Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

冬の長野 3 七味温泉

2012-12-30 20:43:58 | 国内旅行
12月25日

宿の前からまた山田温泉行きのシャトルバスに乗り、200メートル標高の低い七味温泉で下車。

 
雪で覆われた橋の向こうに旅館が2軒、他に日帰り入浴施設が2軒ある小さな温泉地。ここで立ち寄り湯をしようと言う魂胆。

まずは左手にある一番大きな旅館に行ってみようと歩き出す。
ところが右手にあるきれいだけれど営業している様子の感じられない「紅葉館」というお宿の看板に「エメラルドグリーンの湯、乳白色の湯、炭の湯」とあるのを発見。これはもしや日によって色の変わる温泉、ならばぜひ入って見たいと玄関に近づいてみるとちゃんと日帰り温泉の案内が出ている。
  
しかもドアには「タヌキ(ぽんぽこ)が入るので注意」の張り紙。これはちょっと期待できるかも。

 入って見ると広々と明るいロビー。出てきた女将さんもとても感じが良い。

次のバスまでは2時間のはず、ここでゆっくりさせてもらおうと念のため次のバスの時間を確認すると、なんと平日のため次は4時間後だという。げげっ、計算外。タクシーを呼んでもらうことも考えたが、須坂から呼ばなければならないし、女将さんももったいないと言う顔をしている。
これはここの温泉をはしごしよう、ととりあえず宿のお風呂に案内していただく。

お風呂場は建物の一番奥、女将さんが内湯の扉を開けると
 おお、期待通りのグリーンの濁り湯。
含食塩石膏硫化水素泉だそうだが、「うちは源泉かけ流しですから。でも熱いので好きにうめてくださいね」としばらく誰も入っていなかったのだろう、冷たい水を出して行ってくれた。

内湯が入れるようになるまでには時間がかかりそうなので、それではまずは露天へ、と内湯の奥にある扉を開けると
   
しばらく狭い通路が続き、その先に膝ぐらいの深さの浴槽。その先は洞窟になっていて、さらにそこを抜けると
 
屋根のかかった広々とした露天。20人ぐらいは入れそうな広さにきれいなグリーンのお湯は適温。
 空は青く、回りの山は真っ白で、最高!

頭が冷えるのでのぼせることもなく、他にお客さんもこないのでこのお湯でまったり。たっぷり1時間入らせていただいた。
出る時に声をかけたがお掃除中の女将さんは顔を出されることもなく、どうも一人で宿を取り仕切っている様子。
満山荘さんもよかったけど、このお風呂なら次は紅葉館に泊まりたいなあ。

などと言いつつ、バスまでまだたっぷり時間があるので、次は橋の手前、川沿いにある立ち寄り湯の「恵の湯」へ。
 
ここは橋の向こうに見えた大きな旅館、「渓山亭」の経営なのだが、こちらに券売機があり、軽食のとれる休憩所もある。
もう一風呂、の前に水分補給と自販機のジュースなど買っていたら、係りのお姉さんは休憩所に招き入れて暖房をつけてくれた。親切に感謝しつつ、ここでまたのんびり。

見ているといかにも温泉マニアらしい若いお兄さんたちがぽつぽつと男湯の方に入っていくが、女性の姿は見えない。
 これはまた貸切状態、と期待しつつ女湯へ。

 
暖簾の先、扉を開けると右手に広々として暖房完備の脱衣場。
 その奥にはシャンプー類も揃った内湯もあり、しかしこのお湯も熱いので
 案の定誰もいない露天風呂へ直行。
ここは紅葉館の露天よりさらに大きく、3、40人は入れそう。

こちらのお湯は紅葉館とは違い、足元も見えない真っ白の濁り湯。硫黄泉だが、成分の影響で足裏や手のひらなど、底の沈殿物が付くと黒くなる。湯温は41℃ぐらいだろうか、ぬるいので湯口の近くに陣取り、おそらく0℃以下の気温の中、首までどっぷり浸かって友人とおしゃべり。

こちらにも1時間以上浸かり、仕上げには内湯の熱いお湯に入って、あがればちょうどバスが来る時間。
4時間もどうしようと思ったのがウソのように、すっかり長湯をしてしまった。
それもこれも入った2つのお湯がそれぞれちがい、しかしどちらもすごくいいお湯だったから。
やっぱり七味温泉に立ち寄ったのは大正解だったわ~。

