蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

老後の資金がありません〜

2021-11-05 | 日々のこと
夫の親戚の家族葬に参列した。
家族葬で喪主は、「来んといて」と固辞していたが、無理矢理押しかけた。
もちろん、わたしの意思ではなく夫の意思、意向で。
わたしは同行するよう夫から要請を受けた。
その日はお楽しみの趣味の会があったが、泣く泣く夫に従った。
貸しを作っておかないと。
(借りを返している?)

行ってみると、当然、家族葬だから家族のみ。
しかし、2人ほど、家族ではない年配親戚はいた。
あとは従業員関係。
身内の会。当たり前だ。
そもそも家族葬とはそういうもの。

夫は前日の通夜に、仕事を終えて20時に駆けつけた。
がら〜ん。
誰もいない。
暗い。照明は落とされていた。
葬儀場スタッフが戸締りをして帰るところだった。
「皆さん、もう帰られましたよ」
とのことで、葬儀会場に御遺体を置いたまま、皆さん、引き上げたようだ。
あっけらか〜ん。

誰も夜通し、付き添いをする家族はいない。
遺体のみ。
でも、わたしはそれでいいと思った。
今までずっとずっとずっとずっと、生きているのか生きていないのか、わからないような、本人と接してきていたので、息をしていたそれまでと息をしなくなってからとは、精神的にも肉体的にも生死の境目がほとんどない。
天寿を全うするとはこのこと。天寿が長寿なのだ。
ご苦労さまでした。
ご本人も御家族さまも。
天寿はちょっと長かったようだ。

最後のご対面でお嫁さん、号泣。
結構いじめられて辛く当たられていたお嫁さん。
あの涙は???

しかし、羨ましいなあ。
喪主の奥さん(お嫁さん)、喪服も洋服だし、簡単、便利、苦しくなさそうで。
わたしは、夫の要望で昨年、喪服は着物。
クリーニング代もばかにならない。
第一、この窮屈感は締め付けられる着物の帯だけではない。
女性のコルセットを解放した、ココ・シャネル時代のデザイナーは偉大だ。
服装の解放は、精神の解放。
いまだに、喪服は着物!を要求されるわたしは、何?
夫より一日でも長生きして、開放感を味わいたいものだ、、、が、、、
パラサイト妻であるわたしは、夫がいなくなると同時にゴミ箱に捨てられることだろう。
わあ、すごい!
ちょっとした小説のテーマになりそう。
て、昨今では古すぎるか?
ゴミ箱に捨てられた後こそ、わたしの真の解放か。
ヨボヨボヨレヨレで、それどころではないかも知れない。
自分で立てないで、子供たちのお荷物になっていることだろう。
元気なうちにパラサイトを脱出すべきだが、パラサイトは脳も体も使わなくていいから、楽なのだ。
しかし、脱パラサイトを目指すために、脳と体を駆使しているとすると、今の解放されない立場は安住の地ではなく、ぼけなくてよいかも。
なんだか矛盾していて、こんがらがってきた。
パラサイトは、楽だけど窮屈。
窮屈が嫌なら、荒波にドッボ〜ン。
楽で窮屈でなくて荒波でないのがいい。
だとすると、ヨボヨボヨレヨレのままお世話してくれる所に即、移行かと。
どれも嫌な場合は、神様仏様にすがる?

ところで、、、。
「老後の資金がありません!」。
タイトルがわかりやすい、映画を観た。
草笛光子、前評判通りの力演。
明るいキャラクターに設定されているので、見ていて楽しい。
天海祐希との掛け合いと、のほほん旦那さんが良い味。
めちゃくちゃ笑える。
舞台で全員ズコッとコケるお笑いのノリ。

現実はそういうわけにいかないだけに。
なかなかよく出来ている。