ジャーナリティックに事件の背景を探っていったりするのではなく、何か破滅的なもの、この場合は殺人だろうが、その殺人そのものが登場するのはかなり終盤に近くなってで、まず人物だけでなく日本のさまざまな風景までほとんどできるだけ手を広げるだけ広げて、ばらばらになった破片をつなぐ何かを探す。
それにしてもそれほど絵面としてどぎつい場面はないのにこの荒涼感はどうだろう。また廃墟が改めて美的に捉えられるわけでもないし、花見で木に上って花びらを散らす場面など美しいには違いないがこれマズいだろうと思わせたり、美醜が二分されず混沌としている。
ところどころに人形劇、あるいは仮面劇がはさまるのが生死のあわいを行き来しているようで、ラスト人間たちが野原で人形のように突っ立っている中で昼の光を受けて人形(仮面)劇が演じられて再生が象徴的にやや心細げに描かれる。
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映画『ヘヴンズ ストーリー』 - シネマトゥデイ