曇り、26度、76%
私が銀行通帳を持たなくなって既に15年は経っています。ちょうどペーパーレスという言葉がで始めた頃です。その代わりに一月分まとめて自分の出し入れがはっきりわかるお知らせが毎月郵便で届きます。普通預金、定期預金、当座預金、クレジットカードのバランスが一枚の紙に収められています。お金を下ろしたい時はカードとサイン。もちろんATMの機械でもできます。この「通帳なし」は皆んなではありません。希望する人は通帳を発行してくれます。
3ヶ月ほど前、この毎月送られてくるステイトメントに一月10ドル、約130円ほどの料金がかかるようになるとお知らせが入っていました。130円でももったいない。どうすれば課金されないかというと、e-Bankingの口座を作ればいいのだそうです。e-Banking,口座は持っていますが、使ったことがありません。日本への送金も普通の出し入れも、カード一つ持って銀行に出かけます。印鑑不要ですから身軽です。
毎月送られてきていたステイトメントだって紙にプリントされています。ペーパーレスなんていっても、やっぱり紙を使ってるじゃないと思っていました。このe-Bankingの利用でいよいよほんとのペーパーレシです。この2ヶ月、PCで自分の口座を開けると全てのお金の動きがわかります。あらかじめ振込先を口座に指定しておくと、ネットを通して振込もできます。私はしませんが、金(きん)を買うことも、証券の売買もできるそうです。要するに、こうしてPCの前に座って銀行のお金を動かすことができます。なんだか不安です。
この銀行口座に直結しているクレジットカードはどんな少ない額でも、どこの国にいようが私が支払いに使ったほぼ2分後には、メッセージでいくら使いましたね、お知らせが携帯に入ってきます。なんだか誰かに私のお金の使い道を見られているような気がします。
香港中から通帳が消えたわけではありません。主人は相変わらず通帳をずっと使っています。確かに銀行で長いこと列に並ばなくて良くなりました。家に居ながらにして買い物ができて、支払いもできて便利です。便利ですがお金を手渡して物を買うあの実際感の欠如は不安にさせられます。ますます、紙幣硬貨を使う機会が減ってくると思います。大きな買い物をするので銀行でお金をおろして、お財布に詰めてお店に向かったのはほんの20年前のことです。安心感、買ったという実感がありました。カードなんかで支払うと、時にはその金額すら忘れています。
私の銀行、歩いて10分ほど、銀行のビルが今座っているこの部屋から見えています。