Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ボゴールへ遠足

2016-06-29 02:12:57 | 東南アジア
まだインドネシア滞在中。

今回の出張は長いのだけれど、仕事の合間に結構待ち時間がある。

と言うことでバンドゥンに続いては電車でボゴールへ行ってみた。

まずは宿泊先であるブロックMからトランスジャカルタのバスに乗ってコタへ。

 
バス乗り場へは夕方になると小さな出店のひしめく地下から上がって行く。
 料金は以前と変わらず3,500ルピアのままだが、以前は紙の切符だったところが今はe-moneyやスイカのようなカードがなければ入れなくなった。
 車内は前半分が女性専用になって男性が乗り込むと車掌に厳しく追い立てられるが、前からこんな風に分かれていただろうか。
 ジャカルタの市内中心部は現在絶賛地下鉄工事中で、ただでさえひどい渋滞に輪をかけている。のろのろと進んでコタまで丸1時間。

コタの鉄道駅はバス・ターミナルの目の前。
  
1926年にオランダ人建築家が設計したと言う駅はターミナル駅らしいたたずまい。
  
ここもいまや切符は自販機になっていて
 このカードは運賃+10,000ルピアのデポジット。使用後には返金してもらえる。

自動改札を通ってホームに入るとちょうどボゴールからの電車が到着した。
 かなりの人数が降りてくるが、ホームが低いので長ーい階段が付いているのが面白い。

入れ替わりに乗り込むのはピンクの印の付いたこれも女性専用車両。
   
車内は日本の私鉄か地下鉄のお古なのでまったく通勤電車のまま。ただし日本よりもインドネシアらしい禁止事項がいっぱい。

女性専用は10両連結の前後1車両づつで、2人一組の警備員がずっと乗り込んでいてこちらもなかなか厳しく、女性としては安心。
  
この警備員さん、荷物を棚に上げてくれたり、お年寄りを助けたりと親切だが、走行中は暇なので寝ちゃったりしている。
かと思うとこれまた走行中にお掃除の人がモップを掛けに来たりして、効率的というべきか。

ガイドブックにはボゴールまで1時間とあったが、途中でなかなか動かなかったりして出発から2時間。
  
 
屋根の向こうに山が見えだして、やっとボゴール、標高246mに到着。

駅を出ると道は乗合いミニバンをはじめとする車で大渋滞。
 
その道路の脇には屋台店がびっしり、人出も多くて大変。

駅の近くの観光案内所で聞くと、この町でほとんど唯一の見どころである植物園までは歩くのが一番早いと言う。
そこでちょっと迷いつつ歩いて行くと
 植物園を囲む塀まではわりとすぐにたどり着いた。
しかしここからが大変。なにしろ広い植物園なのだが、門がぐるっと回った所にしかないのだ。

 汗だくになって歩くこと20分ほど、ようやく植物園の正門に到着。
 
徒歩の場合は灰色の建物から入るが、広い植物園の中を歩きたくない場合は車で白い門をくぐる。
この国、金持ちならとにかく歩かずに済むようにできている。

中に入ってみるとまわりは緑一色。
 
南国らしく高い木がいっぱいでいろいろな種類の椰子の樹ばかり集めた一角などもあるが、うっそうとしてとにかく地味。

まずは一服しようと園内のカフェを目指すが、ここまでがまた大変。
  
小高いところまでのぼってやっと一息。
  
お姉さんに辛くないことを確認して頼んだチキンはやっぱり辛くて、「伝統的飲み物」とあるのを適当に頼んだらこちらも蜂蜜入りしょうが湯で辛かった。

食事しながら園内地図をゆっくり眺めて、15時半閉館というラン園があると言うのでそこへ行くことにする。
テクテクと歩いてたどり着くと、なんと無情にも「ラマダン中につき14時半閉館」で扉が閉まっている。
  
その近くにあった薬草園の門も閉まっていて、見たいものが何も見られない!

しかたがないので看板にもあったこの植物園の売り、ラフレシアかオオコンニャクの花を見に行こうと思ったが、地図がいい加減で場所がよくわからず、どちらもどうせ咲いていないだろうと途中で気力が失せた。

ここで面白いのは不思議な形の木の根っこぐらい。
  
 
  
花も少なくて、やっぱり地味。

 大きな池の向こうには宮殿のような大統領の別邸が建っているが、遠すぎて近くに寄る気にもならず。

帰路はミニバンに乗って一段とひどい渋滞の駅前に戻り
  
 ココナッツジュースで一息入れてからまた電車でジャカルタのコタへ。

帰りも1時間45分かかって、着いたら外は雷にバケツをひっくり返したような土砂降り。
 川のようになった道を戻るバスは1時間半近くもかかって、ボゴールへの遠足は疲れた。   


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週末バンドゥン 4 タンクバン・ペラフとチアトル温泉

2016-06-27 03:00:31 | 東南アジア
6月19日

今日もまたアラン君に迎えに来てもらって、今度はバンドゥンの北へおでかけ。

本日目指すのはタンクバン・ペラフ火山の火口なのだが、1時間で近くの町まで来たところで
「ルワク・コーヒーを作っているところを見たいですか」と言うのでちょっと寄り道。

普通の家が密集した集落の中の細い道をしばらく行くと、まるでレストランのようなたたずまいの建物に到着。
 これがルアク・コーヒー屋さん。

ルアクとはジャコウネコのことで、これがコーヒー豆を食べるとお腹の中で発酵された種が糞となって出てくる。これが独特の味と香りになるということで珍重されているコーヒーなのだ。

中に入るとすぐに案内のお兄さんがついて、まずは生産者にご挨拶。
  
このちょっと不思議な動物がジャコウネコ。これを檻の中で飼って、コーヒー豆を食べさせてルアク・コーヒーを作っていると言うわけだが、ここで何匹飼っているかは聞きそびれた。
  
