雨、20度、70%
そんな広い庭ではありません。大きな木が数本残りました。実のなる木も残しました。家のぐるりに庭があります。ふた月に一度の帰宅です。半年の間は一番広い裏庭の草草との格闘があります。抜いても抜いても生えてくる草たちです。そしてふた月ごとのその種類が違います。一番厄介なのはツル科の植物です。
庭の塀の上には、日本家によく見られる紅葉をするツルが張っていました。造園を頼んだ方が全部抜いてしまいました。その代わりにアイビーを植えました。水をやらずとも根付くそうです。見事にその言葉通りアイビーは裏庭の塀ばかりか地面にもズンズン張っていきました。最初の一年は、見栄えの良いツルの這う塀でしたのに、今では塀と地面の境もわからないほどです。おとといの夜雨が降りました。雨音を聞きながら、翌朝晴れたら草むしりだとほくそ笑みます。
思い通り昨日は晴れました。しめしめ、早朝から庭に出ます。10月だというのに蚊がいますので、私の服装は重装備です。地面が湿っていますから普通の草たちならすっと根っこまで抜けてくれます。根っこは一箇所です。ところが、ツル科は根っこを付けながら伸びていきます。一本のツルを引っ張るとたくさんの根っこです。ツルを切りながらの仕事です。片手にハサミを握りジョキジョキ切ります。うっかりするとこのツルに足を取られて転びます。2時間半、8時を過ぎると蚊の数が急に増えました。ズボンの裾も昨夜の雨でぐっしょりです。長袖のパーカーの中は気温も上がって汗がじっとり。ひとまずここまで。抜いた草たちの山が写真右手の山です。
我が家の庭のツルは3種類。それぞれ癖があります。塀が好きなツル、木をよじ登るツル、ちょうどその中間、先住のツルがいるとツルのないところを探して張っていきます。木に這い登ったツルは木の枝を矯めています。すごい力です。すごい生命力です。すごい生命力、それは切ってしまった木にもありました。左手に見える中位の木は大きな木株に生えた新芽です。株を残していると脇からこうして芽を出します。この新芽は切りません。
2年以上もこうして草たちを抜きました。庭の一角に積み上げておき、ふた月してやって来るとカラカラに枯れています。抜き草の古い山をごっそり下から起こしてみると、大きなミミズがいっぱいいます。いい腐葉土になっています。久しぶりに見るミミズです。大きな切り株には、 こんなキノコもついています。香港に長く住んで、すっかりこんな土との接触、土との係わりを忘れかけていました。雨の朝、雨戸を開けると土の深い香りがします。この庭と向き合って庭いじりをする日も近づいてきました。