2月1日 続き
時差のおかげでまた1日の朝に到着したニューヨーク。
以前は仕事で年に一度は来ていたのだが、考えてみたら9・11以降は来ていない。少なくとも15年、ひょっとしたら20年ぶりぐらいって、ひえ~。
しかしJFKのしょぼさと非効率性は昔のまんま。
窓口を開けないのでイミグレに45分かかり、税関を出たところで乗合シャトルを頼んだらまた40分も待たされた。
最近のアジアの空港の立派さと利便性、少しは学べよ。
そんなこんなで10時前にJFKに降り立って、ミッドタウンのホテルにたどり着いたのは午後1時。
27丁目とマディソンの角に建つ細長ーい
The MAve Hotel
今回は折悪しく、滞在の2日がちょうどニュージャージーで開催されるスーパーボウルに当たってしまった。
そのためただでさえ高いニューヨークのホテルがどこも暴騰、まともそうなホテルで一番安かったのがここだったのだが、それでも1泊約2万円。
どんな部屋かと異常に狭い廊下を通って入ってみれば
部屋は6畳ほどで、ベッドとサイドボードでほぼ一杯、スーツケースを広げるとドアが開かなくなるほどの狭さ。
27丁目を見下ろす窓にエアコンがついて、これがかなりやかましい。シャワーはなかなかお湯にならないし、冷蔵庫もない。
広さは日本のビジネスホテル並みだけれど、設備の点で大きく劣る。清潔だし、5000円ぐらいなら納得するがなあ。
しかもこのホテル、フロントの姉ちゃんが気が利かなくて、杓子定規にチェックインは3時からだと部屋に入れてくれない。
しかたがないので荷物を預け、すぐに町歩きに出発する。
まずてくてくと歩いて向かったのは30丁目がハドソン川に突き当たるほんの手前。
階段を上がると右手は工事中で行き止まりだが、
左手には細長い遊歩道がずっと伸びている。これが1930年代から1980年まで走っていた貨物鉄道の高架跡に作られたハイラインと言う公園。だから公園はひたすら細長く、ところどころには線路も残されている。
夏にはさまざまな花が咲いているのだろうが、今は残念ながら冬枯れ。
それでもヒッチコックの「裏窓」のようなアパートがあったり、クラシックな建物の向こうにエンパイア・ステートが見えたり
そうかと思うとレンガ造りの建物の間にモダンなビルが建っていたりしてなかなか楽しい。
しばらく歩いて、大きなレンガの建物が見えたので降りてみたら、これが次に目指していたチェルシー・マーケットだった。
元はナビスコの工場だったというこの建物。
工場らしさを残しつつ、食べ物屋を中心にたくさんの店が入っていて、週末のこととて大にぎわい。
中でも大きな面積を占めているのがロブスター・プレイスという海産物屋さん。
魚や貝類、スモークサーモンやキャビアなどの高級食材が美しく並び、もちろんロブスターもゆでたてを売っている。
店内で食べられるものもいろいろあり、その中からセルフサーブのロブスタービスク($4.9)をチョイス。クリームがたっぷりで濃厚ではあったが、残念ながらロブスターの味は期待ほどはしない。
目の前のお兄さんはホタテとベーコンのスープがうまかったと言っていたが、値段はどのスープも同じなので、材料費の安いものが正解なのかもしれない。
ちなみにお兄さんが食べていたロブスターは一匹27ドル。これはちと贅沢なので
ロブスターがゴロゴロ入った巻きずしをお買い上げ。これも税込16ドルとお高いが、ここの職人さんたちはちゃんと日本人のようでまともなお寿司。
寿司カウンターもあるが、お刺身が「まぐろ」「はまち」「たこ」など、みんな日本語のままなのがおもしろい。
マーケットには他にもいろいろ売られているが
こういうのを見るとやっぱりアメリカ。
お腹を満たしたところでマーケットを出て、2ブロックほど歩いたところにある美術館へ。
Rubin Museum of Art
入場料15ドルを払って中に入ると左手には明るくて大きなカフェとショップスペース。
中央のらせん階段を上がるとその周りを展示室が囲む造り。決して大きな展示室ではないが、コンパクトな分見やすい。
この美術館はヒマラヤ美術の専門館ということで
チベットやネパール、インドの仏像、曼荼羅をゆったり見ることができる。
仏間の再現も本格的で、流れる読経にうっとり。
マイナーな美術館なのでガラガラかと思いきや、解説付きツアーには見学者がいっぱい。
チベット仏教、人気がある。
4時を過ぎたのでホテルにチェックインしようとまたてくてくと10ブロック歩く。
途中には平べったいフラットアイアン・ビルなど個性的な建物が多く
エンパイア・ステートビルも近くに見える。
ニューヨークの高層ビルはクラシックで、独特の雰囲気があるのがいい。
ホテルで一息入れた後、今まで行ったことがないのでスタッテン・アイランド・フェリーに乗ってマンハッタンの夜景を楽しもうとまた外に出て地下鉄に乗る。
以前に来た時はまだトークンだったが、さすがにチャージ式のカードになった。地下鉄車両の落書きもすっかりなくなって、確かにこの町の治安は劇的によくなった。
乗った地下鉄のラインはマンハッタン島の先端まで行くはずだったのだが、聞き取りづらい車内放送が何やら言っていると思ったら電車は橋を渡ってブルックリンへ行ってしまった。
週末などルートが変わることがよくあるそうで、オーマイガッ。
さすがにもう乗り換えて行く元気もなく、また来た道を戻ってホテル近くのスーパーとデリで夕食を買い出し。
暖かいものが食べたくてスープをレギュラー・サイズで頼んだら、あまりの量の多さに半分でギブアップ。スーパーにはやたらに脂肪分0だの、ヘルシー食材だのが並んでいるが、この量を減らせばいいだけのことなのに。
長い一日がようやく終わった。
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