prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「恋人たち」

2015年12月18日 | 映画
こういうとなんだが、これだけイケメンでも可愛くもない顔が並んだ日本映画はひさしぶりに見た。そういう顔が商業的に並ぶ光景に食傷気味だったので一種の覚醒を覚えるけれど、爽やかというわけではない。映像的な美しさとか愉しみといったものも薄く、何か簡単に気持ちよくさせないぞといった意思みたいなものを感じた。

美女美男ではなくても何か「いい顔」「いい面構え」が並ぶのが映画、というなんとなくの思い込みがあったのだが、ここではそれなりにイケメン風だったりするマスクも登場するのだが不思議なくらい、ああいい顔ねという反応をおよそ呼ばない。懐かない顔というか、かといったアウトロー風というのでもない。

リリー・フランキーや光石研といった馴染みのある顔が出てくるとやや違和感を覚えるくらい見たこと感の薄い顔が並ぶ。出演者たちにこれから馴染んでいくことになるかもしれないが、この見たことのない感じは残ると思う。

東京の水路に漬かった高速道路の柱脚がどの程度老朽化しているかチェックする会社の社員が主役の一人なのだが、その老朽化した状態がそのまま今の日本社会を象徴ですという調子でなしに象徴になっている。

とにかくどうしようもない連中のどうしようもないエピソードが交錯しながら描かれるのだが、それが私小説的な憐憫とも社会派的な告発とも離れている不思議なタッチだが、まぎれもなくこれ今の日本の風景ではあるという手応えはある。
(☆☆☆★)

恋人たち 公式ホームページ

恋人たち@ぴあ映画生活

映画『恋人たち』 - シネマトゥデイ



本ホームページ

12月17日(木)のつぶやき

2015年12月18日 | Weblog

インサイダー #1日1本オススメ映画 内部告発者やジャーナリストの正義感だけでなく保身や打算も含めて描かれる一方、全部存命中の人物が実名で登場する腹のくくり方がアメリカらしい。演技陣も画も音もすごい厚み。マイケル・マン監督。 pic.twitter.com/xXV2cFA5vs

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【本棚登録】『十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争』峯村 健司 booklog.jp/item/1/4093897…


#1日1本オススメ映画音楽 タルコフスキーの「ストーカー」で、わざと列車の轟音で聞き取りにくくしたタンホイザーにラ・マルセイエーズに第九。お馴染みの曲がざらっとした音そのものになった衝撃。


『皆殺しのジャンゴ』
大ヒットした『続 荒野の用心棒』の続編を作らなかったコルブッチに業を煮やしたイタリアのプロデューサーが考えた奇策がこの作品。試写を観た関係者は皆が主人公をフランコ・ネロと思ったらしい。
#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/BpTIWzVQbo

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | 16 RT

「若年層にお金が無い」という事を実感できないバブル世代の人達が、お昼ご飯に900円の定食か、700円のラーメンか、380円の牛丼か迷った時、若年層の3割程は「食べない」という選択肢を選ぶ事を知らない

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | 3200 RT

澤穂希を自民党が次の選挙の候補者に立てやしないかと勝手にひやひやしている。 #ss954


「素晴らしき戦争」
第一次世界大戦の勃発と終結までをブラックユーモアなミュージカル風に紹介する映画。
誰もが想像していた勇壮で綺麗な戦争は泥と死体まみれの塹壕で打ち砕かれる。ラストシーンは、圧巻。
#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/qj7IrlPlO0

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | 11 RT

忘れないでほしい。2015年のいま、1977年の映画「スター・ウォーズ」を語るということは、1977年のころ、戦前のジョン・フォードの映画「駅馬車」を語るに等しいことを。そういうことを考えながら、生まれたのが、新潮新書「スター・ウォーズ学」なのだ。

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | 40 RT