モチーフになっているザ⋅スミスというバンドについてほぼ無知なので、ここで流れる音楽や実物の映像などに特に思い入れを持つことはないが、ある人にとっては救いそのものであるような存在でも興味や関心のない人にとってはなんのことやらというギャップはわかる。
ピストルを持ってDJが一人でやっているような小さなラジオ局に押し入ってザ⋅スミスの曲をかけろと命じるというのは、相当に危険でDJが銃でも持っいたら射殺されてもおかしくないような話。
タイトル(であり、ザ・スミスの曲名でもある)ショップリフターは横文字で書くと格好いいが、万引きのこと。これも描かれるが捕まることはない。
だからけしからんとヤボなことは言わないが、DJの態度など正直虫のいい展開で、純粋さやもとから世界に対して持っていた違和感をてこにして若者たちが通じあうモチーフ自体はわかるのだが、良くも悪くもどうもぬるい。
途中で銃弾で破壊されるカップにキッスのジーン・シモンズの絵が描いてあるのだが、「週刊ダイヤモンド」に「どデカく稼ぐ KISSに学ぶ成功の哲学」なんて記事が出るくらい商売上手なのを念頭に置いての選択だろうか。