シャトルバスに乗って山田温泉に戻り、
 立派な公共浴場の「大湯」の写真など撮っていると須坂行きのバスがやってきた。

今夜の宿へはこのバスでいいはずだが、経由がちょっと気になるので観光案内所で念のために聞いてみると、「ああ、このバスは経由が違うので行きませんね。次のバスは2時間後です」とまたまた計算違い。

「大湯」に入ってもいいが、宿に入るのが遅くなるし、と友人と顔を見合わせていると「宿に電話入れましょうか」と観光案内所のお姉さんが親切に言ってくれて、お迎えまで頼んでくれた。
皆さん本当に親切だ。

そこでお迎えが来るまで観光案内所のある「信州高山アンチエイジングの里」でおやつをいただく。
 
カップに入っていた「シャインマスカット」は皮まで食べられるブドウで、これが甘くてすごくおいしい。
この村で作られているというそばアイスもそば茶のかおりとそばの粒粒がいい感じ。

そうこうしているうちに今夜の宿の女将さんが迎えに来てくださった。
恐縮しつつ宿へ向かう。


 
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冬の長野 2 奥山田温泉 「満山荘」

2012-12-28 19:00:10 | 国内旅行
12月24日 続き

さて、ようやくたどり着いた今夜の宿は奥山田温泉の「満山荘」
 雪に覆われた階段をすべらないようにおっかなびっくり上る。

玄関を入ると正面には小さな「帳場」。その脇にはいくつもの椅子の置かれたロビーがあって、こちらで受付をする。
  
この宿中に座り心地のいい椅子がたくさんあって、ここのご主人は椅子フェチかしら。

ご主人からてきぱきと説明を受け、若いお兄さんに案内されて2階の部屋へ。
  
細長い部屋の畳部分にはすでに布団が敷かれ、座卓と籐椅子の向こうには大きな窓。
広くはないが機能的で居心地がいい。

夕食は6時からと決められているので、急いでお風呂へ向かう。
 夕方の女風呂は湯上りロビーの奥にある障子の向こう。
 
開けると長い廊下が伸び、別棟に入ったところに浴室がある。
 あまり大きくない脱衣場にも椅子がたくさん置かれているのがおもしろい。
 こちらの内湯は5人も入ればいっぱいになりそうな四角い浴槽。お湯は白い湯花のたくさん舞う薄濁りで、硫黄の香りがぷーんとする。43,4℃でちょっと熱めのお湯が冷えた体にちょうどいい。
この内湯の外には同じような大きさ、形の露天もあるのだが、こちらはお湯がぬるいのであまり入っていられなかった。

お風呂を出るとすぐに6時。お腹もちょうどいい具合にすいたので、早速1階の食事処へ向かう。
 ここを入ると部屋が3つ並んでおり、名前を告げて決められたテーブルに着く。

 案内されたテーブルは大きな窓に面して斜めに置かれ、すでに華やかな料理が並べられている。
そして食事開始が6時からと決められているのはご主人と奥さんの二人で10卓すべてに料理を運び、説明をするから。各テーブルごとにしている暇はないので、まとめて運び、まとめて説明するのだ。

とは言え奥さんが担当と言うお料理は素晴らしい。
初めにテーブルに並んでいたのは
 ビーツとじゃがいものなます、サラダ、合鴨のスモーク、生ハム。
 
たっぷりの野菜とともに盛られた信州サーモンに竹の子、生湯葉。面白い器に入った牛乳豆腐は甘くない牛乳プリン。

どれもさわやかでおいしいのだが、これらを食べている間にもどんどんと揚げたて天ぷらが一つづつ運ばれてくる。
フキノトウ、タラの芽、こごみは季節には早すぎるがどうなっているのやら。
 どれもさくっと見事な上がり具合だが、特にリンゴの天ぷらは甘くておいし~。

さらに料理は次々に運ばれてくる。
 
クリーミーな十六穀米のスープに、ジェノベーゼ・ソースがいい香りの岩魚のフライ。
 
お吸い物は冬瓜と牛ヒレ、トマトの乗った茶わん蒸しの底にはチーズが隠れていて、どの料理にも洋風の要素が入っている。
 
野沢菜茶漬けはもうお腹がいっぱいで完食できなかったが、デザートは別腹。料理に比べて地味だな、と思ったこのアイスクリーム、リンゴ果汁に果実も入って絶品。近所の作業所で作っているとのことだったが、さすがリンゴの産地の高山村。これ、売りに出してくれればいいのに。

