Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

有楽町で映画3本立て

2016-12-28 23:58:18 | 機内食・映画・美術展
このところとんと映画館にはご無沙汰してしまっていたが、観たい映画が出てきたので久しぶりで有楽町へ。
貧乏性なので見るのはサービスデー、しかも一気に3本立て。

まず一本目は日比谷シャンテで
 「マダム・フローレンス!夢見るふたり」 Florence Foster Jenkins

ものすごい音痴なのにカーネギーホールでリサイタルを開いてしまった大金持ちおばさんの話だが、この人の名前は小学生の頃に読んだギネスブックに出ていて覚えていた。たしか、世界一の音痴、ってどういう記録だ。

その超絶音痴まで自ら再現するメリル・ストリープが相変わらずのうまさで、その内縁の夫をヒュー・グラントがいかにも彼らしく演じるのだが、2人とも増えたしわまでチャーミングで、ハリウッド名物の無理な整形の跡がないのがいい。

この二人もいいがそれ以上にいいのが伴奏のピアニスト役のサイモン・ヘルバーグ。特にエレベーターの中で思い出し笑いをするところが傑作で、今年のアカデミーの助演賞はこの人が持っていきそう。

それにしてもこのお話し、リサイタルが開かれたのは1944年だそうで、こんな国と戦争したどこぞの国は身の程知らずにもほどがある。
大金持ちおばさんの衣装もすごくて、エンド・クレジットに衣装、ヘア・メークのスタッフがいつもよりずっと多いのが面白かった。

愛すべき小品で気持ちよく見られる一本。


この後はちょっと時間が開いたのでシャンテ地下の「ひつじや」でランチ。
 
大根がメインのやさしい味の野菜カレーにマトン・アサドという料理のセット。マトンはしっかり煮こまれていて、下にタンドールで焼いたトマトとじゃがいもが敷かれているのもいい感じ。


しっかりスタミナ補給をして、次は有楽町駅前、イトシア内のヒューマントラストシネマで
 「グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状」 Das Grosse Museum

今年はDVDでアムステルダム国立美術館と大英博物館のドキュメンタリーを見たが、今度はウィーンの美術史美術館。
世界の巨大博物館はどこもその維持のために集客に力を入れており、映画はいい宣伝手段ということなのだろう。

ウィーンも展示室の大規模な改装工事を終えたところということで、その様子を追っているところはアムステルダムと同じなのだが、あちらがその過程を皮肉な目も交えながら一本筋を通して見せているところ、こちらは修復の様子を見せたり、バックヤードを見せたり、視点があっちこっち動いてどこに中心があるのかわからない。
すると途中、ハプスブルグの名前が重荷だ、それをどう現代と結びつけるかが課題だ、というセリフが出てくるのだが、そのテーマはセリフではなく、映像でこそ見せるべきなのにそれに成功していない。

残念ながらドキュメンタリー映画としては凡庸で94分が長く感じてしまったが、またウィーン美術史美術館に行きたくなってしまったと言う点では成功なのだろうか。


この映画に続いては、同じ映画館で
 「ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た」 Ants on a Shrimp

2010年以来4度世界一のレストランに選ばれたデンマークの「ノーマ」、その本店を一時閉め、ほとんどのスタッフを引き連れて東京のマンダリン・オリエンタルで1ヶ月半オープンした、その開店までのドキュメンタリー。

オーナーのレネ・レゼピはまだ40歳にもならない若さで、それゆえNo.1レストランの次の挑戦がしたかった、と言うのが実によくわかる。
日本の食材を使ってデンマークの店とは違うメニューを作ると決め、長野やら福岡、沖縄と山の中にまで入って食材探しをするのだが、木の枝から蟻んこまで、シェフたちがなんでも口に入れてしまうのはすごい。

モデナのOsteria Francescanaに行った時に感じたのは、最近の「ベスト・レストラン」はたぶん味よりも素材や調理法、プレゼンテーションの新しさを評価しているのだろうということ。だからこそのチャレンジなのだろうし、その探究心や熱心さは確かにすごい。

もう一つ感心したのはレネ・レゼピの統率力で、厳しいことを言いながらも決して声を荒げることなく、自らキッチンの掃除からスタッフがバスを降りた後の見回りまでしてしまう。若くして一番になる人はやっぱり違う。

