マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

紅葉ウオッチング・3(糺の森)

2013-12-12 | 自然
下鴨神社がある糺の森(ただすのもり)は父の思い出の森です。
父は若い頃に、約5年間の長い病院生活を送りました。
病床で「空想京都案内」を書いていました。
父の故郷の京都のその思いの原点は糺の森だったのではないかと思います。

11月の終わり頃にはムクノキやエノキやケヤキやアキニレなどの楡科の木々が紅葉して、
風もないのにぱらぱらととぎれなく散り
緑の森は、刻々変化してやがて葉を落とし、明るい森になります。
そしてムクノキやエノキの枝先が冬空に黒い細密画を描くのです。

上の写真の中央の石の橋は人がすれ違うのも難しいような小さな橋ですが、
森の向こうとこちらをつなぐ大切な橋で、
森のこちらにある小学校、向うにある中学校に通う子供たちも毎日通ります。
私もしょっちゅう利用する橋です。

子供の頃、うっそうとした林の中ですごいキノコに驚いたり、虫を追いかけたり、
朽木に足を突っ込んだり、蔓に絡まってこけたりしながら、
探検家になった気分で走り回りました。秘密の基地などいくつでも作れました。
下の写真の中央部少しへこんだところ、父が子どもの頃は池だったそうです。
アカハラ(イモリ)がいっぱいいたそうです。
鴨川の改修後、地下水が下がり、池が枯れました。
その後はもっぱら映画撮影のポイントで、ずっと今も重宝されているようです。

その森に今では柵が張り巡らされ、隅々まで公園のように管理されて、
子どもたちが自由に遊び回れる空間は殆どありません。
下鴨神社の無粋な人工物もどんどん森の方まで侵入して来て、
次々人工的な手が加えられて、年々森の自然が矮小化されていくのが残念でなりません。

森の南端にある河合神社も下鴨神社に負けず、
柵を張り巡らし、立派な門を作って、立て札をいっぱい立てて、
ピカピカになってきて随分雰囲気が変わりました。

中央の道路は御陰通り、右は駐車場、左が糺の森です。

この道を土煙を立てて何台も観光バスが走ります。
バスの停まっている場所にはアオバズクが営巣している大きな木があります。
2か所も駐車場があるのに森の中にも観光バスを停めていいことになっています。
その横にはボール遊びをするな、とか、自転車を乗り入れるなとか書いた立て札が立っています。
腹が立ってしょうがありません。



コメント
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