徹底的に生活力のないダメ男と異常に甘い女の組み合わせという点で、昔からの貧乏文士や貧乏芸人のパターンなのだが、それに女の方が俳優としての才能ははるかに上という「スター誕生」的なパターンが加わる。
パターンからすると古めかしい感じなのだが、松岡茉優が舞台に立つとやたら光り輝くのと普段の過剰に可愛いのにエキセントリックなところが混ざっていて、男視点の構造を破ってくるような感触がある。
コロナ禍で劇場公開できず配信になってしまったのが、内容が一番コロナで打撃を受けた小劇場演劇の世界を扱っているのと、「劇場」というタイトルとで二重に皮肉になってしまった。