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『MEN 同じ顔の男たち』

2022年12月14日 | 映画(ま行)
『MEN 同じ顔の男たち』(原題:Men)
監督:アレックス・ガーランド
出演:ジェシー・バックリー,ロリー・キニア,パーパ・エッシードゥ,ゲイル・ランキン
 
今月いっぱい有効の株主優待券をいただいたので、
師走はいつも以上に夕刻混み混みの新御を走り抜けてTOHOシネマズなんばへ。
1時間あれば到着できると思ったのにアウト。
本編開始からおそらく10分経過していて券売機ではもう買えない時間。
スタッフのお兄さんに今からでも入場したい旨を伝えました。
ほかのお客さんの前を通らないで良い前方通路際の席なら販売してくれます。
 
アレックス・ガーランド監督によるイギリス作品。
鬼才の呼び声高いけれど、なんとなくしんどそうで私は避けてきました。
上記の理由で最初の10~15分は見逃していますが、じゅうぶんに推察可。
めちゃめちゃ怖くてグロかった。こんな作品だとは思わなんだ。
思いっきり画面に近い席に座っていたせいで余計に。
 
夫婦喧嘩の途中で夫ジェームズから殴られた妻ハーパーは、激怒して夫を部屋から追い出す。
その結果、上階から転落したか飛び降りたか、ジェームズはハーパーの目の前で惨死する。
 
傷心のハーパーは、気持ちを落ち着かせるためにしばらく都会を離れることに。
東イングランドのハートフォードシャーにある小さな町コットソンに赴き、
緑あふれる庭に林檎の木が植わる豪奢な屋敷を借りる。
 
親友ライリーと電話しながら、町を散策するハーパー。
美しい景色と澄んだ空気に心が洗われるのを実感していたが、誰かがこちらを見ている。
帰り着いた屋敷では、さっき見かけた裸の男が庭から覗いているではないか。
怯えるハーパーは警察に連絡するのだが……。
 
親切そうな管理人ジェフリー、謎の裸の男、牧師、警察官、少年、パブの常連客、
みんながみんな同じ顔。彼ら全員をロリー・キニアが演じています。
もう薄気味悪いのなんのって。直視するのも辛くて、久々に震え上がりました。
 
ネタバレしてもいいですよね?
 
屋敷に彼らが侵入してきてハーパーと対決。
ひとりの腕をナイフで切り裂くと、次に現れる同じ顔の男も裂かれた腕がぶらんぶらん。
死なないうえに、最後は誠におぞましい展開で、男たちが次々に出産。
といっても赤ちゃんが生まれてくるわけではなくて、同じ顔の男が生まれるんです。
 
腕を裂かれて血まみれになった状態が、夫ジェームズが亡くなったまさにそのときと同じ。
最終的に男の「穴」から生まれてきたのはジェームズで、喋りますからね。
 
これまでアレックス・ガーランド監督を避けてきて正解だと思いましたが、
『エクス・マキナ』(2015)と『アナイアレイション 全滅領域』(2018)は観てみたいと思いました。
奇天烈でおぞましいのに好奇心を刺激されるというのか。
 
「あなたは私にいったい何を望むの?」「愛してほしい」。
愛せるわけないっちゅうのよ。
マジで不気味で怖かった1本。これがこの日最後の映画鑑賞じゃなくてよかった。

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