繁殖もさせているのでかわいい子供もいるが、食事はバナナやパパイヤ、それに卵や鶏肉も食べさせると言うから雑食なのだろう。コーヒーは週に2回だけ与えるそうで
 するとこんな糞が出てくるので、これを洗って天日干しにし、外皮を向いてから焙煎する。

生産者の視察が終わったら次は当然試飲があるのだが
 
ここではさすがにタダでは飲ませてくれなくて、一杯50,000ルピア(約500円)。それでも街中のカフェでは1,000円以上もしたりするので、これでもお得。
飲み方は細かく挽いた粉に直接お湯を注いで、沈むのを待ってすするトルコ式。
特に独特な香りがするとも感じないが、普通においしいコーヒー。

ここを出たらすぐに火山の入り口で入場料を徴収されるが、現地人は一人30,000ルピアの所を、外国人はなんと10倍の300,000ルピア!ここまで来て引き返す者もいないからの強気な設定なのかもしれないが暴利だ。

と文句を言いつつ車で上がって行き、駐車場で外に出るとすぐ目の前に
 
タンクバン・ペラフ火山、標高2,076mの噴火口。
底には泥がたまり
  
煙が上がっているところもあって、あたりには硫黄の匂いが漂う。

こちらの山は2013年にも噴火したことがあるそうで
 こんな避難所があるが、いざという時これで助かるとは到底思えない。

駐車場からは火口の周りを歩く遊歩道が伸びているのでそれを歩いて行くと
 
途中までは延々と小屋掛けの土産物屋が続き、その先は火口を離れてしまうようなのでそこで引き返した。
が、後で聞いてみるとこの山には火口が3つあって、この道をもうしばらく行けば灰色ではなく白いもう一つの火口に行けたらしい。もったいないことをした。

帰りは土産物屋の中を通って行くと
 
ここでも硫黄を売っていたり
  
木彫りの動物やキティもどきの手編みバッグを売っていたり。

駐車場に戻って噴火口とは逆の方向を見れば
 
遠くにきれいな山容の高い山が見えるが、名前などまったくわからず。

入場料分いたかどうかわからないが、山を下りたら今日もまた温泉。

  
タンクバン・ペラフに近いところにあるのはチアトルのサリ・アテールと言うリゾート。
入場料32,000、車代30,000ルピアを払って中に入ると、広大な敷地に様々な施設が散らばっている様子。

しかしこちらのお目当ては本日も個室風呂。
 
門を入ってすぐ目の前にあるブースで追加料金60,000ルピアを払い、大きな温泉プールの横を通ってさらに行くと
  
受付棟があって、ここではさすがに高いだけあってバスタオルとシャンプー、石鹸をかごに入れて渡してくれる。
 浴室はこんな建物がいくつもあって、中の1室に案内されると
 
中はチマングゥと同じようだが、小さな棚と鏡が付いている分やや高級(笑)。

ここも浴槽にはお湯がかけ流されていて、温度は42℃とこれまた最適温。
匂いは感じず、見た目も無色透明なので泉質もチマングゥと同じようかと思いきや、舐めてみるとかなり酸っぱくて、お湯の中で肌をこするとつるつるする。

 こちらにはちゃんと泉質表示もあって、リューマチや皮膚病に効果があるとのこと。
ここもいいお湯で、インドネシアの温泉はいい!

個室を出て周りを歩いてみると
 大きな温泉池がいくつもあって
 
滝やら打たせ湯やら、みなさんTシャツのまま好きなところで好きなようにお湯に浸かっている。
ここの湯量はどれだけあるやら、驚くほど豊富だ。

設備がいろいろ揃っている中にレストランもあったので入ってみると
 焼バナナにはたっぷりとチーズがかかってきた。
この甘いものにチーズと言う組み合わせ、どうもインドネシア人は好きなようでどこでもあるが、これって合うだろうか。

 チアトル温泉を出るとこのまわりにも茶畑が広がっており、
 その景色を眺められるところには風通しの良さそうなサテー屋がずらりと並んでいる。
サテーとはおなじみ串焼きだが、このあたりでは馬やうさぎ、「小さいワニ」もあると看板が出ているそうだが、小さいワニってなんだろう。

ここからバンドゥンの郊外へ戻り、最後の観光は「虹の滝」。
 
この看板の所からでも高さ72mの滝は見えるのだが
 つい調子に乗って587段の階段を下まで降りてしまう。

  
下まで降りると滝壺から水しぶきがかかるほどの水量、小さなモスクまであるが
  
当然戻りは階段を上がらなければならないわけで、これは途中タイヤでできた椅子で休まなければならないほどきつかった。

戻ったところでバンドゥン観光は終了。
帰りは高速に乗ってジャカルタまでちょうど2時間。

初めてのバンドゥンは泊りがけで行く価値が十分にあった。


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週末バンドゥン 3 カワ・プティとチマングゥ温泉

2016-06-23 23:19:24 | 東南アジア
6月18日

 ホテルのオープンテラスで朝ご飯。
インドネシアの現地飯だと生野菜が食べられないので、ここぞとばかりにサラダの大盛り。
このホテルの宿泊客は現地の人が多いと見えて、陽が昇ってからのレストランはガラガラだ。

8時に約束通り、手配していた車の運転手がホテルに迎えに来てくれた。
堂本剛そっくりなアラン君は一応英語で意思疎通はできるが、あまり込み入った話はできないのでおとなしく車を転がしてくれる。

進路を南に取ってしばらく行くと次第に標高が上がって来て
 周りの田んぼがキャベツなどの高原野菜の畑に変わってくる。
  
途中に通過する町ではいまだに馬車が使われていて、かと思うと小学生ぐらいの子供が平気でバイクの二人乗りをしているが「免許は本当は17歳から。でもこういう田舎じゃ警察もいないからいいんだよ」とおおらか。

