『天空の結婚式』(原題:Puoi Baciare Lo Sposo)
監督:アレッサンドロ・ジェノヴェージ
出演:クリスティアーノ・カッカモ,サルヴァトーレ・エスポジト,
ディエゴ・アバタントゥオーノ,モニカ・グェリトーレ他
午後休を取った日、シネ・リーブル梅田へ。
ニューヨークのオフ・ブロードウェイでロングランヒットした舞台劇が基。
イタリアでの同性婚がテーマの本作をイタリアで映画化。
いきなりイケメンのどアップ。
「出会いを覚えてる?」なんて甘い台詞でこちらに語りかけてくるのですけれど、
なんというのか、このイケメンがニヤけた顔つきなんです。
日本人でいうと、そうだなぁ、要潤をもっとニヤけさせた感じ。
そのせいでイマイチ乗れずに始まり、語りかけられている相手にカメラが切り替わると、
これまたまったく違うタイプのマッチョ、いや、ちょい太めというべきか。
主役となるカップルはそんなふたり。
イタリア、ラツィオ州の小さな集落チヴィタ・ディ・バニョレージョは、
ベルリンに暮らすアントニオの故郷。
このたび、アントニオは同棲中のパオロにプロポーズ。
それを受け入れたパオロは、アントニオの両親に会うことを切望する。
パオロ自身は3年前に母親にカミングアウト。以来、絶縁状態。
アントニオはゲイであることすら両親に話していない。
復活祭に帰郷する機会にパオロを連れて行く決意をする。
アントニオとパオロ、ふたりの友人ベネデッタ(♀)、
なりゆきで同行することになったドナート(♂)の4人は
アントニオの両親が待つ故郷へと向かうのだが……。
アントニオは両親のどちらにもゲイだと告白したことはないけれど、
母親アンナは気づいていたし、気づいていたと言う。
父親ロベルトも気づいていたくせに、気づいていたとは絶対に言わない。
ロベルトは保守的な村にあってリベラルで通っています。
村で難民を受け入れようと提案したりもしているのに、ゲイは受け入れようとしない。
そこを指摘されるとふてくされる。
そんな夫に業を煮やしたアンナは、アントニオとパオロの結婚を祝福し、
但しこの村で挙式すること、式にはパオロの母親にも出席してもらうこと、
そして式をロベルトが執りおこなうことを条件にします。
しかしその条件を飲めないロベルトはついに妻から離婚を言われてしまうんですねぇ。
そこまで強情な父親でもありません。
村人たちの前で勢い余って「ゲイは認めない」と宣言した後、
ちゃんとアントニオやパオロに謝りに来たのに、妻は冷淡。
ちょっと気の毒になってしまうほどでした。(^^;
帰郷になりゆきで同行することになったドナートは、
舞台で観ると可笑しいかもしれませんが、映画ではそれほどでも。
女装癖がバレて妻子と別れるはめになった彼は、
たまたまアントニオたちの部屋を間借りしにきただけ。
部屋の主たちが帰郷すると知り、
傷心の自分はひとりになると何をしでかすかわからないからと帰郷についてきます。
また、アントニオの元カノのストーカーぶりが残念すぎて不要。
最後はミュージカルと化して唖然としたりも。
概ね楽しめますが、これは圧倒的に舞台のほうが楽しいでしょうね。
ところで、序盤に「ベルリンはゲイにとって天国」という台詞がありました。
そうなんですか。偏見がなくて暮らしやすい街ということなのかな。