ただバブルそのものは背景で、本筋は修道院育ちの孤児だったヒロインが年寄りの金持ちの男に見初められて結婚するがなかなか跡取りの男の子ができず、そのうち夫婦の肖像画を描くよう頼まれた若い画家といい仲になり、という不倫ドラマ。
ドラマは家住み込みの小間使いのナレーションで運ばれていくのだが、この小間使いと出入りの魚の行商をしている男がまたデキてしまい、という話が並行して展開する。
ただ後半両者が絡んでひとつになるあたりからシチュエーションとしては完全にコメディなのだけれど描き方としては大まじめといういささか困った状態になる。
笑えるように描けば通るところ、こんなバカなことあるかいと思わせてしまう。
バブルがはじけるあたりも、本来だったらもっとワサビが効いた描き方ができるところだろう。
アリシア・ヴィキャンデルの端正で絵画的な美貌が一番のお楽しみ。
クリストフ・ヴァルツが毎度のイヤミったらしい役かと思わせて外しているあたりも面白い。
「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」 公式ホームページ
「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」 - 映画.com