と興味深いドキュメンタリーで映画としての出来も上々。
しかし刺青だらけの腕のシェフたちの料理、5万円も出して食べたいとはあまり思えなかった。


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16年初冬の北海道 5 鶴居村

2016-12-26 17:13:09 | 国内旅行
12月1日

 露天風呂で目を覚ましたら、朝ご飯の前にちょっとおでかけ。

 朝7時過ぎで玄関先の温度計はちょうど0℃。
 
立派な村役場の前を通り、広々とした街路に入っても歩いている人は誰もいない。

 やって来たのは鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ。

ここは名前の通り伊藤さんと言う人が1966年から餌の少なくなる冬に鶴の給餌を始め、今もそれが継続されていると言う所。
朝早くには鶴は凍らない川のねぐらにいるが、7時過ぎるとここにご飯を食べにくる、と宿の親切なお姉さまに聞いたので来てみたのだが
 
おお、いるいる、その数10羽ほど。

タンチョウヅルは大正末期には20羽ほどにまで減ってしまったが、その後天然記念物に指定され、給餌などの活動もあって今は1000羽以上にまで回復しているとのこと。
渡り鳥だとばかり思っていたが、日本のタンチョウはずっと日本にいるそうで、それでも道東のあちこちに生息するツルが冬には凍らない川のあるこの鶴居村周辺に集まってくるのでここが有名なのだそうだ。

 
そんなわけでツルさんたち、お食事に熱心でなかなか顔を上げてくれない。
 
翼の一つも広げてくれないかな、と待っていると
 
仲間が飛んできて数がだんだん増えてきた。

しかしここに来た頃から降り出した冷たい雨が激しくなってきて、手も冷たい。
所詮150mm程度の望遠ではたいした写真は撮れないし、野鳥の撮影には自分にはない根気がいる。

 と言うわけで宿に戻って朝ご飯。
カメラおじさんたちは川のねぐらの方に撮影に出かけていたようで、どうりでサンクチュアリにいなかったわけだ。

食後は部屋で一休みしたが、バスはお昼までないのでまた外出。

 
今度はホテルTAITOから300メートルほど先の民宿つるいで立ち寄り入浴。
 
玄関を入るとすぐに受け付けがあって、入浴料は400円。その先にはいかにもな休憩所があって、ここは明らかに宿泊よりも銭湯のように使われている様子。

 
広い脱衣場から浴室に入ると湯気でもうもうの中にステンレスの浴槽が2つ。と言ってどちらも温度が違うわけではなく、43℃ほどの新鮮な温泉がざばざばとかけ流されている。
 
さらにその先のドアを開けると、塀に囲まれてこちらにも同じステンレスの露天風呂。
お湯は濃い緑茶のような色で、ここもモール泉で泡が立っているものの、なめるとホテルTAITOよりもずいぶん塩辛い味がする。そのためかツルスベ感はそれほどないが、入浴後のポカポカはこちらの方がずっと長く続く。
わずかの距離しか離れていないのにこれほど泉質が違うとは、だから温泉は面白い。

入浴後はさらに先のA-コープに行ってみたが、間の悪いことに棚卸中でお休み。
そこでホテルのお向かいの「つるぼーの家」と言うのを覗いてみると
 
まだ新しい施設らしくきれいで、村の特産品の販売の他にアイスクリームなどのイートインもある。
 やけにかわいらしいツルのキャラクターもあって、鶴居村はなかなかがんばっている。

散歩を終えたらホテルに戻って、レストランで休憩。
 ここでもこの村のタンチョウソフトが食べられるのだが、これがミルクというより生クリームのコクがあってすごくおいしい。これは外気温0℃でも食べる価値あり。

 と鶴居村を満喫してバスに乗ると
 
途中の鶴見台にも餌を求めたタンチョウヅルがいっぱい。雨の釧路湿原を眺めながら釧路に戻った。


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16年初冬の北海道 4 釧路湿原~ホテルTAITO

2016-12-23 23:25:50 | 国内旅行
11月30日 続き

帯広から釧路までの車窓には広々とした牧場が続く。
 
夏ならば緑なのだろうが、冬枯れで茶色い風景。

1時間半で釧路に到着したが、予定より1分ほど遅れている。
乗りたいバスの乗り換えには3分しかないのでダッシュで駅を飛び出し、乗り場がわからなくてうろうろしていたら目的のバスが発車しようとしているのを発見。
急いで駆け寄ったら運転手さんが閉めていたドアを開けてくれた。助かった~。

