『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』
アニメーションディレクター:黒川智之
声の出演:幾田りら,あの,種崎敦美,島袋美由利,大木咲絵子,和氣あず未,白石涼子,
入野自由,内山昂輝,坂泰斗,諏訪部順一,津田健次郎,杉田智和,TARAKO他
日々、というのか、時間単位で変わる母の容態。
ただ、面会に行って意識のなかった日というのはまだなくて、
この日も母と私共通の友人を連れて面会に行き、
声をかけたら目を覚ました母が「ありがとう。来てくれたん」と力はなくも笑顔になる。
会いに来てくれた友人は70代後半で、93歳の母よりずいぶん若いけれど、
ステージ4の膵臓癌ともう何年も闘病中で、母の希望の星。
新しい抗がん剤の投与で体調がすぐれないなか、母に会いに来てくれて感謝。
しばし楽しく話をしたあと、今日も母は大丈夫だろうと私はイオンシネマ茨木へ。
原作は『ビッグコミックスピリッツ』に2014年から2022年にわたって連載された浅野いにおの同名漫画。
毎度のことながら私は未読、その存在も劇場で本作のポスターを見て初めて知りました。
「デ」が多すぎるねんと目がラリラリしながらも、「ラララランド」みたいになることはない(笑)。
ある年の8月31日、巨大な母艦が宇宙から飛来。
それから3年、何がしたいのかもわからぬまま、母艦は東京の上空に浮かび続けている。
当初は怯えていた人々も今はその状況に慣れ、不安は抱きつつ日常として受け入れている。
女子高生の小山門出と中川凰蘭は受験勉強に追われながらも、それなりに毎日を謳歌している。
……って、あらすじを書いてみたらこれだけじゃあないか。(^^;
でも、一筋縄ではいかない物語なのです。
母艦には地球をわが物にしようと企んでいるらしい侵略者たちが乗っていて、
彼らを一掃すべく米軍や自衛隊がうろうろしています。
忘れた頃にまた空から船が降ってきて、巻き添えをくらった女子高生が亡くなったりも。
いつも一緒にいた仲間を失った門出や凰蘭のやりとりには涙が出る。
中盤以降に幼かった頃の門出と凰蘭の過去が描かれる場面は不穏。
実は彼女たちは侵略者のひとりを保護していて、それまで同級生からいじめられていた門出が変わる。
侵略者の一員イソベやんがドラえもんみたいにひみつの道具を持っているのですよね。
それを使って、社会の悪を駆逐しようとする門出が痛々しい。
5月に公開が予定されている後章でどうなるのか。
声優としてダブル主演、門出役の幾田りらと“おんたん”こと中川凰蘭役のあの、ふたりとも素晴らしい。
特に、テレビではあまり良い印象を持っていなかったあのちゃん、見方が変わる。
個人的には、おんたんのデベ子評が私ののび太評と一致していたのがツボでした。
後章が楽しみです。