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『ジガルタンダ・ダブルX』

2024年06月14日 | 映画(さ行)
『ジガルタンダ・ダブルX』(原題:Jigarthanda Double X)
監督:カールティク・スッバラージ 
出演:ラーガヴァー・ローレンス,S・J・スーリヤ,ニミーシャ・サジャヤン,イラヴァラス,ナビン・チャンドラ他
 
ダンナ一時帰国中ですが、この日は飲みに行くということだったので、私は映画に行く計画を立てる。
ところが、飲む約束をしていた相手の体調不良で、飲み会が流れてしまいました。
せっかく予約を取ったお店をキャンセルするのがもったいなくて、私が代打で行くことに。
しかし本作をいま見逃すと次のチャンスがいつ来るかわからないから、これだけは観に行かせてもらいます。
おでんを食べに行く前に、塚口サンサン劇場へ。
 
2023年のインド作品。
先週観たばかりの『ジガルタンダ』(2014)と同じカールティク・スッバラージ監督の作品で、
タイトルもこうだと10年越しの続編だと思ってしまいますが、そういうわけでもない。
映画が武器になるというテーマは同じですが、前作を未見でもまったく問題なし。
 
1970年代後半、冒頭の舞台はコンバイ地方、象のいる森
神聖なる生き物、象とその森に暮らす部族たちは共生してきたはずなのに、象牙を狙って密猟する者が現れる。
その残虐な行為に胸を痛める村人たちが新任の警視ラトナクマールに直訴すると、
なんということか、ラトナクマールは村人たちを助けるどころか、捕らえて拷問する。
そして悪魔のような密猟者シェッターニは野放し状態。
 
一方、マドゥライで警察官を目指していたキルバンは、ようやくその夢が叶うというとき、
学生たちの喧嘩に巻き込まれたうえに、凶器を手にして気絶していた現場を押さえられ、学生たちを殺害した罪で投獄される。
 
数年が経ち、ラトナクマールに呼び出されたキルバンは、
ジガルタンダ連合というギャングの親玉アリエス・シーザーを殺せば、警察官に復職できるようにしてやると言われる。
シーザーは自らの映画館を所有しており、自分の映画を作って上映したいと思っているらしい。
そこでキルバンは映画監督を装ってシーザーに近づき、撮影を開始するのだが……。
 
『ジガルタンダ』を観たときと同じく、序盤少しうつらうつらしてしまいました。
イケメンがまったく出ていないのもツライでしょ(笑)。
だけど、もうホッント、話が進むとどんどん面白くなって止まりません。
イケメンなしでここまで観ている者を惹きつけられるってすごくないですか。
 
ラトナクマールがとびっきり嫌な奴なのはもちろんのことなのですが、
一見善人風の女性州首相とか、あり得んぐらい悪い。こんなにも悪いんですか、インドの政治家って。
 
飲んだくれで暴力的で、信用ならない印象だったシーザーが最期はどれほどカッコイイことか。
キルバン監督、シーザー主演の作品に見入る観客たちの表情。
ちょっとは良い政治家もいることにはホッとしました。
 
クリント・イーストウッドに献辞ってなんだろうと最初に笑っていたら、
そりゃそうだ、これは彼あっての作品でしょう。
 
そしてあるのですね、続編が。10年も待たせないでよ。

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