目にも舌にも満足度の高い食事を終え、部屋でごろごろしていると暖房を効かせているとはいえ寒くなってくる。
というわけで10時に入れ替えになるもう一つのお風呂へ。

 
こちらはのれんをくぐるとすぐに階段を降り、その先に浴室がある。
 
内湯の写真は朝撮ったが、こちらの方が広く、外の露天も大きい。
今度は露天が適温だったので外でまったり。いつの間にか晴れて月と星がよく見え
 お風呂から身を乗り出せば遠くに長野市の明かりも見える。

ぐっすり休んだ翌朝も天気は快晴。
 おかげでいささかガスってはいるものの、部屋の正面、長野市の向こうに北アルプスも見えた。

朝食は昨夜と同じテーブルでセルフのビュッフェ。
野菜の多い夕食だったおかげでしっかりお腹が空いている。
 
たった10室の宿とは思えない充実の品ぞろえ。
 おいしいリンゴジュースもいただいて満腹、満足。

クリスマスとはいえ、翌日は平日なのにこのお宿は満室。
洋風が入った食事はありきたりの旅館の食事とは違い、目にも華やかでとても楽しい。
椅子の多い館内は白木の床など裸足にも心地よく、しかしプロのデザイナーの洗練されたインテリアではなく、館主が工夫をしている感じがしてそれもいい。
惜しむらくは家族だけで満室の接客をしなければならないため、いささか余裕がない様に感じられるところだが、83歳と言う先代が食事時に顔を出して愛想を振りまくことでちょっと挽回しているだろうか。

1泊18,500円は近頃の自分にしては高級な宿だったが、人気の理由が納得できる「満山荘」だった。


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冬の長野 1 善光寺参り

2012-12-27 19:46:42 | 国内旅行
2012年12月24日から26日 長野温泉旅行

12月24日

昨年に続いて今年もクリスマスは女友達と温泉に行くことになった。
はなはだ色気がないが、楽しいので仕方がない。

今年の行先に選んだのは長野。
少しでも安く上げようと、往きは新宿からの高速バスにする。

トンネル事故の影響で大変な中央道とはちがい、上信越道はスイスイ。
  
クリスマスっぽいクッキーを食べ、横川SAで買った濃厚なプリンを食べているうちに雲一つなかった関東を抜け、小諸を過ぎたあたりから路面に積もってはいないものの、小雪が舞いだした。

3時間50分で予定通り善光寺大門に到着。
  
着いた早々、そば屋に直行。寒いけどやっぱりおそばは冷たいのが好き、と十割そばを普通のつけ汁、とろろ、くるみ汁でいただく。コシが強くておいしい。

腹ごしらえができたところで来年の無事を祈りに善光寺さんへ。
 立派な仁王門がそびえるが
 
その手前にはお地蔵さんとむじなさん。書かれている通り、むじなの頭を撫でて仁王門をくぐる。

 
仁王門の内にはいかにもな土産物屋さんが軒を連ね、休憩所にはちゃんと牛もいる。

 そして三門をくぐると
  
降りしきる雪の中に善光寺の本堂。1707年に建てられ、国宝に指定されているという建物はさすがに立派だ。

お賽銭を上げ、悪いところを撫でると治るというびんずる尊者さんのつるつるになった木造をまた撫でて、境内をそそくさと一周。
  
経蔵の中におさめられた大きなマニ車のような輪蔵を眺め、その手前の石車をまたクルクル。
いろんなものを撫でて善光寺参り終了。

バス停の前には巨大な唐辛子のぶら下がる有名な七味唐辛子の店。
 
唐辛子入りのマカロンやらハンドクリームまで売る商売上手なお店でやっぱり七味を買ってしまう。

長野駅へはバスで10分。
地下にある長野電鉄の駅から特急ゆけむり号に乗り込む。
 車内には中華系やら白人系やら、外国人がいっぱいでちょっとびっくり。どこへ行くのかと思ったが、あとで聞いたところでは終点の湯田中から先の地獄谷温泉のお風呂に浸かる猿が大人気なのだとか。

我々の目的地である須坂まではたったの16分、のはずだったのだが、車両故障があったとやらで出発が遅れ、途中でも停車が多くて結局30分以上の遅れ。
おかげでバスの接続が悪くて須坂の駅前でスーパーを覗いたり、コーヒーを飲んだりして1時間以上つぶし、やっと山田温泉行のバスが出発。

