gooニュースに、「大飯原発で警報 信号途切れる」という見出しが出ていたので驚いた。しかし、記事を読むと何と言うことはない。記事自体の表題は「再稼働準備中の大飯原発で警報 送電監視の信号途切れる」となっている。つまりは、原子力発電所自体ではなく、送電線の話ということである。
記事の最初の部分には次のように書いてある。
<経済産業省原子力安全・保安院は24日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の中央制御室で23日深夜から24日朝にかけて、送電線(50万ボルト)の状態を監視する無線の信号が途切れ、警報が断続的に鳴ったと発表した。大気が不安定だったのが原因とみられ、安全上の問題や再稼働の準備作業への影響はないという。>
おそらく、普通の方には、何のことか分からず、不安ばかりが募るだろう。もっと分かりやすいように解説してみよう。
原子力に限らず、発電所からは、電気を送るための送電線が伸びている。この送電線に雷などが原因でショートなどが発生した場合に、送電線を一旦電力系統から切り離すための保護装置が、発電所や変電所には設置されているのだ。
雷が原因でショートした場合には、通常は電気を通さない大気が、プラズマ上になって、電気を通すようになってしまうため、ほっておけば、電力系統全体の停電に繋がってしまう。そこで、保護装置で、ショートした送電線だけ、一旦電力系統から切り離すのである。すると、電気が流れなくなるために、大気が絶縁力を回復して、再度電力系統に接続しても、ほとんどの場合は、問題なく送電線を再び使えるようになる。(もし使えない場合は、再度、保護装置で切り離すことになる)
その保護装置には、送電線の両端の情報を交換することで、高速に動作する主保護と、万が一主保護が働かない場合のバックアップとしての後備保護がある。そして、主保護は2重化されているのが通例だ。
上の記事から判断すると、信号が途切れたのは、フェージングという自然現象によるものだと推測される。これは、単に主保護装置間で情報をやり取りしている電波が、一時途切れたというだけのことだろう。別に装置自体の故障と言うものではないし、これで発電所が直接どうなるというものでもない。しかし、この記事は、どう読んでも、説明不足だ。記事は、タイトルも含めて、正確かつ読者がその本質を分かるように書かないと、いたずらに不安をあおるだけになるのだが。
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記事の最初の部分には次のように書いてある。
<経済産業省原子力安全・保安院は24日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の中央制御室で23日深夜から24日朝にかけて、送電線(50万ボルト)の状態を監視する無線の信号が途切れ、警報が断続的に鳴ったと発表した。大気が不安定だったのが原因とみられ、安全上の問題や再稼働の準備作業への影響はないという。>
おそらく、普通の方には、何のことか分からず、不安ばかりが募るだろう。もっと分かりやすいように解説してみよう。
原子力に限らず、発電所からは、電気を送るための送電線が伸びている。この送電線に雷などが原因でショートなどが発生した場合に、送電線を一旦電力系統から切り離すための保護装置が、発電所や変電所には設置されているのだ。
雷が原因でショートした場合には、通常は電気を通さない大気が、プラズマ上になって、電気を通すようになってしまうため、ほっておけば、電力系統全体の停電に繋がってしまう。そこで、保護装置で、ショートした送電線だけ、一旦電力系統から切り離すのである。すると、電気が流れなくなるために、大気が絶縁力を回復して、再度電力系統に接続しても、ほとんどの場合は、問題なく送電線を再び使えるようになる。(もし使えない場合は、再度、保護装置で切り離すことになる)
その保護装置には、送電線の両端の情報を交換することで、高速に動作する主保護と、万が一主保護が働かない場合のバックアップとしての後備保護がある。そして、主保護は2重化されているのが通例だ。
上の記事から判断すると、信号が途切れたのは、フェージングという自然現象によるものだと推測される。これは、単に主保護装置間で情報をやり取りしている電波が、一時途切れたというだけのことだろう。別に装置自体の故障と言うものではないし、これで発電所が直接どうなるというものでもない。しかし、この記事は、どう読んでも、説明不足だ。記事は、タイトルも含めて、正確かつ読者がその本質を分かるように書かないと、いたずらに不安をあおるだけになるのだが。
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