夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

元旦に届いた訃報。

2016年01月08日 | まるっきり非映画
私が「世界一の聞き上手」だと思っていた男性が亡くなりました。
たった1歳上のひと。51歳でした。

初めてお会いしたのは20代の半ばすぎだった頃。
元ヤンで、まだ剃り込みの名残あり。
「うわっ、この人、靴のさき尖ってる」。
そんな見た目に反し、とてつもなく優しく、おもしろい人。
まわりにいる誰をも笑わせてくれました。
「かっちゃん(=私)、昔つきおうてた子にそっくりやから、
初めて会うたとき、ビックリしてん。どないしょうかと思ったわ」。
よくよく聞いてみれば元カノはソープ嬢で、こっちがビックリ。光栄ですけれど(笑)。

ものすごい聞き上手でした。
話し手がこう言ってほしいと心の内で望んでいることを言ってくれる人。
たとえば愚痴りたいだけのとき、絶妙の相づちを打ちながらただ聞いてくれて、
「ほんまやなぁ、めっちゃ腹立つなぁ。そんな奴、俺がしばいてきたるわ」。
きっとこの人がホストになったらNo.1。
だけど、ボトルなんて入れようとしたら「もったいないからやめとき」と言いそうな人でした。

結婚式のときには参列者に元ヤン多数。
新婦が読み上げるご両親への手紙に、いかつい面々がおいおい泣く様子に失礼ながら爆笑。
そして5日前、正月3日の告別式。
いい年をした男の人たちがあんなに泣いているお葬式に参列したのは初めてです。
元ヤンらしからず、ソフトボールのチームに所属。
早起きして練習に走る姿を想像するとまた似合わない(笑)。

阪神の調子が良いとき悪いとき、よくメールをくれました。
そういえばこのご夫婦にも甲子園のあの席に座ってもらったことがあります。
はからずも年間予約席の思い出がまたひとつ増えてしまいました。

とても寂しいです。
空の上で笑ってくれていますように。

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