prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「リトルプリンス 星の王子さまと私」

2015年12月14日 | 映画
「星の王子さま」と、登場人物である飛行士のその後の年取った姿と、隣の家の女の子との交流とを平行して描く構成。
老飛行士と少女の場面はの3DCGアニメ、「星の王子さま」そのものの部分はオブジェクト・アニメ(エンドタイトルにそう表記される)で処理していて、特に原作の絵柄を壊さないよう腐心しているのが伝わってくる。

小説の中のキャラクターに対応するキャラクターが現実の都会に現れるというのは「オズの魔法使い」以来の(もっと前からあるかな?)趣向だけれど、都会に行くのが後半までかかるというのは異色。ふつうは最初に異世界に行った子供がラストで戻ってくるのだが。

ほめられたくて仕方ない王様の取り巻きが何かというと拍手するのだが、何だか共産国の大会みたいなまるで心のこもっていない拍手みたい。

もともと「星の王子さま」ってかなり寓意の解釈に幅が出てくるのだが、ここでは割と最大公約数的な行き過ぎた資本主義の貪欲ぶりにおおむね焦点を合わせてある。

母親が全部娘の教育スケジュールを一時間単位て先の先までびっちり作っているというマンガチックな表現はおもしろいけれど、あとであまり回収していないのね。というか母娘関係についてはそれほど深刻な危機にさらされるわけではない。後半の灰色の都会に母親に当たるキャラクターが出てくるかと思ったのだが。

ラストで自身つまらない大人に「成長」してしまっていた王子さまが子供の姿に戻るのをここだけ3DCGアニメで描いているのだが、本来生気を取り戻しましたという表現になるはずがなんだか「美女と野獣」で野獣が王子に戻った時のような白々しさがついてまわるのは困ったもの。何かそれまでくたびれていたりそれ退廃していたりしていてもそれなりに生命を吹き込まれていたキャラクターを一瞬でひっくり返そうとするところに本質的な矛盾がある気がする。

女の子の歯並びが少し悪い、というのは歯並びを治していられるほど裕福ではないということだろう。

知る限り映画史上、「THX1138」「セブン」「進撃の巨人 前後編」に続く四本目のエンドタイトルが下から上へ流れる映画ということになる。
(☆☆☆★)


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リトルプリンス 星の王子さまと私@ぴあ映画生活

映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』 - シネマトゥデイ

12月13日(日)のつぶやき

2015年12月14日 | Weblog

ふたり #1日1本オススメ映画 モロッコからパリ、それからニューヨークに至る旅に、ベトナム戦争で徴兵拒否した男(という社会性)とモデルの女とのつかの間の恋を織り込んだ、アンリ・ドカエの撮影を得たロバート・ワイズの映画作りの巧さ。 pic.twitter.com/CVR85gpDhg

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#1日1本オススメ映画音楽 ニーノ・ロータの偉大さを改めて称揚しましょう。ということでとりあえず「ロミオとジュリエット」。youtu.be/C86jyXkNxtU

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正直、もう誰がスティーブン・ソダーバーグ監督で、誰がペイトン・リード監督で、誰がグレッグ・モットーラ監督でもいい気がしてきました。 pic.twitter.com/26FCQ3ICV7

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | 330 RT

患者さんにもクリスマスを感じてほしい!病院内のオリジナリティー溢れるクリスマスデコレーションの数々 karapaia.livedoor.biz/archives/52207… @karapaia


【本棚登録】『ビッグコミック 別冊ゴルゴ13シリーズ NO.150』 booklog.jp/item/1/B00HH7V…


大学生の頃、飲み会で「女を落とすならストーカーしろ。偶然を装って何回も会うんだよ。そうすると女も運命だと思い始めて上手くいくんだよ。これで俺は何人も落としてきた」と語る先輩に、後輩の女の子が言い放った「落とすって恐怖のどん底にですか?」ってセリフに僕たちは惜しみない拍手を送った。

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