なんと、平次の子分のガラツ八こと八五郎が大店の酒屋・多賀屋に婿入りするという。もちろんそんな訳はない。お福という多賀屋の娘が、婿をとるというので、ガラツ八がある事情から途中まで本当の婿・錦太郎の身代わりになったのである。
このお福、金沢町小町と言われる美人だが、評判の蓮っ葉娘。ちなみに蓮っ葉娘と言う言い方は、意味は見当がつくものの、最近はあまり使わないので、一応調べてみた。
蓮っ葉娘とは、下品な娘、浮気娘だという意味だそうである。前の方の意味もあるのかもしれないが、おそらく後ろの方の意味が強いだろう。
ところで、お福が匕首で切られ、錦太郎も脇差を投げつけられて怪我をする。出口は20人もの下っ引きで固められているので、怪しい人間は外に出られなかったはず。いったい犯人は誰なのか?
この祝言には大きな裏があった。平次は、傷害を負わせた人間を捕縛せず、その原因となった連中に脅しをかける。
もちろん事件の方は解決しているのだが、そこから一歩踏み込んで、裏の事情の方も解決する。これが平次の魅力の一つだろう。そう言えば、この話では、平次、銭を投げなかったなあ。
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