帰宅する高校生で一杯のバスは釧路市内を各駅停車でめぐって、車内がガラガラになってようやく市街地を抜けた。
そこから道は登りになり、駅から1時間で湿原展望台に到着。

 
小高い丘のてっぺんに建つちょっと変わった形の建物。
470円を払って中に入ると
 
子宮をイメージしているらしい館内にはタンチョウヅルやら谷地坊主やら、湿原に関するちょっと地味な展示が並んでいる。

さらに上がるとガラス張りの展望台があり、
 その上には外に出られる屋上があって

木々の向こうに茶色くなった湿原、右手の奥には釧路市街が見える。

ここで次のバスまでの1時間ちょっとを過ごそうと思っていたが、季節外れで他にお客さんもいないのでレストランは営業していない。
そこで荷物を預かってもらって、展望台の周りに作られた遊歩道を歩くことにする。

 
ところどころ凍っているけれど良く整備された木道をガシガシ歩き、1.1キロ先のサテライト展望台へ。

屋上とは反対方向のこちらの方が湿原らしい風景で、しかしここは緑の季節にもっとがっつり歩いてみたい所。

急ぎ足で戻って、次のバスでさらに30分で今夜の宿泊地、鶴居村に到着。

 先日の山梨県早川町に続いてここも「日本で最も美しい村連合」に入っているそうだが、まっすぐな国道沿いの街並みはやけに現代的で、こちらのイメージする「村」とはかなり違う。
 
バスを降りてすぐの所にあった宿、ホテルTAITO も温泉宿というよりもファミレスのような外観で意外。
 
ここはオーナーがプロの写真家ということで館内にはこの村の売りである鶴の写真がたくさん並べられ、通された部屋はシンプルな洋室でアメリカの田舎のモーテルといった雰囲気。

さて、ここまでやって来たのは実は鶴よりも温泉が目当て。
なので早速お風呂へ。
 
コインロッカーのたくさん並ぶ脱衣場はあまり広くないが
 
三角形の浴槽のあるお風呂場はカランも多く広い。ここの泉質はモール泉でお湯は濃い茶色。香りはちょっとアブラ臭がして、入るととたんにツルツル、スベスベ。しかも湯口にたくさん泡が見えるが、入っても体に細かい気泡が付くのがわかる。今年はなんだかツルスベ温泉にばかり入っていたみたい。
 庭には露天風呂も設えられていて、しかしこちらは外気温が低いのでちょっとぬるい。なので内湯でしっかり温まった。

ところでこちらの温泉、写真は夜中に撮ったので無人だが、夕方入った時には入浴客でいっぱいだった。
日帰り入浴を受け付けている22時までお客さんはひっきりなしで、朝も受け付け開始の11時から続々。
皆さん、近所の方のようで、普段からこんなお湯に入れるとは羨ましい限り。

 夕食は玄関を入ってすぐの所にあるレストランで。
 
焼き立てポークソテーが運ばれてくるのは珍しく、この他にもいも天やおそばが来てお腹いっぱい。

宿泊客はオーナーがカメラマンであるために写真愛好家が多いらしく、この日も自分以外はおじさんたちばかり。

なので夜中のお風呂は当然独占、ゆっくり楽しませていただいた。


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16年初冬の北海道 3 帯広散策

2016-12-22 19:29:36 | 国内旅行
11月29日 続き

帯広駅に到着したら、駅前のホテルに荷物を置いてすぐに2、3軒隣にあるお店へ。
帯広ではここの豚丼を食べようと決めていたのだが、閉店が19時なので急がなければならない。

その店とは表の看板にも「元祖」とある「ぱんちょう」
 
豚丼ということでなんとなく脂の染みついたような食堂を想像していたのだが、細長い造りのお店はこぎれいなそば屋という感じ。店の人たちがベテランのおばさまたちばかりなのもそば屋っぽい。

先客は3人だけで、有名店と聞いていたのでちょっと拍子抜けしたが、お品書きは潔く豚丼だけなので一番お安い「松」900円とお味噌汁を注文。ここは松竹梅の梅がなぜか一番お高くて肉の量が多いのだそうだ。

やがて登場した、これが元祖豚丼。
 ロース肉にもご飯にもたっぷりかけられたタレはうなぎのタレにそっくりで、これが嫌いな日本人はいないのではないか。炭火焼きされた肉には適度な厚みと噛みごたえがあって、これは竹にしておけばよかったか、と途中でちょっと後悔。

