曇、19度、47%
「ビュールレコレクション」は先月、上京した折、新国立美術館でもかかっていましたが、福岡に来ることが分かっていたので行かずにおきました。このコレクションを見たいこともありましたが、九州国立博物館に訪れたことがありません。太宰府天満宮から東に離れた小高い山の中にありました。 杉木立の中に見えてきたこの建物、青空とともに素晴らしい環境に建っています。
印象派が主なビュールレコレクションは、日本人にとっては楽しむことができる作品が多いと思います。先月、西洋美術館で見た「プラド美術館展」より有名な作品は少ないはずですが、この私にはすっと馴染むような絵画ばかりでした。ゴッホにモネ、セザンヌ、ピカソにロートレック、マネも1点。全部で64点の作品です。個人で集めたこれらの作品、まだ前衛に走る前のピカソの作品も含めて、この画家が?と思うようなものがありました。
ポスターにもなっているルノアールの「イレーヌ嬢」の前は人だかりです。この「イレーヌ嬢」とモネの「睡蓮」の2点は撮影可能でした。最近は日本でも撮影を許可するようになりました。ヨーロッパの美術館はすべて撮影していいところもありました。
モネは睡蓮を何作描いたのかしら?たった一輪の睡蓮の習作も見た記憶があります。モネは睡蓮に恋していたのでしょう、そして自分の庭にも恋していたに違いないといつも思います。
「ビュールレコレクション」を見終わり、「黒田家の茶道具展」を覗いて博物館を後にしました。この博物館は公共交通機関のアクセスが悪いかもしれません。大型バスが着くと、小学生たちが降りてきました。学校ぐるみの見学会です。急にマカオのフランス絵画展に来ていた幼稚園児のことを思い出します。小さいうちから絵を見ることは、心豊かになることだと思います。それにしても美術展の東京ばかりに中央集権なのは何故でしょう?もっと地方の美術館にも展覧会が回って来て欲しいと思います。
駐車場に向かう途中、もう一度博物館を振り返りました。日差しは強いものの清々しい空気です。いい場所だわと思いながら見た建物は、どうも気持ちにそぐわない建造物でした。