4つほどの部屋、この次はここに泊まってみたいものだ。

荷物を置いたら早速昼食。
 レストランは一番高台にあって、風通し抜群。
 そしてお味も抜群。
初日にいただいたチキンカレー、カシミーリ・チキン、アビアール(野菜のココナッツ炒め)にパラタ(パン)、どれもすごくおいしかった!

夕方、海岸で漁師が地曳網を引いているので見に行く。
 結構な人数で随分時間をかけて網を引いていたが、
 
小魚ばかりでたいした成果はない。これでこんな大人数、食べていけるのかと心配になった。
 だからというわけではないだろうが、浜辺の小さな礼拝所で祈るキリスト教徒の姿。ケララにはキリスト教徒が多いのだ。

アーユルベーダは明日から始まる。

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個展のお知らせ

2007-09-23 17:46:29 | 雑談
私設ブータン友の会・会員番号一番、中谷安子さんは日本刺繍の作家である。

日本刺繍といえば着物や帯の伝統的な柄を思い浮かべるが、彼女はそんなものは作らない。日本刺繍という言葉からは想像もできない独自の世界を紡ぎだす。

言葉では伝えられないので、過去の作品をいくつかご紹介。

 
これは我が家に嫁に来た私のお気に入り、「風来坊気分」。
この靴を履くとどこか遠くに行きたくなってしまうのだ。

   
ピエロと靴は作家お気に入りのモチーフ。

  
こちらは大作とその一部

これも大きな作品のディテール。さらに近づけばこの大胆なモチーフが細かい日本刺繍の手法で刺されていることが分かる。

と写真を並べても、繊細な刺繍の細やかさや微妙な色合いの本当の美しさは伝わらない。
そこで作家久々の個展のお知らせ。

浜松市のギャラリー喫茶 湖風(うみかぜ)にて
10月3日~10月15日(火曜はお休み)
10:00~18:00
湖風 (うみかぜ): 旅行・地域

初日と最終日は作家も顔を見せるとのこと。
浜松はちと遠いですが、ご興味のある方、浜松近辺にお住まいの方、ぜひ足を運んで実物の美しさをお楽しみください。
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ラダック 曼陀羅三昧 11

2007-09-22 19:48:54 | チベット文化圏
8月30日

7時半の飛行機に乗るため、5時にモーニング・コール、6時過ぎにホテル出発。レーの空港でラダッキ達に「またね」と挨拶して別れる。きっとまた来ちゃうからね。

デリーに到着するととたんに湿気が肌にまとわりつく。ラダックの乾燥した空気がもう懐かしい。

本日のお泊りは「クラリッジス」。低層のいい感じのホテルだが、一番奥の部屋にたどり着くまで延々と廊下が続き、部屋も妙にだだっ広い。
 お湯のふんだんに出るホテルで文句を言っては罰が当たるが。

一息入れてから外のレストランへ昼食へ。ビリヤ二のおいしいレストランと聞いたのに、出てきたのはタンドーリ・チキンと辛くないカレー。団体ツアーはこれがつまらない。

食事の後はサロジナガル・マーケットというローカルな市場へ。
  
安い衣料品の店が多く、上野のアメ横のような感じ。地元の人のほかに中国人やアフリカ系の人も多く見かけたらから、きっと本当に安いのだろう。
 義理土産にスカーフを購入。
これが一枚150円とは思うまい。

その後は6年ぶりにクトゥブ・ミナール。
 唯一ミナレットと鉄塔を一緒に収められる写真ポイントというのをガイドさんに教わる。なるほどね。
  
900年前に建てられたミナレットも周りの建築物も、繊細な文様が見事。
だが犬もへたばるほどの暑さ、早々に冷房の効いたバスに引き上げた。

8月31日

インド滞在最終日、ゆっくり朝食を食べてから予約を入れてあるアーユルベーダのマッサージへ。
 
今回はホテルから15分ほどの「アーユルベーダ・ケンドラ」に行ってみた。
Ayurveda Kendra
 
 入り口を入るとオイルとハーブの独特のにおい。これよ、これ。
ここは本格的なアーユルベーダ施術院なのだが、観光客用メニューはもう決まっていて、診察などはなし。同行したお姉さま方の希望通り、10種類のオイルを使った全身マッサージとシロダーラ・コース、1時間15分で2100ルピー。
1人づつ個室に通され、
 
木の台の上で4人がかりで全身油まみれにしてくれる。
マッサージはとても気持ちがいいのだが、ここはシロダーラと同時進行してしまうため、気が散ってあのフーッと気が遠くなるような気持ちよさが味わえない。シロダーラはやはり別にやってほしいところ。