 須坂の街をはずれ、標高が上がって高山村に入るとまわりはリンゴとブドウの畑ばかりになる。

 40分で到着した山田温泉からはさらにスキー客のために冬場だけ運航しているシャトルバスに乗り換え。

 さらに標高が上がると道は真っ白、木の枝にも雪が積もっている。

 スキー場や他の温泉を経由しながら、ようやく標高1500メートルにある目的地にたどり着いたのは日も暮れた午後5時。

長野の温泉は予想以上に遠かったのだった。


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渋谷で和食 「久原」

2012-12-22 12:26:28 | 食べ歩き
以前一緒に仕事をしていたイギリス人が久しぶりに日本に来ると言うので急きょ和食屋探し。

年末のこととて目当ての店2軒はいっぱい、宿泊先が渋谷なので考えてみるが、子供の街なので思いつくところがない。

仕方がないので「食べログ」に頼って、勘でこちらを選択。

「小料理 久原」

場所は渋谷駅前から明治通りをしばらく行き、交番の角を曲がった静かな一角。
テーブルが3つしかない小さな店内はすでにいっぱい、厨房の前のカウンター席に通され、同行者は大喜び。
料理人の手元がばっちり見える席は確かに料理好きにとっては特等席。

お任せコースを頼んでまずはお通し。
 ずいきの煮びたしとは渋い始まり。

 お造りは金目と、あとはなんだっけ。
盛り付けも美しいが、皿の上は花びらもすべて食べられると説明すると外国人また喜ぶ。

 鴨のローストはこれで2人前。とても柔らかくて食べやすい。

 大きなシイタケはこれも2人でシェア。
岐阜産という立派な原木シイタケは入荷量が少なく、自慢の一品らしい。
軽くあぶってほんのわずかにお醤油をたらしただけ、と言う食べ方が素材を生かすにはベストだろう。

 丁寧に身を出された香箱蟹。内子に外子にミソもしっかり。
同行者は何年か中国に住んでいたので「蟹はおいしいけど食べるのが大変なのよねえ」。
剥いてある蟹、最高!

 春菊のおひたしは家庭的な味。

 季節らしいブリ大根もしっかり味がしみている。
東京出身という若いご主人は味付けも関東らしい。

 締めはシラスと大根おろし、三つ葉がたっぷり乗ったわっぱめし。
よく混ぜて食べるとさっぱりしておいし~。

デザートなどはなく、コースはこれで終了。
店名通り小料理、というか、濃いめの関東風の味付けのために家でご飯を食べているような気分になる。
量はかなり控えめなので、男性ではちょっと物足りないかもしれない。
気負った外食などではなく、ごく普段使いにいい店かも。

カウンター席なので料理人とも話ができたし、女将も感じが良くて同行者にも好評。
「あの腰につけている枕も衣装の一部なの?」という質問がまさか帯のお太鼓のこととは思わず面食らったが。

渋谷にも使える店があってよかった。


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石巻の「訳あり魚」お取り寄せ

2012-12-19 22:43:55 | 食べ歩き
東北の「復興デパート」、今度は「訳あり」のお魚ばかりを詰め合わせた「規格外鮮魚詰め合わせ」というのを取り寄せてみた。

母親が「ブイヤベースなるものを作ってみたい」と言うのでその旨を伝えると、「小魚を中心に送ります」との返事。

そして指定した日に届いたのは大きな発泡スチロール箱。
佐川の若いお兄さんが重そうに持ってきた箱を開けてみると
 氷が少し入れられたほかは本当にお魚がぎっしり。
この写真は蓋を開けた状態、このお魚が3段ほども詰まっていたのだ。

添えられたメモには「ヒラメ、ワカシ(ブリの幼魚)、イシガレイ、アイナメ、カガミダイ、チダイ、タナゴ、イシダイ、メイタガレイ etc.を入れました」とあるが、しかとわかるのはヒラメ、ワカシ、石鯛にイワシぐらい。
数えてみたら11種類、36尾も入っていた。

今度の魚屋さんはさばきサービスはないので、母が出刃包丁をふるって端からさばいていく。
台所中血や内臓だらけでスプラッター状態(笑)。

 
で大量の小魚をアラと身に分けて
 アラを玉ねぎ、セロリのみじん切りと煮こむ。
20分も煮るとアラがグズグズになってくるので、これを漉してスープの出来上がり。
 これにサフラン、トマト、魚の身を入れてブイヤベース完成。

適当に作ったし、小魚の身はぶつ切りだったので小骨が邪魔だったが、魚100%のスープは濃厚なダシが出てうま~い。身の方も鮮度がいいので、特に深海魚っぽい種類がおいしい。

ブイヤベースは家族でたっぷり2食分、2匹の鯛は塩焼きにして鯛めしに、ワカシの半身はお刺身、あとの半分と1匹だけ入っていたマナガツオははやりの塩麹漬け、カレイは煮つけになり、イワシはみりん干しになった。

