学校に限られた人数の生徒たちが閉じこめられて一人づつ殺されていくパターンと、一日が何度でもループして出られなくなるパターンと、それに非業の死を遂げた少女のバラバラになった体を集めて一つにまとめるといったパズラー的なパターンとを組み合わせているというハイブリッド的なホラー。
というと聞こえがいいのだが、くっつけただけで繋がっておらず、さらにそれに波打ち際で若者たちがはしゃいで飛び跳ねているキラキラ映画的な要素も加えているのだから、一体これは何を見せられているのかと当惑する。
それからイケメンがヒロインを名前を呼び捨てにしたりして、いやに横柄な口きくのもお約束か知らないがひっかかる。
なんでループするようになったのか、殺して回っているのはなぜなのか、といったロジックなしで、悪い意味でゲーム的に思いつきをそのまま設定しただけで、納得できないまま見ている側を勝手に置いてけぼりにして先走って展開してしまうのだからたまらない。
ゲームだったらプレイヤーとして参加できるからいいのだろうけれど、この場合そのゲームのルールも後でとってつけたようなのだからノリようがない。
彼らが一日一回殺されて、その体験や恐怖がちっとも積み重なっていかない、という以前に恐怖を感じているかどうかもはっきりしない。惨殺されるのを観客として傍観しているだけで、体験を共有できるように描かれていないから。
なんでこの六人が選ばれたのか、とキャラクターの方で言い出すくらいで一応オチがつくのだが、意味がよくわからん。
スラッシャー描写は結構エグめ。モンスターのアタマが三つにはじけるように割れて口になるって、どこかで見たようだなと思ったら「物体X」ですね。これもパターンになってるかもしれないが。
ループから抜けたのを外に雨が降っているという描写一発でわからせたのは上手い。
予告編で印象的な、井戸みたいな穴から赤い手がうわっとキノコみたいに出ている場面って結局なんなのか。