曇り、24度、92%
革のボストンバック一つで旅行していたのは5年ほど前まででした。一人旅行の時は靴を何足も持っていく必要もありません。女ですからホテルで洗濯するのだってお手の物です。5日までの旅行ならそのボストンバックで用を足しました。もちろん機内持ち込みです。
ところがPCを持って廻るようになると、ボストン一つでは用が足りなくなりました。そこでトランクを買いました。ジェラルミンのトランクなんてと思っていたのに、買ったのはジェラルミンの機内持ち込みサイズのトランクです。ご存知のように年々、機内持ち込み荷物のセキュリティー検査が厳しくなっていきます。あのベルトコンベアーのような機械の前でトランクを開けて化粧品の小袋やPCを出したり入れたりするのは手間取ります。そこでサイドバックに小ぶりなボストンバックを持っていくようになりました。
1泊か2泊ぐらいの旅行ならちょうどいいかなと思って買ってあったものです。ナイロン製で紺とグレーのバイカラー、黄色い革でトリミングされ持ち手も同じ黄色い革のものです。10年以上前に買ったままあまり使わずにいました。珍しいバイカラーとトリミングの黄色の色遣いが好きで買ったプラダのものです。 小ぶりといっても結構入ります。日本から戻ってくるときには、PCの上に主人の日本酒やらおいしい蒲鉾まで詰め込みます。しかも2月に一度は、こうして酷使されてきました。
今年に入って、持ち手の4箇所の革がもろくなり始めていました。それを見た主人など、「女性がボロボロのものを持っているのは良くないから、買いなさい。」とおっしゃいます。でも使い続けます。持ち手以外はどこも傷みがありません。ところがふた月前の帰国時の復路、いよいよ1箇所の付け根が4分の3切れた状態になりました。革物の修理屋さんをくまなく回りましたが、どここも断られます。いよいよ買い換えなくてはいけないのかと思っていると、灯台下暗しです。ずっと、鍵の修理屋さんだとばかり思っていた店の看板に「バック直します。」と小さく書かれています。毎日通う市場の中のお店です。半信半疑、それでも一縷の望みを持ってボストンバックを抱えていきました。
お店のおじさん、見るなり「切って新しいのに付け替えるよ。」といとも簡単におっしゃいます。ただ、黄色の革の持ち手なんてそんじょそこらにあるものではありません。仕方なく黒の持ち手に変えてもらうことにしました。長さも元の長さと同じにして貰います。2週間後、出来上がったと連絡をもらいました。継ぎ目もわからないほど綺麗な仕上がりです。欲を言えばやっぱり黄色がいいのですが。
修理をしてもらって気持ちよく使えることができます。まだまだ数年は使えそうです。さあ、いつものこの機内持ち込みコンビで 今日も飛びます。