これだけの鮮魚が送料込みで6,000円はかなりお得。
もっとも大量の魚をさばいて料理した母はヘロヘロになって、次はやっぱりさばいたものがいいと言っていたが。

用途に応じて魚の種類は選んでくれるそうなので、魚のさばきに自信のある方はぜひお試しあれ。


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島根再訪 9 有福温泉

2012-12-17 13:41:51 | 国内旅行
11月18日 続き

桜江町を出発し、バスでやってきたのは有福温泉。

 小さな駐車場でバスから降りるとその先は狭い路地と石段。斜面に何軒かの旅館のある小さな温泉町だが、1350年もの歴史があるのだそうだ。

 
石段を上ったところにあるのが公衆浴場の「御前湯」。管理人のばあさんは愛想なしでかわいくないが、建物も番台もまるで古い映画館のようでかわいい。

中の脱衣場も明るく広々。
 階段を降りたところにある浴槽は10人以上でも入れるほど大きく、立って胸元までお湯が来るほど深いところへ真ん中の湯口から滔々とお湯がそそがれている。
お湯は熱からずぬるからずの適温、無色無臭でくせがないがアルカリ性のお湯なので肌がすべすべする。
徹夜で座り続けた身にこのお湯はいい!

ゆっくり入浴させていただき、階段を上がってみると休憩室がある。
 
が、ここは温泉津の「薬師湯」とはちがって本当にただの休憩所。
せっかくのレトロな建物、もうちょっとなにか工夫をすればいいのに。

などと文句を言いつつ、リフレッシュしたところで萩・石見空港へ。
 
一日にANAがたった一便、離発着するだけの小さな空港。
ここでナポリタンなど食べて東京へ。

またも濃ゆい内容だった島根ツアー、ここにはまた戻ってきそうな予感。


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島根再訪 8 大元神楽・後編

2012-12-13 23:47:10 | 国内旅行
11月18日

日付が変わってもお神楽は続く。

 「手草(たぐさ)」は次の「山の大王」を迎えるための神勧請の舞だそうで、一人で演じられる渋い演目。

 そして「山の大王」には山の神様とそれを迎える祝詞師(のっとじ)が登場して掛け合いを演じる。
本来はお国言葉全開で掛け合うのだろうが、遠来の観客を意識して方言を訳してくれたり、地元の人たち向けの内輪の冗談を挟んだり、アドリブで笑いを取って長い夜にスパイスを入れる。

 
丑三つ時に演じられるのは「貴船」。夫に浮気された妻が貴船神社で呪いをかけて鬼女になり、それを夫が安部清明に相談するという、なかなかおどろおどろしい演目。

  
次の「鍾馗」は鍾馗=スサノオノミコトが鬼を退治するという勇ましい一幕。

この後、「天神」と「蛭子(えびす)」という演目があったはずなのだがなぜか写真なし。眠くてぼーっとしていたのだろうか。
「蛭子」は恵比寿様が観客の間から魚を釣り上げるところがコミカルで面白かったのだが。

 「四剣」は名前の通り、剣を持った4人が東西南北の災禍を剣の徳でなぎ払うという舞。
組太刀では跳んだりはねたり、迫力満点。

この神楽が終わるといよいよクライマックス、神懸かり託宣の儀式。
大元神楽が国重要無形文化財に指定され、大学の研究者たちまで集まるのはこの「神懸かり」があるからでもある。
昔は珍しい儀式ではなかったそうだが明治政府によって禁止され、目の届かない山村などにだけ残ったものらしい。
最初に話してくださったおじさんによると舞手の中の3人が神懸かりの候補として選ばれ、もう何日も前から精進潔斎していたそう。
過去3回の式年祭では実際に神懸かりが見られ、一度などは舞手ではなく、見物していたおじいさんが神懸かり状態になったのだそうだ。

 儀式の始めには神職を先頭に神懸かり候補も交えて藁でできた長い蛇を持ってぐるぐるまわる。
蛇を神様の姿とするのは去年見た出雲大社のお祭りと一緒だ。
先頭の神官は急に方向転換をしたり後ずさったりするので後ろの人たちは引きずられて大混乱。
これも神懸かりを呼ぶための神聖な儀式ではあるのだが、見ている分には大層面白い。

