『君たちはどう生きるか』
監督:宮崎駿
声の出演:山時聡真,菅田将暉,柴咲コウ,あいみょん,木村佳乃,竹下景子,風吹ジュン,阿川佐和子,
大竹しのぶ,ヒコロヒー,滝沢カレン,カンヤダ,小林薫,國村隼,火野正平,木村拓哉他
109シネマズ大阪エキスポシティにて鑑賞しました。
劇場やテレビで予告編を目にすることもなければ、声のキャストも主人公役の山時聡真しかわからない。
これだけ情報があふれている時代に宣伝皆無だとどうなるのかという実験的な部分があったようで、
この状態がすでにエンターテインメントだとおっしゃる。
しかし本作に関わったすべての人が黙っているのも大変だったでしょうね。口かたいわ(笑)。
さて、この目論見は当たったかどうか。興行収入はどうなっていますか。
少年・牧眞人の母親・久子は、太平洋戦争のさなかにを命を落とす。
軍需工場を経営する父親・正一は、久子の妹・ナツコと再婚。
正一は工場もろとも久子とナツコの実家に疎開することに決める。
疎開先の屋敷で見かけるアオサギがいるのだが、ただの鳥とは思えない。
眞人に攻撃的な態度を取るアオサギを追いかけてみると、洋館にたどり着く。
中へ入ろうとしたところを屋敷に仕えるばあやたちに止められ、事情を聴くと、
洋館を建てた大叔父は本の読み過ぎで頭がおかしくなり、この地に籠もった後、忽然と姿を消したのだと言う。
ある日、妊娠中のナツコが屋敷からいなくなって大騒ぎに。
それより前に彼女が森の中へ入るところを見た眞人は、
ばあやのうちのひとり、キリコと共に、ナツコを探しに森へと足を踏み入れる。
アオサギに先導されて着いたのは「下の世界」。
いつしか見えなくなったばあやのキリコに代わり、現れた若いキリコが眞人を助けてくれる。
また、火を操る少女・ヒミと知り合い、彼女の案内でナツコの居場所を探し当てるのだが……。
と書いてみましたけれど、さっぱり意味がわかりません。
タイトルにあるのは吉野源三郎が1937(昭和12)年に上梓した小説で、
だからといってこれが原作というわけではなく、久子が眞人に残した小説がこれでした。
宮崎駿の絵だなぁという感じだし、意味がわからないからといって退屈でもない。
でも、ヒミが実は眞人の母親だったりするし、「上の世界」と「下の世界」が何を象徴しているのかもわかりません。
だって、宮崎監督ご自身が試写の後に「自分でも訳がわからないところがあった」と発言したという噂ですから、
撮った本人がわからないものをこっちがわかるはずもなく。
好きに解釈すればいいのでしょうが、好きに解釈するために何度も観ようとは思わない。
私はこの1回きりでいいです。
声を担当している俳優は誰なのか、すぐにわかるのはナツコ役の木村佳乃。
けれど、アオサギ役の菅田将暉はイメージ違いすぎてわかりませんでした。
キリコの声もいわれてみれば柴咲コウ。気づかなかったけど。
ヒミの声を担当しているのがあいみょんだというのだけは明記されていますが、意外です。
声だけ聞いていてもわからんもんだなぁ。
私が観たのは何の割引もない平日の夕刻の回。
言うほど客は入っていなかったけど、興収ランキングは『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を抜いたのですね。
最終的にはどこまで数字が伸びるのか。難解でも宮崎駿は宮崎駿、客は入るか。