出発から1時間40分で目指す「カワ・プティ」に到着。
 この看板を入って少し行くと大きな駐車場があり、ここで入場料50,000ルピア(約500円)を支払うがこれは外国人料金。

さらに目的地へはまだ5キロあるが、自家用車だと1,500円払わなければいけないと言うので、ケチってシャトルバンで行くことにする。
 この料金が往復21,000ルピア。乗客が12人そろわないと出発しないが、すぐに若い男の子たちの団体がやって来た。

 ミニバンはかなりのスピードで高い木のうっそうと茂る山道を上って行く。

 そして10分ほどで到着したのがこちらの駐車場。
小やみになっていた雨がここに来たら激しくなって、車に傘を置いてきたことを後悔しているとすかさずレンタル傘屋がやってくる。200円は高いが仕方ない。

  
階段を少し降りて、見えてくるのが標高2,430mの火山の噴火口。
ここに硫黄泉が溜まって青い湖になっているのだが、あいにくの霧でまわりは真っ白。幻想的と言えば幻想的な風景ではあるが。

 
あたりには強い硫黄の香りが漂い、硫黄成分で黄色くなった石も見えるが湯の華も売っている。
 
周囲の樹は立ち枯れ、避難路を示す看板もあるが、一応ここはこの400年ほど噴火はしていないらしい。
 湖畔に近寄れるところがあり、どう見ても水は熱そうではないのでちょっと手を入れてみると、岸辺のためか雨のためか温度は30℃ほど。日本なら風呂の一つも作ってしまいそうだが、ここで長湯をしたらガスの中毒になりそうだ。

そのうちに一段と雨が激しくなってきたが、おかげで霧はちょっと晴れた。

思ったより小さな火口だが珍しい風景であることは間違いない。

標高と雨のせいで気温は10℃ぐらいだろうか。さすがに寒くなってきたので帰りのシャトルに乗る。
ところが待てど暮らせど他のお客は来なくて、退屈そうなドライバーとずっと待つはめに。
普段の週末ならここは観光客だらけなのだそうだが、ラマダン中のムスリムは遊びも控えるそうで、来ているのは裕福そうな中華系ばかり。彼らは自分の車でやって来るのでシャトルに乗る者などいない。
結局50分も待って、やっと若い子たちのグループが来たが、車の乗り入れ料をケチるんじゃなかった。

体が冷え切ったところで、次の目的地はカワ・プティの入り口から5分ほどのワリニ温泉。
設備が良さそうだと調べてきたのだが、行ってみるとなんとお休み。
ラマダン中を利用して設備のメンテをしているらしい。

仕方がないのでまた引き返すが、この温泉はお茶のプランテーションの中にあって、周りの丘はすべて茶畑。
 
これこそ本物のジャワ・ティ。

ワリニには入れなかったが、幸いにしてこのすぐそばにもう一つ温泉がある。
 
それがこちらのチマングゥ温泉。入場料の40,000ルピアはまた外国人料金で、ジモティーの倍らしい。
中には浅いのと深いの、2つのかなり大きなプールがあって、これが水温40℃ほどの温泉なのだが、お湯はあまりきれいな感じではない。

しかし目指していたのは最初からこちらの個室風呂。
  
こちらの受付でまた15,000ルピアを払うと、空いている部屋のどれでも好きなのを使えと案内される。
   
個室の中はシンプルそのもので、タイル張りの浴槽の他には壁に荷物を引っかける物があるだけ。その浴槽にはお湯がジャンジャン流れ込んでいるのであふれたお湯で床もびしょびしょ。着替える際にはいささか気を遣うが、いざかけ湯をして湯船に入ってみると、無色透明のお湯は42℃ほどの最適温。
すぐ近くのカワ・プティは硫黄の香りプンプンだったが、こちらはにおいもなく、飲んでみるとちょっと石膏っぽい味がするかな、と言う程度。
しかし見た目は小さい浴槽が足を伸ばして入るのにぴったりのサイズで、ジャンジャンかけ流されるお湯に肩まで浸かるとこれが何とも気持ちいい。そしてゆっくり浸かっていると、なんだか関節から疲労が出てくる感じがする。

清潔感あふれるとは言い難いが、台湾の個室風呂に慣れていればまったく問題ない設備で、思った以上にいいお湯に大満足。
30分入って出てきたらそのあとちょっとぐったりしてしまったから、無色透明無味無臭と侮ってはいけないお湯だったよう。

さて、一風呂浴びたらさすがにお腹も空いてきた。
ラマダン中でもちゃんと食事はできると言うことで、山道を少し下った所にあるレストランに案内される。
  
観光客には定番の食事処のようで中国系のお客さんでいっぱいだったが
 
ナシ・リウェットという揚げたシラスの乗ったご飯がココナッツミルクで炊かれているのかすごくおいしい。まわりには鶏を甘辛く煮たものや揚げ豆腐、テンペ、それにガドガドもついて、これで280円。
昨晩のリベンジで生イチゴジュースにもありつけたが、これも酸味の効いたイチゴの味が濃くておいしい。
標高が高くて涼しいこのあたりこそイチゴの産地なのだ。

