雨、21度、83%
玄関を開けると、日傘と花束を持った友人が立っています。「芍薬が好きなの。」といつもの笑顔の彼女です。手渡してくれた花束は真っ白な芍薬と香りのいい花でした。「モモさんと真奈さんに。」
ぼってりと重い芍薬は、それだけでも見栄えがします。蕾の頃の丸さがほぐれて、花開く様子は貴婦人のようにすら見えます。早速、束を解いて花瓶に入れました。「この薄紫の花はカーネーション?」「バラなのよ。」「この変わった色の花は何?」「バラなのよ。」葉っぱは確かにバラの葉です。薄紫のバラからは甘い香りがしています。この薄紫のバラを一輪、モモさんに。
彼女が帰った後、バラの名前を調べました。薄紫のバラは、「モンシェリー」です。 ピンクに見えますが藤色に近い紫です。花弁の先がフリル状。甘い香りは何に例えたらいいでしょう。バラ独特ダマスクの香りよりお茶の香りに近く感じます。ひと枝から数個の花が付いています。
外側が緑がかった芯がピンクのこのバラは、「エデンロマンチカ」小粒な花です。 こういった複雑な花色が好きです。香りはありません。バラばかりか花は新種の開発が進んでいるようです。色の複雑さ、形状の柔らかさ、新しい種類を作り出す育種家の仕事は楽しいだろうなあと思います。お花屋さんで売られているバラは、丁寧に棘まで取ってありますから、新種のバラはバラと解りかねます。
真っ白な芍薬がメインの花束です。一晩明けて花瓶のある居間のドアを開けると、「モンシェリー」が香ります。そして芍薬が一回り大きく開きました。いつもモモに忘れずにお花を携えて来てくださる友人に感謝です。