ここはシャワーがないので、熱いタオルで体を拭いてもらったら髪からオイルをたらしながらホテルへ直行。オイルにまみれた髪はその後一週間ぐらいしっとりしていた。

その後、いつものレストランでいつものカレーを食べてツアー終了。
飛行機の時間までホテルでブラブラして、むちゃくちゃ運転の下手なタクシーで空港へ。

今回のラダックも大満足の旅行でした。

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ラダック 曼陀羅三昧 10

2007-09-21 15:57:37 | チベット文化圏
8月28日 続き

午後3時ごろにキャンプに帰り着き、冷たい川水で体を拭いたりして一息、昼寝でもしようかと思うがテントの中は暑くていられない。表で目の前の岩山など眺めてぼーっとしていると笛の音が聞こえてきた。キャンプ場の上に住むじいちゃんが満月の夜、恋人のために吹く曲というのを披露していたのだ。おだてたらさらに歌まで披露してくれて、隣の愛妻81歳が照れる。
  
 
こちらは現地旅行社の社長とその新妻。インドと中国の血を引くマレーシア生まれのオーストラリア人小児科医の奥さんはすごい美人。この笛でゲットしたわけではなさそうだが、やるなラダッキ。

遊んでいるうちに夕食。今夜はデザートにケーキが出た。
 オーブンもないキャンプ地で見事な焼き上がり。ネパール人シェフはすごい。

8月29日

朝食を食べてキャンプ場とさよなら。一昨日来た道をスムダ・ドの車道まで戻る。
車にピックアップしてもらってザンスカール川をさらに遡りチリンという村へ。17世紀にネパールからつれて来られた仏師の子孫が住み着いたという。
 
丘の上の小さな村に小さな学校が一つ。生徒が何人かいるだけで村人の姿もあまり見えない。
  
村一番の銅細工師を訪ねるも、仕事はほとんどしていない様子。仕事場にぶら下がっていた犬の毛皮のふいごにちょっと驚く。

見所のないチリンを離れ、レーへと戻る。
途中、先日の説法会があったフィアン僧院への道に入り、大きな僧院のさらに奥にあるオールド・フィアンという村へ。

この村の丘の上のゴンパに古い壁画が残っているという。
 
僧侶もいない小さなゴンパだが、入り口のパネルによると修復の手は入っているらしい。
 中にはきれいなチョルテンと小さな仏像、周りの壁は赤を基調としたサキャパ様式の壁画。13~14世紀、あるいはもうちょっと新しいものかもしれないが、保存状態がすばらしく、色鮮やかだ。
 
 特にヤブユム(合体仏)が迫力。
だがここ数日カシミール様式の逸品ばかり見てきたので、もう一つ気持ちが乗らない。すっかり贅沢になってしまった。

僧院を見学した後、麓の鍵番のお家でお茶をいただく。
 新築したばかりの大きな家で、台所も立派。
  
きれいなお嫁さんにいただいた固いパンがおいしかった。

レーに戻り、三度同じホテルにチェックイン。
夕食の後、一週間同行したラマジーとお別れ。ラマジーとしてはもっとみんなに仏教の教えに関する質問を期待していたらしいが、う~ん、質問を考えるのが難しい。でもちゃんとお話は伺いましたよ。ありがとうございました。

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ラダック 曼陀羅三昧 9

2007-09-19 15:18:25 | チベット文化圏
8月28日

朝、ツァンパを食べてトレッキングに出発。めざすはリンチェンサンポ創建の寺が残るスムダ・チュン。距離的にはおそらく10キロもないと思うが、なにしろ出発点の標高が3500メートル、目的地が3940メートル、その上こんな道↓
 で日陰もないのでちょっと大変。
 それでも朝は山が影を作り、空気も爽やかで気持ちいい。
  
先導のラマジーはジモティーなのでガレ場の坂道もガンガン歩く。こちらはついて行くのがやっと。30分毎の休憩もラマジーにはまだるっこかっただろう。道端に生えているとげだらけの木の小さな実が食べられることなど教えてもらう。レイベリーというこの実、アセロラのようにすっぱくてビタミンが豊富そうだ。

2時間強歩いたところでようやく目的地が見えてきた。
  
一番上の白い建物が目指すスムダ・チュン・ゴンパ、その下の建物は民家だ。

ここから寺までは急な登りだが、壁が待っていると思えばがんばれる。キャンプ地から3時間でスムダ・チュンに一番乗り。
 
いつものごとく鍵番をまず探さなければならないので、初めにお堂の後ろのチョルテンを見に行く。
  
壁が一部崩れてしまっているが、中にはツァツァがたくさん転がり、壁には退色した曼陀羅、天井も見事なラテルネン・デッケで、昔はアルチと同等の寺だったというラマジーの言葉がうなずける。
 本堂の規模は小さく、表は質素だが、中に入ると
 正面の仏像がすごい。
表の小さな仏像は最近のものだが、ガラス扉の向こう、壁一面を覆いつくす立体曼陀羅は11世紀のものだ。
  スピティのラルン・ゴンパの彫刻をもっと華やかに大規模にした感じ。写真を撮るのが難しくて、全体像が伝えられないのがもどかしい。

さらに壁には曼陀羅。右手の絵は新しいものであまり良いものではないが、左手の曼陀羅はまぎれもないカシミール様式。
 懐中電灯がなければ何の絵かも定かに分からないほどの暗さだが

このブルーの色と細部が素晴らしい! 
 