 神職による厳かな挨拶の後
 
「五龍王」という陰陽五行説をもとにしたと言う神楽。神懸かりにはなくてはならない舞なのだそうだ。

 そしてまた大きな幣を持った神官たちが場を清めた後 
 神楽の舞手たちが神懸かり候補を一人一人こづきまわし、ぐるぐる回転させて神懸かり状態に持っていこうとする。
まわりにも神楽団の人たちが座っているのは客席に舞手たちが倒れ込むのを防ぐため。
「もっと回せ、回せ」と大きな声が飛び、全員汗だく。回される候補者たちは目もうつろになってふらふらになるまでこづきまわされるが、この段階で神懸かりになることはなかったよう。

 さらに天井から藁蛇がつるされて、これを神職、候補者、神楽団の人たちが大きくゆする。
あまりにも激しくゆするので真ん中にいるおじさんたちなど弾き飛ばされそう。
この段階で神懸かりになることもあるそうだが、結局今年は神懸かりになる人は出ず、神様のご託宣を聞くこともできなかった。
あるいは外部の人間があまりにも多くつめかけたせいかも、といささか責任を感じてしまう。

 最後に注連主が神様に感謝を捧げて、神事としてはこれで終了。

すでに外は明るくなってきたが、この後にもまだ神楽は続き
 
「黒塚」は女に化けた悪い狐が山伏をだまし、武士に退治されるというお話。
途中にコミカルな掛け合いなどあって、神事の後の気楽さにふさわしい。

そしていよいよ最後の演目は「塵輪(じんりん)」。
 仲哀天皇が鬼を退治する話だが
 
巨大な面の鬼が花火とともに三匹も出てきて大迫力。

 こうして無事にすべての演目が終わり、市山神友会の会長さんが最後のあいさつをされたのが朝の9時。

ということでこちらの神社には前日の午後3時から延々18時間も座り込んでいたことになる。
さすがにお尻と脚が痛くなったし、夜中の長い演目の途中ではまぶたが重くなったこともあったが、しかし演目の多彩さ、演じ手の皆さんの真剣さに退屈することはまったくなかった。

神懸かりのご託宣を聞くことはかなわなかったものの、ツアー一同、大満足で桜江町を後にした。


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島根再訪 7 大元神楽・前編

2012-12-11 15:42:35 | 国内旅行
11月17日 続き

石見銀山を離れるころ、ようやく雨が上がってきた。

そして向かったのは車で30分ほどの桜江町と言う小さな町。
この町の市山地区にある小さな神社で行われる大元神楽というのを見学するのがツアータイトルにもある通り、今回の主目的なのだ。

今は生涯学習センターになっている旧小学校前の駐車場でバスを降り、小高い丘を登ると会場となる八幡宮の本殿がある。
 
本殿と言ってもまるで民家のような造りの控えめな建物。
テントなど建って準備は進んでいるようだが、お神楽が始まるのは夕方の5時過ぎ。席取りのために早々と3時に到着したのだが
 神楽舞台正面にはもう20人以上の人たちがしっかり厚い座布団を敷いて座っていらっしゃる。

写真撮影はできないかも、と言われていたが、来てみると高い三脚とフラッシュは禁止ながら撮影自体はOK。最前列を占めているのは立派なカメラを持ったおじさんたち、後ろには町の教育委員会と地元ケーブルテレビのビデオも入り、大学の研究者もかなりいらっしゃるようでみんな撮る気満々。

正面とはいかないが、ちょっと脇の最前列を確保して、神事が始まる前に腹ごしらえ。
 石見銀山で買ってきた箱寿司はやさしいお味。

待っている間にも続々と観客は増える。地元の方たちは座布団に毛布持参。
寒さ対策はある程度してきたが、お尻のことは考えていなかった。バスから薄いクッションを借りて来たものの、固い床にこれから先が思いやられる。

座っている正面は綱で仕切られて、その向こうには紋付羽織姿の地元有力者(?)の方々が座っておられる。
すぐ目の前の方が「どこから来たの?」と声をかけてくださり、東京からと言うと、「出雲の他の神楽は八調子だけれど、ここのは昔ながらの六調子でゆっくりなの。だからちょっと退屈しちゃうよ」と、あらまあ、なご発言。6年に一度しか行われない、その昔ながらを見に来たんです。

待つこと2時間、5時を過ぎていよいよお神楽が始まる。

 まずは「四方拝」で舞台のお浄め。
東西南北の方位に合わせて青(緑)、赤、白、黒(紫)の衣装で舞うのは中国の五行説にのっとっているそう。
舞い手は氏子である市山神友会の方々。

