セリフに頼らない、サイレント映画的な、つまり映画の原点に戻ってやろうという意気込みを感じさせる。
役者たちにとってもセリフが奪われているだけに腕の見せ所だし、大人も子供も横一線になっているようなアンサンブル。
もちろん今の音響技術がある分、静けさの中の小さな音がクリアに表現できて緊張感を高められるし、大きな音のショック演出も生かせる。
サイロに貯蔵された穀物を使った見せ場がドライヤーの「吸血鬼」か「刑事ジョン・ブック 目撃者」を思わせてさらにもう一発ひねっている感。
一家の女の子があまり可愛くない、なんだかスーザン・ボイル系の顔というのが何かリアリティがある。
ホームドラマとしては、初めから家族が相当に壊れていてそれを再構築するための言葉が欠けている、あるいは封じられているというのがひとつの寓意になっている。
この映画の音と撮影との関わりについては、コダックのサイトより音を撮る 撮影監督シャルロッテ・ブルース・クリステンセンに詳しい。
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