曇、22度、96%
梅雨に入ると雨を吸って庭の植物たちはぐっと力強くなります。枝一本、ツタを引き抜くのですら力が必要になります。そこで、梅雨に入る前に枝払いやツタを抜く作業を進めます。荒仕事、丁寧な仕事ではありません。バサバサと動き回ります。
ちょうどこの時期は「マキの木」の花が咲きその花粉が真っ白に降ってきます。その横の「モチノキ」も花が咲き小さな花柄を降らせます。二つの木は大木、お歳も私よりずっと上です。雨で大量の花粉が固まらないように「マキの木」の下の植物たちを払っていると足元にちらりと白いものが見えました。仕事に専念してますから、目をかすめた、頭のどこかをかすめたのですが、「???」急に今一度足元に目をやりました。 「モチノキ」の花柄と庭の小石の上に小さな細い生き物の白骨が見えます。しかもかなり完璧な白骨です。あまりにも綺麗な様子にしゃがみ込んで見つめました。写真に収めて一旦家に入ったのですが、白骨が気になって今一度庭に出ました。手にとっても崩れません。そっと持ち帰り瓶に収めました。
この庭にはたくさんの生き物がいます。小さい頃は「青大将」も池の周りには「淡水のカニ」もいました。改築工事や環境の変化でそれらの姿は見られなくなりました。山奥でも田舎でもありませんが古い家です。この白骨は「ヤモリ」だと思います。同じ大きさの「トカゲ」もいますが頭蓋骨部分の丸みから「ヤモリ」だと判断しました。どんなに大きくても10センチほどの「ヤモリ」です。
50年前は夏の夜になると「ヤモリ」が網戸にたくさんへばりついていました。外側にへばりついているので、家の中からはそのお腹の方が観察できます。「ヤモリ」は足に吸盤がありうまい具合に垂直な壁を登ります。あの頃の我が家の「ヤモリ」は目が赤みを帯びていました。いま家にいる「ヤモリ」は目が真っ黒です。
実は30年に渡る香港のマンション生活でも我が家には「ヤモリ」が必ず出没しました。引っ越してもまた「ヤモリ」が出てきます。水が欲しいのか花瓶の近くに夜出てくるようです。代々の我が家の「ヤモリ」は「耕二郎」と名付けられました。
蛇やカニはいなくなったこの家ですが、夏になると「ヤモリ」の姿を見ます。モモさんのお水を飲みにやって来るようです。時にはモモさんの写真の前に小さな黒いフンを残していきます。
私は「ヤモリ」が好きです。家族で暮らしお互いを助け合っているという話を聞いたことがあります。このあまりに見事な白骨は「ヤモリ」たちからの私への贈り物だという気がします。瓶に入れ机の上に置き毎日眺めています。
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