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『明け方の若者たち』

2022年01月12日 | 映画(あ行)
『明け方の若者たち』
監督:松本花奈
出演:北村匠海,黒島結菜,井上祐貴,楽駆,菅原健,高橋春織,
   佐津川愛美,山中崇,高橋ひとみ,濱田マリ他
 
原作はカツセマサヒコの同名小説。と言っても知らないのですけれど。
これが長編小説デビュー作で、各界著名人の推薦を受けて大人気らしい。
推薦人として挙がっている名前の中に今泉力哉監督がありました。
ほなら観てみるかということで109シネマズ大阪エキスポシティへ。
 
大手印刷会社に就職が決まっている大学生の僕(北村匠海)。
不況で就職難航している学生が多いなか、「勝ち組」の飲み会に誘われる。
主催者・石田(楽駆)のはしゃぎぶりに乗れずにいると、
ひそかに帰ろうとしている女子学生(黒島結菜)に目を惹かれる。
 
先に出た彼女からスマホに着信あり。
そこには「私と飲むほうが楽しいかもよ」と書かれていた。
いそいそと彼女に会いに向かう僕。
 
間違いなく一目惚れだった。
まんまと恋に落ち、彼女にぞっこんになった僕は社会人に。
夢に描いていたサラリーマン生活にはほど遠いが、
同期の親友・古賀(井上祐貴)は僕の気持ちをわかってくれる存在。
古賀と飲みに行くとき以外では、彼女と会っているときしか楽しくない。
好きで好きでたまらない気持ちは募るばかりで……。
 
ネタバレです。
 
衝撃的でした。彼女が既婚者とわかるくだりが。
彼女と僕が初めて会った日のそこの部分の会話は抜かれていて、
終盤近くになるまで私たち観客にはその事実が明かされません。
 
一目惚れした彼女に呼び出されて会いに行く。
巧妙な手口に、向こうがこっちに気があると思うでしょ。
でも彼女には夫がいて、今は離れて暮らしているだけ。
初日にそれを知らされていたのに、彼女を好きになってしまった僕。
 
原作ではどのような構成になっているのか知りませんが、
事実がわかったとき、目が点になりました。上手くできています。
しかし衝撃が大きすぎて、そこまでの恋愛模様が頭から飛んだかも(笑)。
ずるいよなぁ、彼女。でも隠していないし嘘もついていない。
なのになんでハマるかなぁ、僕。
 
印象に残ったのは、風俗嬢役の佐津川愛美、僕の会社の先輩役の山中崇
濱田マリ演じる、僕が学生時代に常連だった沖縄料理屋の女将。
 
『花束みたいな恋をした』(2020)に心を掴まれた人はこれもキューッと来ると思います。
登場人物たちと同世代の若者で、こんなふうに仕事をして、
こんなふうに恋をしている、あるいはした人なら心をえぐられるのでは。
 
僕と彼女と過ごした5年。
本当に好きだったよって言われたら、それだけで生きて行けるかな。
 
昨日原作も読み終わりました。レビューはこちら

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