 続いて「潮祓(しおはら)い」で神の降臨を願う。

 「太鼓口(どうのくち)」は舞ではなく太鼓、笛、鉦によるお囃子。
太鼓がずんずん体に響いて迫力がある。

 続く「磐(いわ)戸」はご存じ天の岩戸伝説でこれは天照大神。
ウズメノミコトやタヂカラオも登場して、まさに神楽の原点を見せる趣向。

ここでちょっと脚を延ばしにぎっしりの観客をかき分けて外へ。
  
小さな境内のテントでおばちゃんたちの作るうどんを一杯いただく。
ほかにもたこ焼きの屋台などあり、また本殿に入れなかった人のために内部の様子を見せるモニターも設置されている。

中に戻ると神職による神事が始まっている。
 巨大な幣を振って祝詞をあげたり、日本人の目から見ても「エキゾチック」。

神事の終わりには神様にいろいろな捧げものをするのだが、
 
氏子から氏子へリレーされる品々が立派なものばかり。
大きな大根や白菜に「見事だねえ」と声を上げる地元の方々、これも祭りの原点だと感じられる。

一連の神事が終了して再び市山神友会による神楽の開始。

 
「弓八幡」は宇佐八幡宮の祭神が鬼を退治する舞だが、若武者の二人は中学生の兄弟。弟君が時々お兄ちゃんの方を確認し、互いににこっとするのがむちゃくちゃかわいい!
 この神楽団のみなさんは舞うだけではなくお囃子も担当し、神楽歌も歌う。それぞれの演目は20分ほどあって長いし、演目もたくさんあるので覚えるだけでもどれだけ大変なことか。そんな中、こういう若い後継者がいるとは頼もしい。

 「剣舞」は幣と鈴、扇を持った4人による舞。

 「神武」は「神武天皇の長脛彦征伐」だそうで、この後鬼も2人登場する。

 「御座」は異色の演目。
舞手は半畳のゴザを持って舞うのだが、最後のクライマックスではこれを広げてまるで縄跳びのようにその上を跳ぶのだ。畳の横幅を、それも何回も跳び越すのだからこれは大変。成功した後は大喝采。

この後の「天蓋」も面白かった。
神楽が演じられている舞台の天井にはまるで幼稚園のパーティーのように色とりどりの紙飾りがさがっているのだが、その中から神様の名前を記した小さな箱(天蓋)が降りてくる。
 これは舞台そでにいる曳き手がひもをひっぱって操るのだが、上がったり下がったり横に大きく振れたりと、まるで天蓋自体が生きているかのように動いてすごい迫力。よく紐が絡まらないものだと感心する。

   
「鞨鼓・刹面(かっこ・きりめ)」は天女も登場するが、修験道の流れをくむ演目とか。

 夜も更けたが観客は一向に減らず、神楽はまだまだ続く。


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島根再訪 6 石見銀山

2012-12-09 14:32:21 | 国内旅行
11月17日

温泉津温泉を出発し、激しい雨の中降り立ったのは石見銀山。

 ガイドさんに迎えられ、東屋で雨をよけながら説明を聞くが、まわりの山は雨に煙って定かに見えず。

5年前に世界遺産に登録された石見銀山は戦国期から江戸時代初期に最盛期を迎え、一時期は世界の銀産出量の3分の一ほども掘り出されていたとか。そのため大内氏やら尼子氏、毛利氏と戦国大名たちがその領有をめぐって争いまくったが、その間も銀の採掘は滞ることはなかったそう。

最初の説明を聞いた後はガイドさんの後について歩き始めるが
 ガイドさん、歩くのが速い。

大雨の中というせいもあるが、歩くのは民家がぱらぱらと建つ普通の道路上が多く、正直言ってとても地味。
 途中、明治期に鉱山の再開発を試みたものの失敗した跡なども見るが、そのためにどれだけの巨額を損したかとか、その会社が今は箱根小涌園や椿山荘を経営する藤田観光のグループだとか、ガイドさんの説明がなければ面白くないだろう。

あちらこちらで説明を聞きながらたどり着くのは龍源寺間歩。
  
銀山と聞いて連想する坑道にやっとお目にかかる。
実際には600メートルある坑道の4分の一だけが歩けるようになっているが、これまたノミの跡が見えたり、水抜きや通気のためのたくさんの横穴が確認できるものの、基本トンネルを歩くだけ。

石見銀山の鉱夫には佐渡のように罪人が使われることはなく、賃金も下級武士程度が支給され、労災のための仕組みもいろいろあって待遇は悪くなかったらしいが、やはり労働は厳しくて鉱夫の平均寿命は30代半ばととても若かったとか。

