雨、21度、82%
ジキタリス、「キツネノテブクロ」とも呼ばれるこの花を知ったのは20数年前のことです。実際に見たわけではありません。私が刺し続けているデンマークのクロスステッチの図案で知りました。 ひと針ひと針刺していくうちに、いつかこの花を咲かせてみたいと思います。私が刺す刺繍はほとんどは今は亡きゲルダベングトソンの図案です。デンマークで森の中の小屋に住み小屋の周りの草花をスケッチして図案を作ったそうです。ずいぶんたくさんゲルダベングトソンの花を刺しました。花によっては根っこや球根まで図案に描かれています。この刺繍のおかげで私はたくさんの花を知りました。そしていつかは自分の手で花を咲かせたいと思いました。
ジキタリスの花の小さな苗を見つけたのは3月です。何色の花を付けるかわからずまま3株求めました。背丈が高くなると聞いていたのにちっとも成長しません。毎朝走りに行く大濠公園のジキタリスは私の腰よりも高く、大輪の花をほころばせています。やっとここ数日の陽気で我が家でも花が開きました。
毒性を持つジキタリスです。ココさんがいたずらをしてはいけないと、ココさん立ち入り禁止の石や苔の松を置いている和風の庭に植えました。 背丈はまだまだ私に似てチビですが、下から順次花が咲く様子は見事です。
写真を撮っていて面白いことは、その一つの花を撮します、 それを拡大して見ると、花の構造 雌しべや雄しべ受粉のための細かい毛までが見て取れます。 奥を覗くと神秘的。そして理に適った作りに驚きます。
刺繍に始まり庭に咲かせたい花はまだたくさん。土のある生活から30年も遠ざかっていた分、花や木に対する思い入れは並々ではありません。
咋春一番にこの刺繍から咲かせたタイムの花、雪をかぶって冬を越し、また小さな花をつけました。