食事を終えて外に出てみれば、畑の中に昔ながらの集落の残るいい雰囲気。
  
 ここいら辺ではこんな具合に袋に土を詰めてネギなどを栽培しているのがおもしろく、イチゴの苗もこの方式で育てられている。

  
町のシンボルらしい巨大イチゴを過ぎるとインドネシアらしくバイクが増えてきた。

 道端で大きなザボンを売っていたので一つ買ってみたが、甘みはいまいち。
いろいろな果物があるインドネシアだが、味はタイの方がずっといいように思う。

バンドゥンの町に戻ってきたところで、この町の名物を買いたいと言うとアラン君が車を停めてくれた。
 
命の危険を感じながら(笑)道を横断して入ったのはバタゴールの店。
 バタゴールとは揚げ豆腐の上に魚のすり身が塗りつけられたもので、注文するとこれを揚げて一口大に切ってくれる。
この店ではバタゴール2つにインドネシア風シューマイ1つのセットがあったので、今夜の夕食はこれ。

 
ホテルに帰って箱を開けてみると、3つとは言え一つ一つのバタゴールが大きいのでかなりの量。他にピリ辛のピーナッツソースと甘い醤油のケチャップ・マニス、それにライムが入っている。
揚げ焼売にすり身の乗った揚げ豆腐なのでなじみの味。そのままでも十分なほどしっかり味はついているが、ライムを絞って2つのソースを混ぜたものにつけて食べると飽きずに食べられる。

と、少し多いな、と思いながらこれを完食してしまったらまた油で胃をやられてしまった。
インドネシアの揚げ物は要注意。
 

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週末バンドゥン 2 バンドゥン街歩き

2016-06-21 03:33:15 | 東南アジア
6月17日続き

部屋であれこれしているうちに2時半をまわってしまったが街歩きに出発。

ホテルは線路のすぐ北側にあるので
 ぼろくて恐ろしい鉄橋を渡って南側へ。

しばらくまっすぐ行くと歩道の両側に衣類や靴、鞄があふれだして、たくさんの買い物客のあいだには物乞いなどもいるので歩くのが大変。
  
 
被り物の店もたくさんあるし、インドネシア人の大好きな揚げせんべい類などのスナックを売る店が連なる一角もある。
ここがパサール・バルと言って衣類が安いので有名な市場だそうだが、日本で着られそうな服はありそうにないので先を急ぐ。

大きな通りに当たったところで左に折れるとアジア・アフリカ通り。
  
アザーンの流れる大きなマスジット・ラヤの前にも、郵便局の前にも地球儀があり、
  歩道にはスカルノ元大統領の功績をたたえているらしい看板が並ぶが
  
それはこの通りに1955年のアジア・アフリカ会議の会議場があり、今は博物館になっているから。
ここが4時までということなのでやってきたのだが、3時半だというのに扉が閉まっている。よくよく見ると脇に小さな張り紙があり、ラマダン期間中につき3時半で閉館とのことでがっかり。
本当は西ジャワ博物館の方に行きたかったのだが、こちらは3時に閉館とのことで、バンドゥンの博物館は閉まるのが早すぎる。

ところでこの通り沿いにはオランダ植民地時代からの建物がいくつも残っていて
  
 それもそのはず、19世紀にはこの通りが町の中心だったとのこと。

さらにここから折れてブラガ通りに入って行くと
  
  
1920年代、30年代のしゃれた建物が並んでいて
  
そのような建物には築年と建築家を記したプレートが付けられている。
 街灯の上に立つライオンまでかっこよくて、この町でこんなに古い建物探しができるとは知らなかっただけに楽しい。

ここからまた線路を渡り 
 独特な形の教会を過ぎて北へ歩いて行くと
  
今度は大きなショッピングセンターがいくつも現れて、現在の町の中心は明らかにこちら側らしい。

こちらの方で今も残るオランダの影響と言えば
 
パン屋やお菓子屋のチェーン店ぐらい。

お菓子と言えばバンドゥンで一番有名なのは Kartika Sari と言うこちらの店。
  
駐車場に高級車の並ぶ店内に入ってみると驚くほどの広さ。
 ケーキ売場にはいささか怪しげなカップケーキも並ぶが、バンドゥンに来たらここでお土産を買って帰るのが決まりらしく、どのお客さんも買い物籠はいっぱい。
  
そこで試しにバナナロールと抹茶入りアーモンドクッキーを買ってみると、どちらも甘さ控えめでとてもおいしく、有名なのは伊達ではない。
ちなみにここでの定番はバナナチーズパイとラピスケーキとのこと。

この広い店内の奥半分はレストランになっていて、ここでの食事にも心惹かれたが他にお目当てがあるのでここは我慢し、タクシーを拾って町のさらに北へ。

この町は北側が山になっていて、坂をかなり上る。高い建物はないが横に広がった町だ。
シェラトン・ホテルを目標に走ってもらうと途中で目指す店を発見。
  
とてもカジュアルな雰囲気のこちら、Sam's Strawberry Corner は生イチゴジュースがおいしいとのことだったのでわざわざ来たのだが、注文をするとなんと、「ない」とのつれないお返事。せっかく来たのに。

しかたがないのでこれもおいしいと評判の麺とココナッツジュースを注文。
 麺には豚の皮を揚げたようなものが乗って来たが、豚のはずはないのでなんだろう。麺は食感も甘いソース味もカップ焼きそばにそっくり。ジュースはピンクの物が出てきたのでやっぱりイチゴがあったのかと一瞬喜んだが、ココナッツジュースにシロップが入っていてとても甘い。これで約600円は高いね。

帰りはタクシーを拾おうと思ったが、眼の前にアンコタという乗合いミニバンが来たので駅方面に行くことを確認して乗車。
 バンドゥン市内はこんな緑色で
  開けっ放しのドアから乗り込む。

フロントガラスには行き先が書いてあるので、目の前に来たら止め、ルート上の降りたい所で声を掛ければ停まってくれる仕組み。見ていると皆さんごく短距離の乗車で、進みたい方向に向いたアンコタが来たら止め、ちょっと行ったら降りるという感じ。
ただわからないのは料金で、どうも距離制ではあるらしいのだが皆さん聞きもせずに小額紙幣を渡して降りて行く。
自分はかなりの距離を乗ったので10,000ルピアを渡し、お釣りが来るかと思ったが当然のようにそのままだった。乗っているのは女性ばかりなので安心だし、倍額ぼられていたとしてもたったの100円。

