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『ターコイズの空の下で』

2021年03月24日 | 映画(た行)
『ターコイズの空の下で』
監督:KENTARO
出演:柳楽優弥,アムラ・バルジンヤム,麿赤兒,ツェツゲ・ビャンバ,
   サラントゥーヤ・サンブ,サヘル・ローズ,諏訪太朗他
 
前述の『天空の結婚式』とハシゴ。同じくシネ・リーブル梅田にて。
 
日本/モンゴル/フランス作品。
4カ国語を操る俳優KENTAROの長編映画監督デビュー作。
最近観たチベット作品で爆睡してしまった私は、
同じ香りのするモンゴル作品もそうなるのではと懸念していましたが、
麿赤兒の顔を見て眠くなることはないでしょう(笑)。
 
幼い頃に両親を亡くしたタケシ(柳楽優弥)のことを
その祖父で大会社を仕切る三郎(麿赤兒)は甘やかして育てたため、
タケシは酒に女をはべらせて毎日贅沢三昧。
会社をタケシに継がせるつもりではあるものの、このままでは無理。
 
ある日、三郎の所有する馬が厩舎から盗まれる。
犯人はモンゴル人の中年男性アムラで、
盗んだ馬で東京の街なかを疾走し、逮捕された。
理由を語ろうとしないアムラに三郎は懲罰を望まず、
懇意の警察署長(諏訪太郎)にアムラの身元引受人になりたいと申し出る。
 
三郎は戦時中にモンゴルで労働に従事させられていたことがあり、
そのときに知り合った現地の女性との間にツェルマという娘を授かった。
しかし三郎が日本へ帰国してそれっきり。
現在60歳ぐらいであるとおぼしきツェルマを探しに、
アムラがタケシを連れてモンゴルへ行ってほしいというのが三郎の依頼で……。
 
アムラとタケシは一緒にモンゴルへ行くといっても、
タケシはファーストクラス、アムラと会うのは飛行機を降りてから。
立派なリムジンのお迎えで、タケシのみ一流ホテルに泊まります。
アムラはリムジンの運転手を捕まえて、明日から来なくていいとこっそり言い渡し、
翌朝ボロ車で自らタケシのお迎えに。
 
柳楽くん、良いです。
道楽に明け暮れている青年だといってもそこはボンボン。
モンゴルへ行っても着ているのはスーツに革靴。
育ちがいいからか根は素直なようで、
アムラが連れ回して野宿させられてもわりと平気。
 
彼がだんだん変わっていくのがわかるのが面白い。
豪胆なはずが、立ち小便なんてしたことがないから、
最初は車の陰に隠れてこっそり。
それが最後は大自然を前にして堂々と立ちションできるようになる。
 
アムラとはぐれ、地元の女性に助けられ、彼女の出産に立ち会う。
新しい生命が誕生する瞬間に居合わせた彼の頬を伝う涙。
 
ツェルマはちゃんと見つかります。
「感動」という言葉を安易に使いたくはないけれど、感動的。
モンゴルの大自然も堪能しました。

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