食べているうちにサラリーマンのグループが次々に入って来て、明らかに仕事明けの出張族。彼らのためにももうちょっと遅くまでやってくれればいいのに、と思う所もそば屋みたいだ。

夕食を終えて戻るのは駅からも見えるふく井ホテル。
 部屋の造りはごく一般的なビジネスホテルだが
  
ドアノブの札もランドリーバッグも豚さんなのがかわいい。

ところで駅前にたくさんあるビジネスホテルの中でここを選んだのは、勝手に温泉の先生にさせていただいている「温泉逍遥」のブログ主さんがこのホテルの大浴場を評価されていたから。

 そこで地下にあるお風呂に行ってみると
 
中央にマッサージ・チェアの置かれた畳敷きの脱衣場の隅にはタオルが山のように積まれ、小判型の浴槽の周りには三方にカランが並んで広々。
お風呂からあふれるお湯はウーロン茶のような色のモール泉だが、ここは源泉かけ流しとのことでちょっと熱めのお湯は鮮度よく、ここもまたお肌がすべすべする。

しかしここのお風呂でなにより感心したのはこまめに整頓がされていたこと。
2度入ったどちらでも従業員が点検に来てタオルを確認し、軽く掃除をしていた。
温泉旅館でもこれほど頻繁にチェックをするところはめったになく、これはすばらしい。


11月30日

と言うことで翌朝も朝ぶろをいただいてから食堂へ。

このホテルの朝食は和、洋、中華粥にコンチネンタルのチョイスがあるのだが、軽めのコンチネンタルを選んだら美しい盛り付けのフルーツとパンが来て
 
その他に飲み物やサラダなどのビュッフェもあるのだから十分すぎる内容。
これで1泊4800円とは、日本のビジネスホテルは素晴らしい。

さて、本来であれば観光地ではない帯広は朝一番に出てしまう所だが、例によってスーパーおおぞらが運休しているためお昼近くまで列車がない。

そこで駅のロッカーに大きな荷物は預けて帯広をうろついてみることにする。
 
駅前の温度計は2℃だけれど、空は雲一つないし風もなく、道路にも雪はほとんどないので大丈夫。

帯広も札幌同様、直線の街割りなので道の向こうに日高の雪山が見え
 
歩道のあちこちに動かない鹿たちがいる。

駅前の大通りをまっすぐ歩いて、やってきたのは帯広一の有名店、六花亭本店。
 
さすがに大きな店で雰囲気も高級、他では見ないようなお菓子まで揃っているが、包装紙柄の文房具まで売っているとは、六花亭さんは商売がうまい。

他にもクランベリーとか柳月とか有名なお菓子屋さんがいくつもあって、十勝・帯広ブランド強し。
 
駅にもとかち物産センターなどあるので、ここでお土産はいくらでも買えてしまう。

そんなことをして時間をつぶし、少し早めに改札で聞いてみると列車はもう用意ができているとのことなのでやっとホームへ。
 本日は臨時快速の釧路行き。
 
乗客も少なく、ゆったりとした座席に座って
 六花亭本店限定発売のお菓子で本日のお昼。
右は中にカスタードクリームの入った「サクサクパイ」。これもおいしかったけれど、特筆すべきは左の「十勝帯広発」というお菓子。これも上下はサクサクのパイだが、中に挟まっているのがホワイトチョコでコーティングをしたラズベリーチーズケーキ。これが甘くて酸っぱくて、うま~い。

物産センターで買ったジャージー牛乳はイギリスの給食牛乳の味がして懐かしかった。
  

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16年初冬の北海道 2 落部~帯広

2016-12-20 18:20:32 | 国内旅行
11月29日

 
男女入れ替わった大浴場の露天で目を覚まして
 食堂で朝ご飯。
みみのりのお味噌汁とヤクルトがうれしい。

本日の出発は10時とゆっくりなので、朝食後にもう一風呂。
 
どんぐりの湯も昨晩降った雪のためか、ちょっとぬるめかな。

若女将の運転ですっかり白くなった道を落部駅へ。
 
雪が降り始めは地元民でもスリップを起こしやすくて怖いそうだが、安全運転で無事に長万部行きの列車に乗車。
銀婚湯は本当に気持ちのいい旅館で、今回もお世話になりました。

落部から長万部は各駅で53分。
 
 
乗り換えの合間に観光案内所を覗いてみると「まんべくん」押しだったが、キオスクで「長万部限定あめせん」なるものを購入。これ、南部せんべいの間に水飴が挟まれているのだが、飴が歯に付きまくって食べるのは大変。