Sam's へはアンコタを乗りに行ったと考えよう。


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週末バンドゥン 1 インドネシア国鉄でバンドゥンへ

2016-06-20 02:22:47 | 東南アジア
オランダ旅行記がちょうど終わったところで久しぶりにその元植民地、インドネシアへ出稼ぎが入った。
しかも変更不可の安いチケットを買ったら仕事の開始が3日遅れるとのお知らせ。
これ幸いと2泊3日でバンドゥンへ小旅行に行くことにした。

2016年6月17日

前夜遅く着いたホテルからやってきたのはジャカルタの長距離列車が発着するガンビル駅。
  
ホールが3つ連なる細長い駅に入ると
 
緑の柱が目立つホールはあまり大きくないが、その先にはコンビニやらファストフードやらがたくさん入っていて便利。

まずやらなければならないのは切符の入手だが、今回はバンドゥンの旅行会社に車の手配と一緒に列車の予約も頼んでおいた。するとメールでeチケットが送られてきたので
  
駅構内にあるこんな端末の画面に予約番号を入れると、下の機械から印刷された切符が出てくる。
このeチケットでの予約は今はコンビニからもできるそうで、インドネシアも進化したもの。
 そのためか通常の切符売り場はあまり混んでいない。

発車の1時間前には駅に行かないといけない、などと言う情報も見たのでかなり早めに来たが、切符はすぐに出て来るし、ホームには1時間前からしか上がることができない。
 ホームに上がる際には改札カウンターでチケットに記載された身分証明書番号(外国人はパスポート)の確認があるが、それ以外はいたってのんびり。

 
ジャワ島をカバーする国鉄の路線図と今回のルートを確認したらホームへ。
  
線路の向こうには独立記念塔が見える。

この駅にはプラットホームが4つしかないが、乗車予定の1番線にはきれいなお姉さんが横に立つきれいな列車が待っている。
  
これに乗るのかと思ったら残念ながらこれは先発のスラバヤ行き。窓も大きく、座席も座り心地良さそうだが、乗車率は2割ぐらいだろうか、ガラガラ。スラバヤまではみなさん飛行機で行ってしまうらしい。

真ん中の二つの線路にはほとんど5分おきに近距離のコミューター列車が通る。
 日本のどこかの私鉄の払い下げ列車なので車内は日本の通勤電車のまま。しかしこの近距離線はガンビル駅には停まらずすべて通過してしまう。

やがて発車の20分前になってやっと目的の列車、Argo Parahyangan号がバンドゥンから到着してそのまま折り返しになる。
 
だいぶクラシックな感じの機関車に、女性乗務員の制服も鮮やかなブルーじゃない。
 1等であるエクゼクティブでもこんな古い車両でちょっとがっかり。
  
座席も豪華とはとても言えないがクッション付き。車両の端にはモニターが付いていて映画を流している。
乗車率はこちらは9割以上、やはり早めに予約を入れておいてよかった。

列車は定刻の10時15分ぴったりに汽笛を鳴らして発車。
しかしジャカルタ市内は普通電車以上にゆっくりしか走らない。
 やがて車掌さんがにこやかに検札にまわってきて、その後からは車内販売の注文取りが二人一組でやって来た。
今月はイスラムのラマダン月、インドネシア国鉄はどうなのかと思ったら食堂車も通常営業、メニューを持ったお兄さんは明らかにムスリムではない自分に声をかける。
隣のお姉さんはスカーフをしているので「食べてもいい?」と一応聞いてみると、「どうぞ気にしないで。聞いてくれてありがとう」と言うので注文してみた。

するとやっとジャカルタ市内を離れて列車が速度を上げ始めた11時過ぎ、早々と注文したナシ・ゴレン・バソがやってきた。
 
勝手にお昼頃来るものと思い込んでいたのであせるが、せっかく温かいのが来たのですぐに蓋を開ける。
すると中身は写真よりもだいぶ寂しい感じだが、これだけを電子レンジで温めたらしい紙包みのナシ・ゴレンはアツアツ。味付けが思いのほか良くて、軽いご飯なので完食。これで30,000ルピアは300円弱。

車窓の景色は2時間ほどはあまり面白くないが、やがて山の方に入ってからやっと良くなってくる。
    
おもしろい形の山が見えだし、緑の田んぼの中に固まる村のオレンジ色の瓦屋根が鮮やか。
写真がぼけているのは窓ガラスが傷だらけで汚いためだ。

途中の駅にはほとんど停まることなく、停まっても乗降客もなくて、ほぼノンストップの列車はちゃんと定刻の13時35分にバンドゥン駅に到着。
  
こちらのプラットフォームは高くなっていないので列車から降りるのには階段が必要。
 
バンドゥン駅は標高700mだそうな。
 
北口から出て初めてのインドネシア国鉄の旅は終了。
かなり揺れるし、期待したほど景色が良かったわけではないが、時間は正確だったし、3時間20分乗って料金は1000円なのだから文句はつけられない。

 駅前の通りを右に折れて少し行くと不思議な竹のオブジェのある交差点があり、これをまた右に折れると5分ほどで今夜の宿、アリオン・スイスホテルに到着。
 
部屋でWiFiが入らないのは不便ながら、6000円でこの広さの部屋はありがたい。


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春のオランダ 22 ユトレヒト散策~帰国

2016-06-16 12:39:27 | ヨーロッパ
4月2日 続き

シュローダー邸からはバス停を教えてもらい、旧市街の中心、ドム広場で下車。

 
オランダ最古というゴシック式の教会の隣に建つのがオランダで一番高いと言う112mのドム塔。ガイド付きで登ることができるらしいが、残念ながら遅すぎて塔にも教会にも入れず。

