prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「私ときどきレッサーパンダ」

2022年10月02日 | 映画
劇場公開予定に入っていて予告編も見ていたのに配信オンリーになってしまった一編。

パンダといってもジャイアントパンダではなくレッサーパンダというのがいい
いかにも姿かたちが可愛いでしょというのではなくて、動作が可愛い。
思春期の親や周囲に対する反発や性的な変容のメタファーでもあるわけだけれど、とにかく自分ではコントロールできずにあたふたドタバタするのが可笑しいのと実感にもつながる。
同時に先祖代々の伝統が現れた姿でもあるらしいのが色々と考えている。

原題はTurning Redで、直接には感情が昂ぶるといった意味と、レッサーパンダの色にひっかけているのだろうし、中国の伝統的な色でもあるのだろう。
アカくなるというのは大胆なタイトルとも思えるけれど、内容的に関係はない。

主人公や友だちたちや、追っかけるグループとかの人種的設定がいかにも多様性って感じだけれど、これが当たり前になっていくのだろう。

母親の方の子離れの話にもしてあるのが周到。
中国系の母親はタイガーマザーなんて呼ばれるくらい強力で干渉的だと言われるのを、それ自体不自然な抑圧の現れなのを取り込んだわけね。