prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ソウルフル・ワールド」

2022年10月17日 | 映画
音楽教師としてやる気のない生徒に音楽を教えている男が演奏家としてチャンスをつかんだと思った矢先にマンホールに落ちて死んでしまう。

そこで死の世界に本格的に連れて行かれる前にソウルになっている世界で“きらめき=存在意義というか”を見つけ出さないといけないという、それまで当たり前になっていた目標を取り上げられた上で答えろみたいな無茶ぶり的なミッションを与えられる。

“きらめき”なんてものあるかいという態度のニヒリスティックな22番というソウルがいて、彼が相棒的な役割を果たすのが、半ば主人公自身というか、誰しも陥りがちなニヒリズムを表していて、生きる意味は人それぞれなのを自然に落とし込んだ展開が秀逸。

ソウルの世界からいったん現実世界に戻るが間違えて猫にソウルが入ってしまったりといったドタバタもそつがない。
音楽の演奏シーンがもうやたらと本格的。

ソウルの世界の案内役のキャラクターがピカソの素描みたいなタッチみたいなのが面白い。