教会の周りをぐるっと歩くと、すぐ隣に目立つ建物がある。
 
これがなんとユトレヒト大学の本部。その裏手にあった中世風の建物も確か大学関係で、さすが歴史のある学校は違う。

 
ドム広場からちょっと歩くと市庁舎前の広場は大勢の人でにぎわい
  
その前を流れる運河沿いには水面ぎりぎりに店の扉があり、カフェやレストランのテラス席も作られていてこちらもお客さんでいっぱい。
あまりきれいな水とは言えないが、オランダ人、どれだけ運河が好きなんだか。
それにしても大雨の時など増水や浸水はしないのか、不思議だ。

さて、オランダでの夕食も最後ということで、今夜は少し早めにレストランに行くことにする。
  
ここもまた階段を下りた運河沿いにあるパンケーキの店。某有名ガイドブックにも出ている店だが、かなり早い時間から現地人のお客さんがぞくぞくとやってきて、本当に人気があるらしい。

 
一枚はベーコンチーズとりんごのハーフ・アンド・ハーフ、もう一枚はルッコラとマスカルポーネというまるでピザのようなメニューを頼んでみたが、やっぱりオーソドックスな方にシロップをたっぷりかけて食べるのがおいしい。

薄い生地とは言え巨大なパンケーキは我々は一枚でもうお腹いっぱい。
しかし隣のオランダ人カップルは塩味のメインの後にもう一枚甘いのをそれぞれ注文して、さすがに女の子が2枚目の半分ほどでギブアップすると、彼氏がこれをクルクルと丸めてあっという間に食べてしまった。
オランダ人、どれだけパンケーキも好きなのか。
 たっぷりの生葉にお湯を注いだだけのミントティーもこれで飲み納め。
これ、さっぱりとしてとてもいい。

お腹が膨れたところでぶらぶらと駅の方へ戻り、駅のすぐ近くにあるバイエンコルフ・デパートの前で今回のオランダ訪問の最後の目的を発見。
  
虹色の横断歩道の両端にあるミッフィーちゃんの歩行者信号。

以前から歩行者信号をコレクションしているので、この実物を見るのは何年も前からの念願だった。
やっと出会えたうれしさにバチバチと写真を撮っていると、地元のお姉さんに笑われてしまった。
地元民、この信号には愛はないのか。


4月3日 

いよいよ帰国日。

 またもたっぷりのヘルシー朝食をいただいて、清算をしてオーナー夫人にお別れ。
「あなたたちはまったく手のかからないお客だったわ」って、そりゃそうだろう。

 帰路は中央駅から満員の列車で、ほんの15分ほどで空港に着いてしまう。

空港駅の窓口ではさんざん使いまくったOVチップカートを清算。
このカード、国鉄に乗る際には残金が20ユーロなければならないとか、清算をするには残金が30ユーロ以下でなければ現金で返してもらえないとか、ルールが複雑なのでチャージする時には頭を使ったが、どの乗り物でもタッチするだけなので実にありがたかった。
あちらこちら動き回って、交通費は合計100ユーロほどだったと思う。

ついでにこれも使いまくったミュージアム・カート、こちらは計算してみると60ユーロのカードで合計143.5ユーロ分入場したので83.5ユーロのお得。

 KLMのカウンターに行くとチェックインは自動、荷物の預け入れも自動化されていて、この機械、初めて使った。
 
かなり早めに来たのでチェックインを済ませた後はスーパーなどのあるスキポール・プラザへ。
  
飛行機パーツの実物が置かれていて、これが大人気。

その後時間通りに飛行機に乗って、時間通りに帰国。


すべてが合理的で無駄のないオランダはA型でケチな自分の気性にはぴったりで、昨年のスロベニアに続いて期待以上に大いに気に入った。
各地の現代建築をもっと見たいし、OVチップカートやミュージアム・カートが有効なうちにまた行こうか。


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春のオランダ 21 シュローダー邸

2016-06-13 20:57:11 | ヨーロッパ
4月2日 続き

ユトレヒトの博物館を駆け足で回ったのにはわけがある。

それは博物館の管轄ながら少し離れた場所にあるリートフェルト設計の家を見に行くべく、前日にオンラインで時間指定の予約を入れていたから。

ミュージアム・ショップのお兄さんに行き方を尋ねるとすぐに地図を出してくれた。
 「少し遠回りになるけれどおすすめのルート。2キロあるので貸自転車もあるよ」とのことだったが、友人も自分ももう何十年も自転車には乗っていないので歩いて行くことにする。

 地図の指示に従って博物館を出るとすぐにかわいい長屋が続き
  
運河を渡ってなにやら立派な建物の前を過ぎる。

しばらく行くと静かな住宅地に入り、こちらの細い運河沿いにあるのはリートフェルトが設計した「運転手の家」。
  
ガレージの上に運転手の住居を、という依頼にこたえて1927年に作られたそうだが、プレハブ構造を実験的に採用したそうで、現在も建築家が居住しているとのことで中を見ることはできない。

 さらにこんなクラシックな建物の建つ街並みを歩くこと30分。

やがて周りの家々とは異彩を放つ建物が忽然と現れる。
 
これがリートフェルトが1924年に建てた「シュローダー邸」。玄関の前には2000年にこの家が世界遺産に指定されたことを示す看板が立っている。 

 ここに到着したらまずは隣の案内所で予約書を見せ、指定された時間になるのを待つ。
予約は1時間ごとで、各回12人まで。前日に博物館のHPをチェックしたら枠が思いのほか埋まっていてあわてて予約を入れた次第。

待合室ではこの家のオーナーだった故シュローダー夫人のインタビュー・ビデオを流していて、
  
棚にはリートフェルトがデザインした家具のミニチュアが飾られているが、これ、ほしい!

