prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「若おかみは小学生!」

2018年10月14日 | 映画
生者と死者が半ば同居している世界観というのは日本ではおなじみだし、アニメみたいにもともと無生物にもある種の生命か魂、精霊といったものが宿る宿らせる技法にはなおのこと似合う。

基本に親族に先立たれた人と先立った人との関係があるわけで、ふつうに隣同士に存在しているから一見悲しく見えないが、時折実は決定的に隔てられているのに気づいてぐっとくる。
だから子供向けのようで、親しいところに別れた人が多い人ほど、つまり歳をくった人間の方がむしろ感じるところが大きいのではないか。

キャラクターデザインがあまりに平明でひっかかるものがないのにかえって戸惑うくらいだが、なんでもないような動作をなんでもないようにやっている。
全体にじっくり見せる一方で細かくカットを刻む圧迫感がアクセントをつける。

食べ物の描写が丹念というだけでなく創作料理、たとえばあんこを混ぜ込んだようなプリンなど実際にあって作ってみたくなるくらい。監修が行き届いている感じ。

「若おかみは小学生!」 公式ホームページ

「若おかみは小学生!」 - 映画.com