予告編にあったように四組のカップルの男たちが揃いも揃ってクズ揃い、という話ではあるけれど、その組み合わせがずっと続いているものではなくて、大きく二つある時間軸でたとえば女1234に対して男ABCDだったのがBCDAになるみたいにずれている、という趣向。
で、相手が変わってもクズのありようは変わってもクズっぶりはどれも変わらない。
そのクズっぷりの描写がこまごまとしていて辛辣で多彩で容赦なく、原作舞台とこの映画のシナリオの作者が女性だとは知らされているので、さすがにかなわないなあと首をすくませる。
面白いのは四人の男の中にゲイが一人入っていることで、ふつう言う男性性とかマチズモの問題よりもう少し広い、甘えとか余計なプライドとか傷つくのを怖がり過ぎといった一般的なコミュニケーションを阻害する弱っちい心構えの問題になってくる。男らしさ、男の「立場」の呪いの問題ともいえる。
しかしそうなるとそういう問題って男だけのものか、ともなるので、最後の方で女たちが集まってそこからタイトル通り飛躍する、というかかなり強引に飛躍しようとする。
舞台だととことん落ち込むような内容でもラストで強引に盛り上げてハッピーなテンションで終わらせることが多く、それを映画化にも持ち込んできたわけだが、あくまで影である映像では生身の人間が出てくる舞台みたいなわけにはいかない。
映画と舞台とをハイブリッドする飛躍を試みたわけだが、正直上滑りしている感はある。難しいものです。