やがて時間になるとイヤホンガイドと靴カバーを渡され、係りの人について邸内へ。
中に入るとまずは英語で説明があるが、各部屋を見て回る時には各国語の詳しい解説が聞けるイヤホンガイドを使う。日本語の説明もパーフェクトだ。

邸内は日本人の感覚から言っても決して広くはないコンパクトな家だが、面白いのは居間やベッドルームのある2階。
 邸内撮影禁止のため解説書から
ここには部屋が4つあるのだが、壁がすべて可動式になっていて、これをパタパタとたたんで収納すると大きな一部屋になってしまう。
この可動式の壁、今では会議室などでよく見るし、まして日本人としてはふすまに慣れているのでおなじみのアイデアではあるが、この家が建てられた当時は珍しかっただろうし、この小さな家の壁が次々に消えるところは手品を見るようでとても楽しい。

しかし家の中をよく見ると壁や床の建材などあまり高級感はなくて、いささか安普請。
前出のインタビュー・ビデオによると元々長持ちするように作ったわけではないらしくて、オーナーは生前から家の維持には苦労したとか。
とは言えこの家はオーナーのシュローダー夫人とリートフェルトがアイデアを出し合いながら作ったそうで、2人は互いの配偶者が亡くなった後は同居して文字通りのパートナーだったらしい。

ゆっくりと邸内を見学して1時間。
外に出ると家のすぐ前には高架橋があって
  
橋の下の壁はリートフェルトの椅子がタイルになっている。

これをくぐった向こう側にはこれもリートフェルトが設計したアパートが2棟。
 
奥が1931年築、手前が1935年築で、手前は現在も居住者がいる様子、奥は保存されているようで窓の中を覗けるが、シンプルな家具の見える部屋の中には入れないのが残念。

シュローダー邸は博物館からの道のりも楽しく、予約して来る価値が十分にあった。


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春のオランダ 20 ユトレヒトの博物館

2016-06-12 18:49:44 | ヨーロッパ
4月2日 続き

アムステルダムから30分でやって来たのはユトレヒト。
 ここも大きな駅で、駅前は再開発中なのか工事だらけ。
金融に詳しい同行者によるとオランダは現在景気がいいらしい。

 その友人が駅を出た途端に目ざとく発見したのはミッフィーちゃんの絵の付いたバス。

これに乗って行ったのは
  
もちろんミッフィー・ミュージアム。と言ってもこの子うさぎのオランダでの名前は「ミッフィー」ではなく「ナインチェ」(名前の詳細についてはこちらへ→「うさこちゃんの謎解明」)
  
ナインチェは日本語でも迎えてくれる、ということはどれだけ日本人が来ることか。

館内は作者ブルーナさん独特の色とシンプルなデザインにあふれていて
  
  
  ライトや絨毯までミッフィーだらけ。
 しかしここは就学前の幼児が対象の施設らしく、子供連れでない者にはいささか居心地が悪い。

そこでここの見学は15分ほどで済ませて、道を挟んだお向かいへ。
 こちらはユトレヒト中央博物館。
元は修道院だった建物に増改築が繰り返されたそうで、広い館内の造りは複雑怪奇。
   
いかにも修道院らしいディテールがあるかと思うと、壁から妙なユニットが突き出ていたりもするが
  
なんとか目指すカフェテリアを発見。

ここに来たかった訳は
  
ミッフィー・パンとミッフィー・パンケーキが食べたかったからだが、これは明らかにお子様ランチだったね。
 かわいいレモネードが一番おいしい。

この軽いおやつをぺろっと平らげて、また館内を走り回って目的の物だけ見る。

これはまだ存命だけれど最近高齢で引退したブルーナさんの書斎。
 
本棚には世界中の言葉に翻訳された絵本も並んでいる。

そしてもう一人、ユトレヒト出身の有名人は家具デザイナー・建築家のリートフェルト。
実はオランダに来るまでは不勉強にしてこの建築家のことはほとんど知らなかったのだが、この博物館はリートフェルトの椅子を最も多く所蔵しているということで
  
  
1920年代、モンドリアンなどとともに「デ・スティル」というデザイン集団に属した作家のデザインを堪能。
アール・デコが好きな者にはこの直線的でシンプル、合理的なデザインが魅力的。

広い博物館には他にもいろいろ所蔵されているようだが、次の予定があるのですべて飛ばしてミュージアム・ショップへ。
ここでミッフィーちゃんグッズを買おう、というのがここに来た目的の一つだったのだが、ショップにはいろいろ並んでいるものの、すべて幼児向きのおもちゃや絵本、衣類ばかり。

考えてみればミッフィー、というかうさこちゃんは元々幼児向きの絵本。
こういうキャラクターが付いたグッズを大人まで持ち歩くのは日本発祥、たぶんにアジア限定のことなのだと改めて認識。
大人文化のヨーロッパでは大人向けグッズの需要はないわけだ。

