『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(原題:Everything Everywhere All at Once)
監督:ダニエル・クワン,ダニエル・シャイナート
出演:ミシェル・ヨー,ステファニー・スー,キー・ホイ・クァン,ジェニー・スレイト,
ハリー・シャム・Jr.,ジェームズ・ホン,ジェイミー・リー・カーティス他
公開初日のレイトショーを109シネマズ箕面にて。
監督はこれが2作目になるダニエル・クワンとダニエル・シャイナートのコンビ。
1作目の『スイス・アーミー・マン』(2016)はなんとなく設定がグロかったのと、
主演があまり好みの顔ではないポール・ダノとダニエル・ラドクリフだったせいでスルーしてしまいました。
本作は今年度のアカデミー賞で最多ノミネートとなる10部門11ノミネートされているらしく、
たいそうな話題作ではありますが、うーむ、私はこの監督はイマイチ好きじゃないかもしれません。
ミシェル・ヨー姉御は好きなんですけど、ハリウッド映画で観る彼女はなんかちょっと違う。
アメリカでコインランドリーを営む中国移民の中年女性エヴリン。
善良ではあるが頼りない夫ウェイモンドには仕事を任せられず、
ただでさえ忙しいのに、頑固者の父親ゴンゴンの介護もせねばならない。
そんな折、IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁=いわゆる国税庁)から納税申告の不備を指摘される。
一人娘で同性愛者のジョイがいきなり恋人のベッキーを連れてきたものだから、
苛立ちを隠せないエヴリンは、国税庁での通訳を買って出てくれたベッキーのことをスルー。
IRSの監察官ディアドラに詰め寄られてうろたえていると、
突然ウェイモンドに「別の宇宙の夫」が乗り移り、エヴリンに救いを求める。
ウェイモンドによれば、強大な悪の存在によって宇宙が危機に直面している。
そしてエヴリンこそが全宇宙を救える人物なのだと。
マルチバース(多元宇宙)にはそれぞれエヴリンがいて、
そして巨悪の正体はなんと娘のジョイらしい。
ジョイの暴走を止めるため、マルチバースのエヴリンが戦うのだが……。
ほかのバースへジャンプするためには、思いっきり変なことをしなければなりません。
鬼の形相のディアドラに心から愛していると言ったり、おしっこを漏らしたりすることを強要されます。
もうなんか、最初から話がぶっ飛びすぎていて、ついていくのが大変。
この「変なことを強要される」辺りからどうでもよくなり、どうでもよくなったら寝てしまった(笑)。
話にいろいろ詰め込まれすぎていて、かつ長い。
『RRR』の179分に比べれば40分も短い139分だけど、冗長に感じてしまいます。
わー!キャー!言うてあちこち飛び回っているうちに過ぎて行きました。
とはいうものの、ミシェル・ヨー演じるエヴリンとステファニー・スー演じるジョイが
ラストで「素」で対面して言葉を交わすシーンにはホロリ。
だからなおのこと、ここまで詰め込まなくてもせめて120以内になんとかならんかと思ってしまう。
2時間かそれ以上かって、分にすれば数十分のことだけど、
集中力を2時間以上保つにはよほど楽しくないと無理なんです。
ミシェル・ヨー姉御のシンプルなカンフーアクション作品が観たいのだ。