雨、18度、76%
あたりがうっすら暗くなり始めると、庭にライトがつきます。昨日のように一日雨で暗いときは昼間にも自然に点くので、きっと明かりセンサーで作動しているのでしょう。そして休む前、雨戸を繰る時には消えています。
2ヶ月ほど前、モモさんは前立腺が肥大して便が出にくくなりました。初めのうちは小さな扁平な便でした。ところが肥大に伴って、皆目出なくなりました。それでもよく食べます。夜中に急に便を催すことが多くなりました。決して家の中で排便しません。一緒に寝ているベットから飛び降りたら、庭に面している窓へ一目散です。私も後を追って、雨戸を開けてやり、庭のライトが消えていればデッキの明かりを点けます。
少しでも楽な姿勢をと私も庭に降り、お腹を抱えたり持ち上げたりしました。長いこと息みます。時には便ではなく出血することもありました。モモさんも私もすっかり冷えてしまった体でベットに戻りました。モモさんに咄嗟に付いて行くために、休む時はパジャマの上に厚手のものを羽織ったままでした。庭に降りるデッキには靴もすぐ履けるようにしていました。
前立腺が非常に肥大して、後ろ足の付け根を塞いでしまい、血行不良でむくみが出てからもこの夜中の庭に出る行為は続きました。後ろ足がふらつきます。踏ん張れませんから、しっかりと体を支えました。ほんの十日前までの毎晩の出来事です。
ココがやって来て、庭でも排泄ができるようにと夜休む前はココを庭に連れ出します。 もう私は厚手のものは着ていません。暖かくなりました。
モモさんのアーチも明かりが点いています。モモさんがこのアーチをくぐって裏へ急ぐ後ろ姿が蘇ります。
ココと一緒に夜の庭で空を仰ぎます。空気の匂いも変わりました。緑がひと雨ごとに木々を彩ります。大きな穴が私の胸にあることを確認して、ゆっくり雨戸を閉めます。「モモさん、おやすみ。」