『アンブッシュ』(原題:The Ambush)
監督:ピエール・モレル
出演:マルワーン・アブドゥッラ・サーリフ,ハリーファ・アル・ジャースィム,ムハンマド・アフマド他
2023年も押し迫った12月30日の晩、昨年最後の寄席に動楽亭へ行きました。
動楽亭に行く前になんばパークスシネマで映画を観るというのが去年恒例化。
2本ハシゴの1本目は、ピエール・モレル監督のアラブ首長国連邦/フランス作品。
モレル監督がアラブ首長国連邦(UAE)に招聘されて実話を基に撮り上げたのだそうです。
帰国が間近に迫ったアリ、ビラル、ヒンダシの3人は装甲車に乗り、
戦闘地帯の住民へと支援物資を配りながら、渓谷をパトロールする。
すると、待ち伏せしていた敵が現れて急襲を受ける。
どこからともなくRPG(ロケット弾)が飛んできて、回避しようとすると下には地雷が。
必死で背走するうち、装甲車がスタック、どうにも動けなくなる。
3人を捕まえて人質に取ろうとしているのか、煙を焚いて燻り出されそうに。
しかし敵の狙いはパトロール隊を餌に本隊を出動させることで……。
タイトルの「アンブッシュ」が「奇襲」を意味すると知らなかったから、
ブッシュ?アン?ブッシュなの?ブッシュじゃないのかなどと阿呆なことを思っていました。
ポスターがまたちょっと私には気持ち悪くて、蟻に狙われる話なのかと思ったりも。(^^;
蟻に見えていたのは、UAE軍を狙う敵で、人海戦術でUAE軍に襲いかかるのですね。
装甲車でやってきたUAE軍を足で走って追い詰める。
土地勘がある者ばかり。遥か高い岩の上にはスナイパーがいて、怖いのなんのって。
装備的にはUAE軍のほうが勝っているはずなのに、敵の術中にハマってしまう。
正直なところ、敵の正体が何だったのかも私にはよくわからない。
なぜこんなに戦ってばかりいるのかもわかりません。
支援物資を運び込んだ村で、アリが子どもたちとボールを蹴るシーンがあります。
サッカーを教えてもらって喜ぶ子どもたち。
駐屯地の兵士たちの会話はサッカーのことで盛り上がっているのに、サッカーをせずに戦う。
子どもたちもいずれボールを蹴らずに銃を持って人の殺し方を覚える。
皆が仲間を助けようと必死になるのは素晴らしいこと。
でも、何のために戦っているのかを考えると、虚しくなります。
戦争はなくならない。戦場はいつまで経っても戦場のまま。
エンターテインメント性の高い作品で非常に面白いですが、
「面白かった」で済ませると罪悪感に苛まれる。