 長万部からは札幌行きのスーパー北斗に乗車。
 
次第に青空が広がってきて、室蘭に近づくと大きな工場が見えてくる。

東室蘭でスーパー北斗を降りて、室蘭行きの各駅停車に乗り換え。
 
行き先表示板を手で換えているのだが、反対側は窓から身を乗り出して交換するのにはびっくり。

さて、わずか4駅しかないこの盲腸線に乗ったのは室蘭ではなく、その手前の母恋に行くため。
 
この小さな駅の駅弁が買いたくてわざわざここまで来たわけ。
 
待合室の一角にある、これがあこがれの「母恋めし」の売店。売り場にはあと1つしかないが、自分の分はちゃんと電話予約してあるので大丈夫。
 
1188円を支払って、さっそく待合室のベンチで風呂敷包みを開く。
 
中には大きな北寄貝の中におにぎりが一つ、貝殻付きではないおにぎりも一つ。ほかに茄子の漬物、燻製卵に燻製チーズ、ハッカ飴も2つ入っているのだが、北寄おにぎりのおいしさはもちろん、おかず類も全部おいしい。包装も手が汚れないようによく工夫されていて、これはここまで来た甲斐があった。実は東室蘭でも受け取ることはできるのだが、ここで買えて大満足。

と、母恋の駅からは一歩も出ることなく20分後の折り返し列車で東室蘭に戻って、またまたスーパー北斗に乗車。
 
苫小牧の手前では個性的な姿の樽前山がきれいに見えた。

乗車1時間弱の南千歳でまた乗り換え。
帯広に向かうべく、本来はスーパーおおぞらに乗るところだが、この夏の台風で途中の橋が流されてしまい、いまだに復旧されていない。

そこでまず南千歳からトマムへ臨時特急に乗車。
 
かなり座席の埋まった列車が走りだすと
 
今までとは一転、雪が降り出して周りの景色は真っ白。

1時間15分で夕暮れ迫るトマムに到着すると、まずはこの駅で下車する人たちが降りる。
8割方降りた人たちのほとんどは中華系の人たち。ホテルの送迎バスに乗って行ってしまったが、北海道の観光業はまさに中華系さまさま。

しばらく待たされてようやく準備が整い、トマムから先へ行く代行バスに乗車。
 
寒い中、外で働く駅員さんたちは大変だが、帯広直行バスに乗ったのはわずか10名ほど。

 真っ暗な道を走って、1時間ちょっとで帯広駅に到着した。


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16年初冬の北海道 1 銀婚湯再訪

2016-12-18 19:25:34 | 国内旅行
2016年11月28日から12月3日まで 北海道の旅

11月28日

恒例、大人の休日倶楽部パスの旅、ちょうど秘湯を守る会のスタンプが10個たまったので、3年前に行った銀婚湯にご招待していただくべく、北海道まで足を伸ばすことにした。

出発は初めて乗る北海道新幹線のはやぶさ。
 とは言えサイドのラインが紫ではなくピンクと言うことはJR東日本の車両で新しいところはなし。
しかし銀婚湯の最寄駅の落部に行くのに以前は6時34分発に乗らなければならなかったが、今回は8時20分発で随分楽になった。

4時間の旅のお供に本日は南仏風ブイヤベースごはん弁当という変化球を選んでみた。
 
ジャワティー付き1100円、魚貝系のおかずがいろいろ入ってご飯もおいしいけれど、魚の匂いが結構強くて、他のお客さんにはちょっと迷惑かも。

新青森まではあっという間、その先はJR北海道の管轄になって「車窓の風景をお楽しみください」なんて車内放送も入るが、青函トンネルはもちろん真っ暗、地上に出てからも両サイドは防音壁にがっちり囲まれて風景はほとんど見えず
 外が見えたと思ったらもう新函館。

乗り換え時間が12分なので新しい駅舎を見学する暇もなく在来線ホームへ。
 
 乗車位置を示す表示は数字ならぬアルファベットになっていて、それぞれサーモンだのポテトだの北海道らしい名前が付いているが、これは親切なのだろうか。

 ここからはスーパー北斗に乗車。
 
前回と全く同じ日に来合わせたが、大沼は半ば凍っているものの今回はまわりに雪はなし。
しかし沿線の木は倒れたり折れたりしたものが多くて、これはこの夏の台風の被害だと後で聞いた。