岩手出身というガイドさんは何でもとても詳しくて、おかげで長い歩きの銀山見学も興味深く見られたが、観光地としては非常に地味なのがやはり悩みの種らしい。
石見が世界遺産に認定された理由も鉱山としては自然環境が破壊されていないというほかに、明への銀輸出など世界経済への影響があったためで、だから説明なしに銀山だけ見ても何もわからないのだと強調されていた。

3時間ほども歩き回ってずぶぬれになり、お昼をいただく武家屋敷にあがるのもためらわれるが
 
 
暖かい部屋でおかずのぎっしり詰まった「丁銀弁当」をいただきほっと一息。

食事を終えて玄関を出ようとするとカウンターにもぐらがいる。
 
なんでも昨年、石見銀山のキャラクター募集があってこのもぐらが生まれたが、結局鉱山で使われたさざえの灯明「らとちゃん」に負けちゃったんだそうな。それでもこれを飾っているところを見るとよほど未練があるのだろう。
それにしても「らとちゃん」、ゆるキャラグランプリにも出場したらしいが、「螺灯(らとう)」は難しすぎるだろう。大体どこもかしこもゆるキャラって、いかがなもんか。

食事の後は銀山地区を離れて街並み地区へ。

その入り口にある羅漢寺。
 岩山に石窟が3つ掘られたさまは規模は小さいが中国あたりの石窟寺院のよう。
中には1766年に完成したという五百羅漢の像が、真面目な顔をしたり、あくびをしたり、笑っていたりしてなかなか楽しい(堂内は撮影禁止のため残念ながら写真なし)。

大森町は江戸末期の面影を残す言うが
 
 
軒の低い木造家屋は築100年ぐらいたっているらしい。
 自販機やエアコンの室外機に木のカバーをつけたり、電線を地中に埋めたり、街並みの保存にはかなり努力している様子。
 赤い石州瓦も美しい。

 熊谷家は土地の有力商家のお屋敷。
 
お役人様などを迎えたであろう表座敷は立派だけれど
  
貧乏人にはやっぱり台所や女中部屋の方が面白かったりする。

最後は1902年に建てられた郡役所が転じた石見銀山資料館。
 
見学した龍源寺間歩以外にもたくさんの坑道があったことを確認して観光終了。

石見銀山には天気の良い日に運動靴をはき、ガイドさんについて歩くことをおすすめする。


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12月のVino della Pace

2012-12-05 21:00:01 | 食べ歩き
暮れの女子会、というわけでもないが、またお邪魔した広尾の Vino della Pace。

以前は2回とも静かだったけれど、今回特に女性でにぎわっていたのはやっぱり「クリスマス前に女子会」なのかな?

ここは基本おまかせながら、いつも事前に苦手なものなど聞いてくださる。
今夜は好き嫌い女王様はいないのでなんでも大丈夫です。

 
アミューズでまず登場したのはひき肉を詰めたオリーブのフライ。ほんの一口だけれど塩気が利いて、これはお酒が進むんでしょうな。
ソムリエ氏お勧めの微発泡の赤ワインをちょっとなめさせてもらったら、これが爽やかさの中に甘みもあってすごくおいしい。アルコール分解酵素がほしいよ~。

 前菜はいわゆるヘッドチーズだけれど、半分はサラダと合わせ、半分は外をカリッとソテーしてあるのが珍しい。添えられているのはマスタードとブドウのジャムを合わせたもので、この甘さがよく合う。

 
ハマグリのニョッキはハーブの香りが素晴らしく、プチトマトの酸味がいいアクセント。
合わせるワインはもちろん白。

 
もう一品のパスタはたっぷりきのこ。固めの手打ちパスタはまるで香港のワンタン麺の麺のよう。
きのこの香りと言い、なかなかワイルド。

 そして今夜のメインは鴨。
普段は脂っこいことが多いので特に好む食材ではないのだが、さすがは沼尻シェフ、皮がパリッと焼かれ、厚い身の中はジューシー。カラメリゼした小玉ねぎとレンズ豆の甘さがお肉を引き立てて、これはおいしい!

パクパクと食べてお腹がパンパンなので、デザートは一番軽そうな洋ナシをチョイス。
 するとアイスクリームが乗ったフルーツはオリーブオイルがかけられて出てきた。
初めて見る取り合わせだが、オイルはスパイシーな香りづけのために使われていてまったくしつこくない。
オリーブオイルにこんな使い方があったとは。

と言うことで今夜も大満足のディナー。
ごちそうさまでした。


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