本堂の両脇には大きな立像の入った小堂がある。マンギュと同じつくりだ。
  
左手は黄色いチャンバ、右手は白いチェンレジ。どちらもたれ目で愛嬌のあるお顔。

ずっとこのお寺を見ていたかったがそうもいかない。
 後ろ髪を引かれながら山を降りる。

帰り道の途中でキャンプ・スタッフが昼食を用意してくれていた。
 暖かいスープまで用意された豪華メニューがありがたい。

帰りは下りだから楽勝と思いきや、砂地に小石だらけの下り坂は気が抜けず、最後のキャンプ地の手前が急な登りで、結局2時間半かかってヘロヘロになって帰り着いた。

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ラダック 曼陀羅三昧 8

2007-09-18 00:14:01 | チベット文化圏
8月27日

午前中、フィアン僧院で高僧の特別な説法会があるというのでそれをのぞきに行く。
レーの町から30キロ弱、普通だったら1時間もかからずに着くはずなのに途中で車が大渋滞している。説法会へ行く車が多く、狭い橋のところで詰まってしまったのだ。

会場の回りも車で一杯。いまやラダックも車の時代なのだ。

丘の上の僧院の麓に説法会のための真新しい建物とテントが張られている。
 会場は老若男女で一杯。
 外人専用席というのもあって、こちらでは説法の英語訳が流れる。今回は台湾の信徒がスポンサーとか。
 そしてこれが今回の主役、ツェツァン・リンポチェ。チベットから亡命した転生ラマとのこと。
  
正面はお坊さんの赤い海。若い小坊主も年取ったお坊さんも序列などはないように見える。お説教が続く中、会計係がお布施を配って歩く。年齢に関係なく、みんな10ルピーづつ。お布施をする人もこの会計係にお金を渡すが、数える風もなく頭陀袋に放り込む。実にアバウトだ。

さて、この日のお説教は「ポアについて」。某ニセ教祖のおかげで有名になってしまった言葉だが、この日のお話によると:

あるチベットの王様の友人が、ある日自分の過失から家を火事にしてしまい、家族、使用人、家畜を大勢殺してしまった。責任を感じたこの人は良心の呵責に非常に苦しんだ。これをみかねた王様がパドマサンババに相談したところ、師は亡くなった者の魂を昇華する方法を授けた。

とイントロだけはちゃんと聞いたが、後は同時通訳が聞きづらくて肝心の説法は聞かずに遊びに出てしまった。
  
会場の回りは十重二十重の人の群れ。みんな家族連れで来ていて、まじめに聞いている人もいるがなんとなくピクニック気分。露天も出ていてちょっとしたお祭り。だがこういう説法が大イベントというところ、ここでは本当に仏教がまだ生きていると感じる。

昼食のため一度レーのホテルに戻り、また同じ道をたどってインダス川とザンスカール川の合流点へ。
 黒っぽい方がインダス川、白く濁っている方がザンスカール川。

冬は峠が雪で閉ざされ、ザンスカールへの唯一の道「氷の回廊」となるザンスカール川の川べりを最近作られている道路を伝って20キロほど、スムダ・ドという小さな集落まで遡る。

この氷の回廊、昨日NHKのBS1でフランスのドキュメンタリーをやっていたが、冬はこの濁った水がものすごく透き通った深いブルーになるので驚いた。見てみたい!

スムダ・ドからは3キロほど歩いてキャンプ場へ向かう。たった3キロなのだが・・・
 こういう道。
たちまちグループがばらけてしまう。小一時間かかってようやくキャンプ場に到着。
 
 入り口には杏がたわわに実り
 地主のおじいちゃん、おばあちゃんがお出迎え。
  
キッチンではシェフがモモを準備中。用意された鍋釜、食材の多さに驚く。
  
そしてテントの中には2枚敷きのマットに寝袋、シーツ、枕、ふわふわのタオルに懐中電灯まで用意されている。ここまで至れり尽くせりのキャンプははじめて。
 食事ももちろん豪華版。食べきれないほど品数が多くて、今回の旅行で一番おいしい。これでも箱をいくつか谷底に落としてしまって、全部用意できなかったんだって!
 満月前夜の月が明るすぎて、降るような星が見られなかったのだけが残念、とは贅沢すぎ。

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