30分弱の乗車で森駅。ここでの乗り換えが今度は43分もあるが
 
駅前の温度計が3℃では周りをうろつく気にもなれず
 
大谷君だらけの駅舎内で時間をつぶす。

 
13時1分に森駅を出て海沿いを走り
 
宿の若女将が待ってくれている落部駅には14時6分に到着。前回に比べて所要時間が1時間半短くなった。

宿に向かって走り始めると細かい雪が舞い始めたが無事に到着。
 
すぐに案内されたのは今回は新館。
 
トイレ、洗面付きの部屋は一人なのに10畳と広くて、お金を払って泊まったのは一番安いお部屋だったのに、と恐縮してしまう。

今回は一泊だけなのでゆっくりしてはいられない。
暗く前に行かねば、とフロントで鍵を借りて貸切露天へ。

 
今回もつり橋を渡って
 
落ち葉を踏みしめてやって来たのは「もみじの湯」。ここは前回訪問時には入れなかったので、これで銀婚湯のお風呂はすべて制覇したことになる。
   
大きなもみじの葉はもちろんもうすべて落ちているが、石造りの浴槽に満ちた笹濁りのお湯には黒い湯花が舞い、外気でちょっとぬるめになっているのでゆっくり入れる。やっぱりここまで来てよかった!

一湯目を堪能したらじきに食事の時間。
  前回は部屋食だったが、食事処が個室に改装されて今はこちらで夕食になった。
 
既に食卓に並べられていただけでもこれだけの品数。
 
新鮮なレバーまで乗った鶏鍋はすごいボリュームで、さらに揚げたての天ぷらが来る。
 
とうもろこしご飯もおいしいけれど当然完食はできず、デザートはもちろん部屋に持ち帰り。
相変わらず太っ腹な食事にしばらくは動くこともできない。

 
と言うわけで内湯は夜中に入って、羽毛で軽くなったお布団でゆっくり休ませてもらった。


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「クラーナハ 500年後の誘惑」@国立西洋美術館

2016-12-17 16:48:38 | 機内食・映画・美術展
ものすごく久しぶりに上野の国立西洋美術館へ。

  
インドのチャンディガールまで行きながら、足元のこちらでル・コルビュジエの建築を鑑賞しないのももったいない話。
 
1959年完成の古さが新しく感じるなあ、なんて思いながら
 地下の「クラーナハ 500年後の誘惑」展へ。

クラーナハ(普通はクラナッハと呼んでいるので違和感があるが)はヨーロッパ、特にドイツ語圏の博物館に行けば必ず何枚かはある画家なのでおなじみだが、日本での回顧展は初めてとのこと。
昔からこの画家の描く女たちの貧乳にシンパシーを感じて(笑)好きだったし、最近読んだ「ウルフ・ホール」という小説に「クラーナハの豚顔の美女」みたいなセリフが出てきて面白かったので、改めて見てみようと思った次第。

今回の回顧展でありがたかったのはあまり知らなかったクラーナハの経歴が年代順に追えてわかりやすかったこと。
30代から宮廷画家となり、人気が出て工房を構え、同じような絵を大量生産したそうだが、この時代の画家には「芸術家」というコンセプトはなかっただろうし、職人というよりは現代の売れっ子漫画家がプロダクションにアシスタントをたくさん抱えて週刊連載を何本もこなすようなものか、と考えたらストンと腑に落ちた。

肖像画を見れば人気が出た理由も納得で、特に女性像には皮肉もスパイス的に感じられて非常に魅力的。
お友達のルターの若い方の肖像画が特に良くて、よほど仲が良かったのかな、なんて思ってしまう。

そのルターの宗教改革とクラーナハの女性ヌード量産には矛盾を感じていたが、ヌードは工房維持のための大切な商品、ルターはお友達なので協力もしたけれど、画家本人は宗教にはさほど熱心じゃなかったんじゃないだろうか。
そう考えれば晩年はカソリックの宮廷に移ったと言う点も理解できるし、宗教原理主義者よりもまともな企業経営者として共感できる。

裸体像の方は60を過ぎてから量産し始めたと言うのが意外だったが、丸顔に小さな目が確かに豚顔。
しかし誘うようなまなざしとか、首を飾る宝石とか、やっぱり魅力的。

展示で特に面白かったのは「正義の寓意」を飾った部屋。
 これがその本家なのだが
 大きな壁面いっぱいに100枚近く同じ絵が並び、しかしよく見るとこれらがすべて模写で、なかにはへたくそなものも混じる。
これはレイラ・パズーキというイラン人アーティストが中国の複製画村として有名な大芬油画村の画家たちに一斉に模写をさせたインスタレーションだそうで、なんとも皮肉が効いてインパクト大。

日本では知名度が低くて地味な展覧会かもしれないが、面白かった。


上野からは人形町に移動して、久しぶりにごひいきのユニオン・サンド・ヤードへ。
ランチ・メニューにファラフェル・ラップがあったので注文してみると
 なんだ、この大量の野菜は!

