言うのもヤボだが、アイというのはAI(artificial intelligence=人工知能)と愛とIとをかけているわけで、可愛い女子高生の形をしたAIシオンがその開発者(女性)の娘サトミの通う高校に実地テストでやってくる。
地方の人家もまばらな中にすこぶる斬新で未来的な形状の風力発電用の風車がいくつも並んで、太陽光発電のパネルが敷き詰められているといった風景が、近未来的でもあり、いくつもある視覚的に派手なシーンのお膳立てにもなっているという仕掛け。
他に建物らしい建物のない中にAIを開発する大企業の巨大なビルがにょっきり建っている奇観。
肝腎の女子高生型AIの目的というのが人を幸福にすること(なのか?)でミュージカルのように歌いだす。実はシオンの蓄積された記憶にサトミの繰り返し見ていたディズニープリンセス風キャラクター(よくネズミ王国の監視にひっかからなかったなという気もする)が混ざっているのだけれど、このあたりの理屈がどうもぴったり嵌まらない。
歌の場面も歌そのものと動作と画面の展開といった要素がかけ合わさって盛り上がるミュージカル的な場面が狙いだとしてさたら、それぞれの要素が頑張っているだけに掛け算ではなく足し算止まりになっているような歯がゆさがある。
これもヤボだが、秘密裏にテスト運転するにしては、あまりに簡単に正体がバレバレになるのはまずくないか。
高校生たちそれぞれが幸福をつかんでいくプロセスとその内容は割と説得力があるのはいい。