ミッフィー・グッズ大人買いの野望は砕けて、次の目的地に向かった。


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春のオランダ 19 北教会の朝市

2016-06-10 14:48:13 | ヨーロッパ
4月2日

アパート滞在二日目、初日のトレイがあまりにも盛りだくさんだったので、今日は焼き立てパンだけにしてくださいとお願い。
 それでもフルーツが食べきれない。

本日、土曜日の午前中は近くの北教会前に朝市が立つと聞いたのでまたもや市場探索へ。

ヨルダン地区と呼ばれるエリアを通って行くが
  
   
アムステルダムは本当に絵になる街だ。

市場は教会の前に伸びる道沿いに屋台がずらり。
 
 
全長500mほど続くだろうか、食材の他に衣類や雑貨など、品目ごとに固まらずすべて入り混じっているのが面白い。 

と言っても目が行くのはやはり食料品で
 
 
魚屋にはイカやエイまで売られていて、スーパーとは比較にならない品揃え。

 
カラフルな切り花や鉢植えがいっぱいで、イースターを過ぎれば春の暦通り。
  野菜もカラフル。
 かわいいスリッパもカラフル。

もうあと何日かアムステルダムに滞在するなら花や食材を買い込みたいところだが、残念ながら明日には帰国しなければならない。

 たくさんあるチーズ屋さんで試食しまくって、お目当てのおいしいチーズを土産にゲット。

荷物をアパートに置いて、最後の観光に出かける。


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春のオランダ 18 Hieronymus Bosch - Visions of Genius

2016-06-09 15:47:03 | ヨーロッパ
4月1日 続き

 満を持してやってきたのは北ブラバント博物館。

ここが世紀のボッシュ展の会場なのだが、オンライン予約で1時間ごとの入場者数の制限をしているので行列などはなく、あたりのムードはいたってのんびり。

自分がこの展覧会の存在を知ったのは2月13日からの開幕直前、1月末か2月の初め頃だっただろうか。
すぐにHPから予約をしたが、その時点ではどの日、どの時間でも予約可能、平日の午前中は学生団体の見学があるということだったので平日の午後1時~2時の予約をした。
その後会場の混雑具合などを調べているとネット予約は完売、希望者が多いので毎日夜11時まで開館することにしたと知ってびっくり。オランダの美術館のフレキシビリティーにも感心するが、早く予約を入れてよかった~。


入場時間の予約は指定された1時間の間に入ればよく、ぴったり行くと混むとの噂だったので1時半頃に入館。入場後は好きなだけ見学することができる。
平日の昼間だったためかお客さんの年齢層はかなり高く、心なし上品で裕福そうな人が多い。
見た限りでは東洋人の姿はなく、地元オランダの人がほとんどだったように思う。
 ここから先は撮影禁止。

今回の展示では現存30点以下と言われるボッシュの真作の内、なんと20点が世界中から集結。
他に工房や弟子の作品と認定されたものが13点。
有名どころで来ていないのはスペイン、プラドの4点だが、うち「愚者の治療」と「聖アンソニーの誘惑」は今回のイベントに先立って行われた調査でオランダ側調査員にボッシュの真筆ではなく工房作と評価され、それにへそを曲げたプラドが直前になって出展を取りやめたと言ういわくつき。

会場内はもちろん大盛況だし、ボッシュの作品はディテールが面白いので近くでじっくり見たいが、お客さんのマナーはさすがに良くて、少し待っていればちゃんとスペースが空いて絵に近づくことができる。
背が高い人が多いので大きな絵の全体をゆっくり眺められないのだけが難点。

そして今回の展示で特に面白かったのは油絵の他にボッシュ真筆の素描が19点も来ていたこと。

ボッシュ展カタログより

「壁に耳あり、障子に目あり」みたいな有名な絵から、鳥同士の戦いなどなど、ペンとインクだけで描かれたスケッチはまるで鳥獣戯画のよう。
こんな古い時代の素描が残っているとは驚いたが、オランダの画家としては最古に属するとか。画家が生前から高く評価されていた証しだろうか。
ベルリンの美術館に所蔵されているものが多いようだが、こんなにまとまって見られることはそうあるまい。

ということでじっくり見て回って2時間ほど。充実の展示に大満足だが、さすがに疲れた~。

 で終点にはもちろんミュージアム・ショップがあって
  
コーヒーやチョコレートのパッケージにも心惹かれたが、さすがにこれらの消え物ではもったいないので
 カタログの他にエコバッグやクリアファイルをお買い上げ。

お昼も食べずに博物館に入ったので、もう4時近かったが近くの適当なカフェで
  
サンドイッチを半分づつ。ベーコンとチーズに甘いマスタードソースがおいしい。

人心地付いたところでマーケットが開かれていた広場に戻ると
 市場はもう撤収していて中央になにやら見える。
 
これは16世紀の絵にも登場する井戸を復元したものらしいが、この広場に面してボッシュの家もあったとか。

 最後にボッシュの垂れ幕で飾られた市庁舎を見て駅に向かうが、途中で大事な寄り道。

小さな入口の店だが、ここがデン・ボッシュでも一番有名なケーキ屋、Jan de Groot。
  誇らしげなお姉さんの隣に並ぶ茶色いボールがこの町の名物とのことなので、これを一つ買って列車に乗り込む。

アパートに帰り着いて、今夜もキッチンで自炊飯。
  
市場でミックスきのこを買っていたので、今夜のメインはきのこのバター炒め。
そしてデザートはもちろんデン・ボッシュの名物、ボッシュ・ボーレン。
  
要はテニスボールよりも大きなシュークリームのチョコレートがけなのだが、皮に比べて中の生クリームの量が半端ない。しかしさすが酪農王国、この生クリームがおいしくて、こちらには甘みがほとんどついていないのでまわりの甘いチョコレートとのバランスも絶妙。
さすが店に行列ができるだけのことはある、日本人としては半分でちょうどいいけど。

ところで世紀のボッシュ展、オランダでの展示は終了して、現在はスペインのプラド美術館で9月11日まで開催中。
オランダで見られたものの他にもちろん来なかったプラド所蔵の作品、さらにリスボンの「聖アンソニー」も展示されているようなのでこちらの方がお得かもしれない。

しかしプラドのHPを見るとオランダのオの字も書いていない。
プラド、よほどプライドを傷つけられたのか、なんだか執念深そうでおもしろい。


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