頭もおなかもいっぱいになった。


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新丸子でイサーン料理@「クルワ・プリックタイ 」

2016-12-14 18:45:07 | 食べ歩き
フランス在住のタヌ子さんが一時帰国中に行ったと言うタイ料理屋さんがあまりにもおいしそうなので、早速友人たちを誘って縄張り荒らし。

新丸子と武蔵小杉のちょうど中間あたりにあるこちら。
 「クルワ・プリックタイ 」
暗い通りにここだけ明るいのですぐにわかるが
 
店内はこじんまりと4人掛けテーブルが5卓、すみにはタイカラオケ・セットもスタンバイ。と言っても清潔な店内で怪しいところはみじんもない。

席に着いて愛想の良いタイ人マダムからメニューを受け取ると、ここはイサーン料理を得意とするとのことで普通のタイ料理屋では見ないようなメニューがずらり。

メニューの表紙からしてこれ↓だし
 
 裏の方(笑)にはこんなものまであって思わず興奮。

とは言え自分も辛いものは得意ではないし、今回のメンツはレディースなのであまり癖の強すぎない物を選択。

まずは定番のソムタム。ただしコームーヤーン(豚の首肉)が入っているところがイサーン風。
 
カオニャオは必須で、辛くしないでとお願いした割には辛いが、甘さや酸味のバランスがよくておいしい。

イサーンとなればこれまたマストのラープはガイ(鶏肉)を選択。
 料理が登場した途端にタイのハーブがガツンと匂って、これがたまらん。

 ガイヤーンは甘口だが、これもターメリックやスパイス使いが絶妙。
 野菜炒めには味噌になりかけのような大豆が入っていて、これが独特の風味を足している。

スープはモツ系のマニアックなものが多いが、同行者が苦手なので無難にシーフード。
 しかしこれも酸味が効き、バジルがふんだんに入って普通じゃない。

 ゲーンは発酵竹の子入りというのがあったので頼んでみると、シナチクのようでこれまたおいしい。はじめ甘くて後から結構な辛さが来るが、これはこの店では承諾書の対象ではない。

最後はこれが食べたくて来たのに注文し忘れていたチェンマイ風ソーセージのサイウア。
 レモングラスが効いて、タイで食べる味そのまま。

 途中には「サービス」と豚皮の揚げ物まで来て、本当にタイでご飯を食べているみたい。

全体に味はしっかり目だが、ハーブやスパイス、発酵調味料がたくさん使われていて味に深みがある。
ここは絶対に何を注文してもおいしいはず。

マダムはイサーンならぬバンコクの出身だそうだが、おしゃべり好きで明るく、とても感じがいい。
後から来たお客さんたちもタイ好きの日本人ばかりのようで、タイ料理が食べたい時はもうここにしよう。

いいお店を紹介してくれたタヌ子さんに感謝!


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身延山久遠寺

2016-12-13 18:26:32 | 国内旅行
奈良田からのバス、「身延山に行くんでしょ?なら途中で乗り換えて」と運転手さんに教えられ、無事門前町に到着。
 
仏具と土産物の店が並ぶが、平日のため人の姿はほとんどない。

山門の向かいには立派な公衆トイレがあり
 
使えるのは善男善女だけらしい。

大きな門をくぐれば、その先は日蓮宗総本山、久遠寺。
  
 大きな紅葉が鮮やか。

さて、では本堂へ、と先に進むと
 前に立ちはだかるのは287段の笑っちゃうほどの急階段。
これを無事に登り切れば涅槃に達するというのだが、同行のコッコロ・マダムはとても無理と言うので
 
その脇の男坂を上る。
 途中には南天が赤い実をたくさんつけてきれいだったが、マダムにはこちらでもだいぶ大変だった様子。
身延山には以前家族で来たことがあるが、その時には車で本堂近くの駐車場まで上がってしまったので、下からのアプローチがこんなに大変だったとは知らなかった。ごめんよ。

