prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「遊星からの物体X」

2018年10月26日 | 映画
やはりデカい画面はいい。
丸の内ピカデリーはシネコンではない旧式の集合映画館で画面のデカさと客席の多さを売りにした、日劇は閉館してしまったマリオンでまだ開業している劇場だが、前の席の客の頭がスクリーンにかかる欠点はあるにせよシネコンとは違う魅力がある。

冒頭の白一色が目を刺すような中、ぽつんとヘリコプターが現れる引いた画はシネマスコープサイズ(基本、カーペンター作品はテレビ用のを除いて全部そう)の生かし方として基本だけれどやはり効いている。

クリーチャーはさすがに何度となく見ているので初めて見た時のようにびっくりはしないが(初見では××が口を開けるシーンで足がぴーんと伸びた拍子にはいていたサンダルが脱げて前に飛んで行った)、ダリの絵画もびっくりの造形を楽しむ。

実際にある物体を撮っていることにより表面の仕上げや動きに一種のムラが少し残っているのが今では逆に再現不能。知っていて見ると、マット・ペインティングは割とよく絵だとわかる。

何度見ても正確にどういう順序で「感染」していったのか、よくわからない。それが欠点というより没論理性は疑心暗鬼の心象風景そのものに思える。

火炎放射器がこれだけ活躍する、氷に閉ざされた世界で文字通り氷と炎の同居の感がある映画も珍しいが、よく考えると南極基地に火炎放射器が備え付けられているものなのだろうか。

モリコーネの音楽は冒頭とエンドタイトルのジョン・カーペンターが作曲しているのと区別がつかないシンセサイザーの曲ばかり印象に残っていたが、ちゃんと通常の器楽曲もつけている。
タイトルのロゴからして、今のとは違う。時代ですな。

「遊星からの物体X」 公式ホームページ

「遊星からの物体X」 - 映画.com


10月25日(木)のつぶやき

2018年10月26日 | Weblog