prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「FOUJITA」

2015年12月09日 | 映画
始まって間もなくキャンパスに細い筆で描かれる線の見事さ。リアルに面から立体へと描写を深めていく西洋絵画とは対照的に線ひとつですべて表現してしまう日本絵画の伝統的な体質が垣間見える。もちろん浮世絵がちらっと参照されるし、映画には出てこないがフジタの猫の画でも随所に細い線の表現力は随所に現れていた。
さらにこの線描は画だけでなく、フジタの腿に線だけで描かれるタトゥーとして再生されることになる。

遠近法、見せかけの深みへの抵抗というのは小栗康平の前作「埋もれ木」の製作に関するインタビューでも語られていたことだが、ここでも社会・時代的背景であるとか家族ほかの人間関係といった遠近法の中で人間を位置づけるといった操作を拒絶している。
まさかそういった背景なしに一個の人間がぽつんと自立してありうるわけはないが、かといってそういった近代的な枠組みに近代の日本人がうまく嵌まったかというとかなり危なっかしい。どこかそれこそ線の上を歩いている姿とも見える。

小栗康平らしいとしか言いようのない、芸術性・作家性を微塵も疑わせない作り。ラストに「小栗康平監督作品」とでかでかと出るのはどうかと思ったが。
ふつうのドラマ作りだったら切り捨てられるところをピックアップする「間」を重視しているのは、いつもの小栗作品同様だが、「眠る男」「埋もれ木」と続いたオリジナルシナリオ作品とやや違うのは、やはり実在の人物をモチーフしているからだろう。抽象化が行きすぎず、もう少し地に足がついた感じ。
撮影・照明・美術・衣装などスタッフワークが素晴らしい。

パリでも狐の嫁入りを芝居がかった表現でやっているのを、日本ではCG丸出しの狐で再現してみせる。パリにいるフジタが偽物で日本にいるのが本来の姿、というわけではないのだろう。

オダギリジョーは姿形を似せているだけでなくフジタの内面を表現しているの「ではなく」、内面といったものがあるのかどうか怪しいのを体現して見せている。

一種の軽薄さ、という点ではフランスで活動している時も、軍国主義の日本にいる時もそれほど変わらない、と言える。ルーブルで猛勉強したのは事実だろうけれどそれをわざわざ仲間内でいうあたりが性格描写というより画家としての自己顕示欲の顕れで、それはかなり芸術家の本質にもつながってきているようでもある。

「伽耶子のために」でも古道具市を道端で開いているシーンが奇妙に印象に残ったが、ここでのパリでも古道具市が開かれている。モノがそこにあるべきところにない状態、というのか調和から切り離された状態というのは「伽耶子」の在日の青年にも、フジタにも共通している。

ほとんどフィックスの動きの乏しい抽象化された画面が連続していたのが、ラストのキリストの磔刑図をぐるっとパンと移動を併用しながら捉え、使徒姿のフジタで止まるカメラワークだけカメラの動きが目立つ。結局こうしてヨーロッパと日本の間を揺れ動いていたのかと思わせる象徴的な動きだった。
(☆☆☆★★★)

映画『FOUJITA』 - シネマトゥデイ

公式ホームページ

FOUJITA@ぴあ映画生活



本ホームページ



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2015年12月09日 | Weblog

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12月8日(火)のつぶやき その1

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スタローンはドラコ役のドルフ・ラングレンともずうっと仲良くしてるものなあ。一緒に来日して相撲見に来たらしい。 #tama954

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無名時代のスタローンが出たポルノ「イタリアン・スタローン」Party at Kitty and Stud'sを見るとスタローンが仮性包茎だとわかるらしいw #tama954

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この分だとスタローン抜きでも「ロッキー」続きそう。 #tama954


ちなみに1ラウンド3分間カットを割らないでボクシング・シーンを撮ったのは、チェ・ミンシク、リュ・スンボム主演の韓国映画「クライング・フィスト」でもやってました。 #tama954

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イヴリン・ウォーの「囁きの霊園」が現実の世界に。「スター・トレック」のプロデューサー、ジーン・ロッデンベリーは宇宙葬だったとか。 #daycatch


『ファンタスティック・プラネット』に戻ると、ルネ・ラルー監督の経歴が面白い。彼は1955年から4年間、あのラ・ボルド精神病院に勤務している。つまりジャン・ウリやフェリックス・ガタリの同僚だった。ラルーの初フィルム『猿の牙』は、治療の一環としての患者たちとの共同作業から生まれた。

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最近みかんのむき方の本が流行ってるようだけど、みかんのむき方ならうちの爺さんがダンゴムシをヒントに編み出したこれが一番に決まってんだろ。みかん中の急な来客にも収納対応で乾くのを予防できるし、ゴミも無駄にスタイリッシュなんだぜ? pic.twitter.com/eBM5ETq3tC

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これは以前も書いた覚えがあるが、小説はなぜ「小さい説」なのかというと、明治までの教養人の必読書がいわゆる四書五経、漢詩漢文の類いで、これが「大説」なんですね。大説に比べて、教養のない人間が読むものが小説、だったらしい。

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#1日1本オススメ映画 『ハスラー』若いPニューマンに追いつめられた王者ミネソタ・ファッツ(デブ)が手洗いに立ち、ゆっくり手を洗い、髪を整え、手や首筋にパウダーをつけてリフレッシュする姿にしびれた。吉行淳之介が麻雀でよくまねしたとか pic.twitter.com/gxaUjw3TKU

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自動車教習所での一番の思い出は指導員がいきなり 「ウホっ!あぶないウホウホ!よく見てウホ」 といきなりゴリラ語で注意してきて 「なんだこいつ」 と思っていたら普通に「ウホ=右方」だったことですね

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | 919 RT

公開されていない「スター・ウォーズ フォースの覚醒」がノミネートされているのだな。まあ最高レベルなのは間違いないでしょうけれど。 twitter.com/cinepre_topics…


さっき駅で

子供「しゃしょうさんばいばーい!」

車掌「ばいばーい!(笑顔で」

子供「うわっしゃべった」

車掌「( ・_・ )」

っていうやりとりがあって震えてる

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | 554 RT

しかもその後にできる水酸化ナトリウムはタンパク質を溶かす劇薬。微量がついた手で目をこすって七転八倒したことある。 #ss954 twitter.com/Simon_Sin/stat…


中学の時の理科の教師がどういう事情があったのか金属ナトリウムを雨の中に運んだのを「恐怖の報酬」そのままだったと語っていた。 #ss954


j-cast.com/2013/09/191842… 最近の日本にもいました。 @suika_sirasawa 水酸化ナトリウムで遺体溶かしていた連続殺人犯が居たの英国だったっけ? #ss954


廃炉作業中のようです。ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B5… … @white198305 「ふげん」はどうなったんだっけ。#ss954 なんで「ふげん」は廃炉にできて「もんじゅ」はできないんだ?


もんじゅ君 @monjukun の「最近の再稼働のお話と、覚めない「もんじゅの夢」のこと。」ほか politas.jp/features/6/art… #ss954