文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
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QED ~flumen~月夜見

2017-03-03 14:07:25 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)
QED ~flumen~月夜見 (講談社ノベルス)
クリエーター情報なし
講談社

・高田崇史

 高田崇史氏のQEDシリーズは、桑原崇と棚旗奈々の薬剤師コンビが、歴史上の謎とそれになぞらえた現実の事件に挑むというものだ。このシリーズ、てっきり2011年に発行された「QED 伊勢の曙光 」で完結したものだと思っていた。なぜなら本の帯に「歴史ミステリーの金字塔 堂々完結!!」と書かれていたからだ。このシリーズ好きだったので、とても残念に思っていたのだが、その後2013年に「QED ~flumen~ ホームズの真実」が発行されている。

 しかし、これは麻雀でよく言う「泣きの1回」に当たるのだろうと思っていたのだが、なんと2016年11月には本書が発行されたのだ。ということは、本編の方は一応終わったという形にして、今後も「QED ~flumen~」という形で続編が刊行されると期待してもいいのだろうか。

 それはさておき、本書もシリーズのこれまでの作品と同様に、現実に起こった事件と歴史上の謎をクロスオーバーさせている。今回の歴史上の謎とは、天照大神やスサノオと並ぶ、日本神話における三貴子の一人である「ツクヨミ」に関するものだ。

 このツクヨミは、イザナギが黄泉の国から逃げ戻り、禊をした際に、その右目から生まれ落ちたとされる神である。一般には男神とされているが、その後の神話には殆どでてこず、その性別も含めて謎の多い神だ。

 そして現実の事件は京都で起きた、手毬歌「月夜見」になぞらえた連続殺人事件。こちらの方は、普通はありえないと思えるくらい異常な事件なのだが、世の中にはかなりサイコな人もいるので、絶対にないとはいいきれないだろう。

 ツクヨミの正体を解き明かしていくところはなかなか興味深い。もともと神話世界での出来事なのだから、単純に信じない方がいいのだろうが、作者の筆力に、つい引きずられそうになってくる。

 ところで、桑原崇と棚旗奈々の関係。目立ってはあまり進んではいないような気が。今回の二人の京都旅行は、ホテル側のミスで、同じ部屋に泊まることになってしまったのだが、それでも関係が進んだようには見えない。こちらの方も、このシリーズファンには気になるところだろう。 

☆☆☆☆

※本記事の初出は「風竜胆の書評」です。

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