『決戦は日曜日』
監督:坂下雄一郎
出演:窪田正孝,宮沢りえ,赤楚衛二,内田慈,小市慢太郎,音尾琢真,
たかお鷹,高瀬哲朗,今村俊一,小林勝也,原康義,前野朋哉他
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
水曜日の19時過ぎの回。上映開始時間になってもほかに客が来ない。
まだ1月半ばなのにもしかして今年初の“おひとりさま”かと思ったけれど、
予告編の途中でもうひとりだけお客様がいらっしゃいました。
去年は3月のこのとき“おひとりさま”でしたが、その1度限りでしたね。
今年はそんな機会があるかな。
坂下雄一郎監督のオリジナル脚本なのだそうです。
オリジナル脚本に弱いのです、私。それだけでスッゲーと思ってしまう。
地元で圧倒的な支持を受ける川島に可愛がられ、
谷村の暮らしも安泰かと思われた折、その川島が病に倒れる。
ちょうど解散総選挙の時期と重なり、後継候補に頭を悩ませた陣営は、
谷村の一人娘・有美(宮沢りえ)に白羽の矢を立てる。
ところが有美は根っからのお嬢様で、政治のことは何ひとつわからない。
そのわりにやる気だけはあるらしく、補佐役を務める谷村は呆然。
想定外に世間知らずの有美に振り回されることになるのだが……。
同じく川島の事務所に務める私設秘書や事務員たちの顔ぶれが楽しい。
特に、器の小さいヤクザ役をやらせたら天下一品の(笑)音尾琢真は、
珍しくきちんと背広を着てネクタイ締めて、真面目で面白い秘書役。
彼らを仕切るのが小市慢太郎。めちゃくちゃ惹かれるキャストです。
決意表明の席で「各々」を「かくかく」と読んじゃったり、
遅刻の常習犯で、後援会のお偉方をいとも簡単に怒らせたり。
フォローしきれないほどのお嬢ぶりに秘書たちはゲンナリはしますが、
みんなこの程度のワガママには慣れっこで慌てません。
自分は軽んじられていると憤る有美がマスコミにリークしようとしても、
私設秘書たちはマスコミともしっかり繋がっていて、有美は逆に追い込まれます。
尊敬してやまない父親の願いを叶えるためだと自身に言い聞かせ、
なんとか議員になろうとしたのに、父親の願い自体が嘘だったなんて。
有美の本意でないならば、有美と共に落選するように考えようじゃないか。
そう思う谷村のきっかけが印象に残っています。
事務所に設置されたコーヒーメーカーでつくられたコーヒーを飲み、
彼に続いて飲んだ支援者たちが「マズっ!何これ!壊れてるよ」と言うのを聞き、
そんなコーヒーを飲んでも気づかなかった自分を笑う。
壊れたものは直さなきゃ。そんな思いから有美と結託して落選を狙います。
しかし落選を狙いはじめると、これがなかなか上手くいかないもの。
選挙って、政治の世界ってこんなものなのかと驚くシーンいっぱい。
良い国をつくるのはなかなか難しい。でも頼みますよ、政治家さんたち。