汗をかきつつ上に上がれば
 
前に来た時には修復中だった五重の塔やら本堂やら、立派なお堂がずらりと並ぶ。
境内には黒いスーツ姿の大団体がぞろぞろ歩いていて、さすが羽振りのいい日蓮宗だ。

ところで苦労してここまで上がって来たのはこの先にあるロープウェイに乗りたいから。
 
全長1665メートル、高低差763メートルは関東一だそうで、7分間とは言え結構乗り出がある。
 ただし期待したほど紅葉は見えなくて、聞くとこの山には紅葉する樹木はあまりないのだとか。
 展望台から見えるはずの富士山も残念ながら雲の中。これは確か前回も見えなくて、身延山との相性はあまり良くないのかも。

とは言えせっかくここまで上がって来たので、少し先の奥の院へ。
  
日蓮上人お手植え、樹齢700年の杉を眺め
 
思親閣にお参り。

ロープウェイの駅に戻ると、2階に食堂があるのでここでお昼。
 
温かいゆばカレーうどんがうれしい。

ロープウェイから降りた後は、今度は甘露門から出て少し緩やかな女坂を下る。
  
 勾配にさほどの違いは感じないが、途中の湧水が甘露、甘露。

バスの時間までは門前町を冷やかして歩く。

目についたのは渋い目薬。
 
すっきりした使い心地の朝光水、以前は店の奥で作っていたらしいが、今は薬事法でそうはいかないらしい。
 
いかにも門前町らしい生湯葉は買ったら保冷材として冷凍になったおからを付けてくれて、これはグッドアイデア。
このおからももちろん煮物にしておいしくいただいた。

 身延山のバス停からは新宿行きの高速バスが出るので楽チン。

また立ち寄ったのぼりの釈迦堂SAは信玄餅、信玄アイス、信玄プリンと桔梗屋さん一色。
 思わず買ってしまった信玄餅パンはイマイチだったが、信玄まんじゅうはなかなかの傑作。オリジナル信玄餅より好きかもしれない。
風林火山のお茶まで出して、桔梗屋さんは攻める、攻める。

近場の一泊ながら、山梨も満足度高し。 


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奈良田の朝散歩

2016-12-12 19:55:24 | 国内旅行
白根館の朝はもちろん露天から。

 
湯船から紅葉を眺めつつ、関西からいらっしゃったという奥様とまた秘湯の情報交換。
岐阜にいい温泉旅館があるとのことで、これはまた行かなきゃ。

お風呂に入ると夕べあれだけ食べたのにまたしっかりお腹がすく。
 白米に黄色いキビが混ぜられたご飯が珍しい。

 身延に戻るバスにはまだ時間があるので、食後は宿の周りをちょっとお散歩。

白根館は山奥の一軒宿だとばかり思っていたがさにあらず。
バス停からは見えなかったが、白根館の先には家が密集する小さな集落がある。
 
ダム湖に沈んでしまった家々が移されたものだろうが、小さな畑が作られていたり、静かなたたずまい。
 こちらは民宿だろうか、その先には「奈良田の里」という結構大きな立ち寄り温泉もある。 

 
小さな天神様に道祖神。
 
きれいなもみじの先には
 白壁の歴史民俗資料館。少し離れて山岳写真館もあるのだが、時間が早くて中を見ることはできず。

さらにちょっと行くと大きな古民家が出現。
 「鍵屋」と名付けられたこの築200年ほどの家は富士吉田から移築されたものだそうだが、現在はカフェになっている。
とは言えまだ開店一時間前の準備中、中を見るだけでもさせてくれないかな、と窓の中を覗きこんでいたら、「コーヒーだけでしたらお出しできますよ」とお姉さんが顔を出してくれた。
それでは、とお言葉に甘えて入れていただくと
 
手前の土間部分には近隣のユネスコエコパークの案内があり、上がると板敷のカフェスペース。
  
 一つだけ残っていたというエゴマチーズケーキもいただいたが、半分づつでも大きくて、朝食をいただいたばかりの身には苦しい。でもプチプチの食感が楽しく、それ以上にお姉さんたちの親切がうれしかった。ごちそうさま。

カフェでついゆっくりしすぎてしまい、急いで宿をチェックアウトして既に待機中のかわせみ号に乗車。
 
水を放流中の奈良田湖を後にした。


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コメント (2)
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